世界でいちばん不幸で、いちばん幸福な少女

  • 早川書房 (2019年4月18日発売)
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本 ・本 (200ページ) / ISBN・EAN: 9784152098580

作品紹介・あらすじ

驚くべき創作意欲に一生を捧げた稀有な作家、栗本薫。彼女の担当編集者であり夫であり、いちばんそばにいた最大の理解者である今岡清が、作家の知られざる素顔を交えながら、栗本薫/中島梓の、挑むような生き方とその思い出をゆるやかに綴る貴重なエッセイ集

感想・レビュー・書評

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  • 栗本薫/中島梓没後10年、グイン・サーガ誕生40年記念出版。

    グイン・サーガムック連載時にも読んでいたのですが、栗本薫の幼女性というものがショックではありました。
    あれだけの作品数生産数の作家さんなので、常人とはかけ離れた性質は持っているのだろう、とは思っていたのですが予想外のところが現れたと思ったものです。その衝撃のせいか、書籍化された後も購入はしたものの、なかなか読もうという覚悟みたいなものができずに、2023になって読みました。

    グインという大河小説が道半ばで終わってしまったことと、当然なのですが自分の知らない栗本薫の存在が、自分が思った以上にショックだったのでしょうね。

    日本の小説界/文筆界に巨人の一人として屹立するであろうことは間違いのない存在なだけに、英雄視しているところが無意識にあったのでしょう、自分には。勝手なイメージで、一方的にショックを受けるというのも、ひどく自分勝手なものです。
    読むうちに、そういう周囲の人間とのすれ違いに疲れていたのだなぁ、と感じました。そして、それでも関わりをぶったぎってしまうことができないから、の苦しさだったのかなぁ。読み終えた直後なので、安易にそういう風な寄り添った気になってしまう。

    難しい。
    伝記や評伝ではない、ということを今岡清さんは言っていたけど、一番近くで見てきた人が綴るものであるので、そのスタイルで読んでしまう。この書籍の良し悪しではなく、グイン・サーガしか触れていない人間がいうのも烏滸がましいけども、強烈な作家だった存在であるが故に、勝手に作り上げたものが読者にはある。
    そうであるのならば、読まない方がよかったのかもしれないなあ。

  • リストに入れてなかったけど読んだはず

  • 栗本薫・中島梓の旦那さんによる、昔「グインサーガ・ワールド」に連載されたエッセイを加筆・修正したものです。グインサーガ・ワールドもすべて読んでますが、改めて読んでみました。懐かしい。
    私は栗本薫・中島梓は作家、評論家の面しか知りませんが、それ以外の、舞台作家、演出家の一面など、知らないところが分かって面白いです。
    また、あれだけの作品を生み出す人は、やはり普通の人とはちょっと違う、というところもよく分かります。
    最後の方は亡くなった後の話しまで書かれていますが、淡々と書かれていて、それがまた寂しさを醸し出していますね。亡くなったのが 2009 年なので、もう 12 年も経ってしまったのですね。

  • 筆者は栗本薫/中島梓のご主人で、早川書房の編集者だった方。『グインサーガ』を世に出した方、ですな。
    出版直後に店頭で見かけた時にはとても読む気になれなかったけど、少し時間をおいて冷静になれたかな。あちこちのあとがきで、チョイチョイ垣間見ていた、リアル薫さんの生活。ご主人目線で描かれていて、興味深い。特に『真夜中の天使』をめぐるエピソード。あと、編集者ごとグインサーガを買い取ろうとした出版社があった話にはビックリ。どこの出版社よ、そういう仁義欠いた真似をするのは⁉︎

  • 栗本薫さんは浅く読んでた自分に気がついた。『グイン・サーガ』も『魔界水滸伝』も最初の数巻だけ。伊集院大介も『絃の聖域』だけ。『ぼくらの時代』は読んで以降は読んでない。むしろ『グイン・サーガ』でハンセン氏病についての記述に抗議があった件を新聞の記事で読んだ印象が強く残ってる。

    この時の対応について、ご自分の初動のまずさも含めきちんと書いておられる。あの時現場ではこんなことが起こっていたのかと、昔読んだ新聞記事が自分の中で完結した感覚があった。

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著者プロフィール

今岡清:1948年横浜市生まれ。『S-Fマガジン』(早川書房)の元編集長。編集者として星新一、小松左京、筒井康隆らの作家の作品を手掛け、また神林長平、大原まり子らの新人を育てる。作家の栗本薫は妻。栗本薫の遺作『グイン・サーガ』の続編プロジェクト監修者。天狼プロダクション代表取締役。ジャズシンガー。天狼プロダクション:http://tenro.music.coocan.jp/

「2019年 『AIが書いた小説は面白い?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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