- 本 ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152098528
作品紹介・あらすじ
人はいかに生きるべきか? 古代ギリシャ・ローマ時代にこの問いを考えぬいた人生哲学の元祖、ストア哲学。「コントロールできるものとできないものを区別せよ」「富や名声に価値はない」……現代人をストレスから救う、どんな自己啓発書にもまさる哲人の教え
感想・レビュー・書評
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ストア哲学の入門と実践をエピクテトス(語録、提要)を主に取り上げ筆者の人生と絡めて紹介している。
欲求は、何を求めるのか自分ではコントロール出来ないもの、人の行動などを求めるのは意味がなく、自分のできることを行う。
行動、実際の世界でどのように振る舞うか。徳(勇気、公正、慈悲、節制、知恵、超越性)に従い、熟慮したのちに行動する。徳と無関係なものには触れる必要はない。
受容、コントロール出来無いものを受け入れる、死は毎日近づいてくる。どんなものにも永遠はなくその瞬間を十分に過ごす。 -
私はもうすぐで節目となる年を迎える。それもあってか最近、「もう人生の●分の1くらいは終わってしまったのだな」と感じ、死ぬのが怖いという気持ちになりがちだった。
時間潰しに立ち寄った本屋でこの本が目に止まった。哲学については素人で、有名な哲学者の名前なら知っている程度だったが、パラパラとめくったページにあった
「わたしがストア哲学を信奉するようになった最後の理由は、死が必然であり、それにいかに備えるかについて、ストア哲学がもっとも直接的に、説得力をもって論じているからだ。」
の一文が気になり、買ってみることにした。
結論から言えば、読み終わった今、死ぬことへの恐怖は薄まったと感じる。ただそれは、死ぬことへの解像度が上がったとか、死後の世界に何か見通しが持てたとかではなく、「いつか自分は死ぬ、周りの人も死ぬ。それはどう頑張っても変えられない。逆に、誰かの存在がなくなり、居場所を譲ってきてくれたからこそ、いまここに自分は存在していられる。」という当たり前の事実を、この本がまっすぐに、ただし悲観的でないように教えてくれたからだと感じる。
読み終わって新幹線の窓から風景を見た時、夕日が見えて、毎日のように見ている太陽にも寿命がある、と教わったことを思い出した。頑丈に見えるビルも、文明の結晶みたいに輝く都市も、例えば地球の薄皮1枚めくれてしまえば、簡単になくなってしまうようなものなんだなぁ、とも思った。だから悲観的になろう、という訳でなく、だからこそ、家族や友人、自分自身に対して「今が最後かもしれない、今が大切」と、ある種の緊張感を持って接するように、というのが、この本が教えてくれたことだと感じる。
当たり前だが、現代社会によってうまく包み隠されているような感覚を思い出させてくれる良書と感じる。また死ぬのが怖くなった時、自分の人生に対しての緊張感が緩んでしまったとき、この本に戻ってきたいと思うし、同じような思いを持つ人におすすめできる本だと感じた。 -
とあるYou Tubeの動画でストア哲学の解説がなされていて、関連する本を夏に札幌に行ったときに購入していたんだが、なかなか全部読む前に図書館で借りた本とかを優先してしまていて積読になってしまっていた。
今回たまたまほかに読む本がなかったので、残りを読むことに。
残り2/5くらいだったが、夏に読んでた時よりも集中して読むことができて、内容も非常に頭にすんなり入った。普通に良い本だったので、なんか最初の3/5もまたちゃんと読みたくなってきた。
最後に普段から意識するべき十か条みたいなのが掲載されていたが、なんかちゃんとメモって、大事な時の前とかに読むようにしようかなと思う。 -
ストア派、実用的でいい
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ストア派の指南書のような一冊。著者はストア派哲学者の中でもエピクテトスが好きらしく、エピクテトスの逸話をメインに話が展開。エピクテトスが好きな方、ストア派哲学を知ってはいるが、他の哲学とどう違うのか等詳しく知りたい方などにおすすめ。「迷いを断つための」とあるが、悩みに答えてくれる訳では無いので注意。ストア派はあくまでも自分の意思で、美徳に従うのである。