- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152098191
感想・レビュー・書評
-
ミステリとして読むと、おそらくミステリ好きな人なら途中で真犯人が分かってしまうだろう。正直、上巻の時点で半分くらいは想像がつく。物語の展開も、スリリングではあるが直線的であり、謎解きのカタルシスのようなものは得られない。
しかし元大統領が、共著という形とはいえ現職大統領を主人公に小説を書く、というそのメッセージ性は透けて見える。特にロシアの描写は、訳者あとがきにもあるが、妻ヒラリー・クリントンが敗れた大統領選挙におけるロシアゲート疑惑を意識しているのだろう。最後の演説にはビル・クリントンの主張、現政権への警鐘とも取れる。主人公の無双ぶりは明らかに彼の理想像だ。
そうやって読むとサスペンスとしてより、サスペンスを借りた政治的発言という見方もできる。大統領という職務の重さを描写した小説として面白い。
しかし総じてアジア諸国の陰が薄いのは...クリントンの意向かしら。そんなに国をバンバン出すと分かりにくいと思ったからかしらん。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いや~、すごく面白かった。
ビル・クリントン元大統領が描く、サイバーテロ&ポリティカルスリラー・エンターテイメント。まさに大統領を主人公にした『24-トウェンティーフォー-』。
元大統領が本を出すというのは珍しいことではないが(『○○大統領回顧録』とか)、このようなエンターテイメント小説を出すのは極めて異例。しかも、大統領が主人公とくれば、そりゃ、リアリティー抜群に決まっている。なんたって自分の経験をそのものを書けるのだから。
ストーリー的には、初めての執筆ということで(百戦錬磨の作家ジェームズ・パターソン共著ではあるが)、トム・クランシーやフレデリック・フォーサイスの作品に比べれば、単純すぎるくらい単純なストーリーである。しかし、そこは大統領経験者が書いた小説なのだからリアルな大統領の考え方やホワイトハウスの力学、各国首脳との関係などをじっくり楽しむのがこの本の楽しみ方。
それでもサイバーテロの恐ろしさやそれを防ごうとする専門家たちの息詰まる攻防は読みごたえがあった。
主人公のダンカン大統領はまだ一期目ということであるので、ぜひ、再選を目指して活躍し、読者を今後も楽しませてほしい。 -
面白かったです。黒幕明かすところがなかなかスリリングでした。こういう作品読むとアメリカ大統領はあらゆる知識と経験を兼ね備えた大変優秀な方でなければなれないのでは、とつくづく思います。私にはわからないけれどトランプ氏もそうなんでしょうね、きっと。
-
元大統領と、ミステリー作家の合作です。元大統領ががっつり入って作られてるなら、そりゃおもしろいだろうと期待しますよね。ミステリーとしては平凡だったとしても、その背景にある大統領の実情なんかが出てきて、いろんな発見があるんじゃないかとか、思いますよね。私もそういう期待のもと、読みました。
結果、なんとも微妙でした。こんなこと書くと失礼かもしれないけど、大統領の自画自賛に感じられたんですよね。やれ、大統領は重たい決断を常にしていかなければならないのだ、とか、やれ、専門家がどういっていたとしても政治的判断の重責を果たさねばならないのだ、とか、大統領がスーパーマンとして描かれすぎのように見えたんです。知りたいのはそこじゃないんだなあ。
まあ、小説としてなかなかおもしろかったのはおもしろかったですが、期待してたかんじではなかったなあというのが、正直なところでした。【2020年2月13日読了】 -
うーん。サイバーテロ
-
(邪推かもしれんが)かなりパタースンの手がはいってると思う。アレックスとかのシリーズの翻訳を先に望む。
-
元大統領の共著作。元レンジャーの大統領と言うことでエアフォース・ワンのハリソン フォードばりのアクションがあるのかと思いきや、メインの展開はしっかり頭脳戦でした。
随所にアメリカ的な価値観が(特に最後のスピーチ)が出てくるけども、そこは大統領経験者が共著と思えば許容範囲内? -
東2法経図・6F開架:933.7A/C78d/2/K