新しい名字 ナポリの物語 2

  • 早川書房 (2018年6月1日発売)
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感想 : 7
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  • 本 ・本 (624ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152097637

作品紹介・あらすじ

若くして結婚したリラは、裕福な婚家での生活にしだいに息苦しさを覚えるようになる。一方、学問を続けるエレナは、ピサの名門大学への進学が決まり、作家としての道を歩みはじめた。対照的な二人の少女の10代から20代の波瀾を描く、世界的ベストセラー第2弾

感想・レビュー・書評

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  • 2024.9.19市立図書館
    イタリア・ナポリの下町を舞台に、第二次大戦末期生まれの少女エレナとリラを中心にその成長と友情を描いていく物語。一冊目がおもしろかったので、時間をおかずに続きを予約して借りた。
    幼年期から晩年までを描く四部作の2冊目は16歳のリラの結婚式の場面から、彼女らが23歳になってエレナが大学を卒業し、ひょんなことから小説が出版されたところまで。

    暴力と金がものをいい、女や弱いものなどもののようにやりとりされ顧みられない(正直言ってほとんどだれのことも信じられなくなる)世界にもまれながら、才気はあるのに地元の濃い人間関係の中で生きていかざるを得ないリナと、勉強に打ち込むことでそこから出ていこうとするエレナ。
    母となってみて子どもの教育の大切さに目覚めるリナの覚醒、そして大学で出会う人々とガリ勉で這い上がってきた自分のこえられない格差に気づいて苦しみつつ、地元に戻っても居心地の悪さを感じるエレナの心情は、遠く国の昔の話ではなく、とても身近な話として深く響いた。

    続きが気になるし、第1巻の導入部も改めて読み返したい。

  • すごい。地域柄なのか、みんなすごく気性が激しいんだなと思うけれど、人間関係の機微や人の複雑さが微妙なところまでうまく描かれていて、本当に面白いし、読み応えがある。彼らはもう私の中で生きている。

  • 思春期から大人に至るまでの描写が細やかで、一見間延びしそうで夢中になってしまう…読み応えもあって的な作品。3作目も楽しみ。



  • 思春期の葛藤や競争心が熱くて酸っぱい。学ぶことへの執着を貧しくとも諦めず、いかに明日へ繋げていくかと、野暮ったさ田舎臭さをひた隠し這いあがる努力の内面を、気づけば後押ししたい自分がいた。終幕は鳥肌がたつ。

  • 状況や心象説明がきめ細かい文章は、大抵が説明過剰で退屈なもの。でも、そうではない文章もあるのだなと驚かされた。
    描写のどれひとつとして無駄なものはなく、丁寧な説明ゆえに状況が活き活きと目に浮かんだ。
    ページ数が多い上にイタリア人の名前は覚え辛いので、気長に丁寧に、何度も名前を確認しながら読んだ。お陰で、夢中で読んだにも関わらず、読み終わるのに何日もかかったが、苦にならないくらい面白かった。
    激しい登場人物たちの価値観や考え方は、自分の身の回りとは遠いけれど、追い込まれた人間の持つ生々しさや、人間の正直な感情を見せつけられているよう。
    一方で、理性を保てる環境にみを置けることにありがたさも感じた。
    続きを早々に読みたい。

  • 2巻も勢いは落ちないどころか、怒涛の。途中で本を置くことなどとてもできず一気読み。すっかり日が暮れた。残りも読ませて…

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