穴の町

  • 早川書房 (2019年7月4日発売)
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本 ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784152098719

作品紹介・あらすじ

郊外の名もなき町々についての作品を執筆中の「ぼく」。とある町に滞在し、誰も乗らないバスの運転手をはじめとする町の住人に取材をする。あるとき、街区に大きな穴が空き、町は消失し始める……。〈ガーディアン〉誌で「力強く、かつ不穏」と評された物語。

感想・レビュー・書評

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  • 図書館本

    なくなる町。穴に落ちてゆく人。
    逃走の気持ちが諦めに変わるのが、安部公房の砂の女 のようだそうです。

  • 穴、あいたな…と思って読みました。
    どうなる…どうなる…とぞわぞわしていたら、どうもならずに終わった。
    くすぶり加減がリアルだけれど、SF感もあり?

  • 旅する海外ブックガイドから。文学ってそんなもんかもしらんけど、何だかつかみどころのない物語だった。原題はそのものずばり"the town"だし、街と言えば、村上春樹の最新作が思い浮かぶ訳だけど、そうなってくると、街そのものの魅力の彼我の差が気になってしまう。

  • 所属感のなさや不思議なことをある程度受け入れる描写などは確かにカフカっぽい。
    ラストの穴の底の街の様子がもっと知りたかった。

  • 世界観が最高。

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00601503

    『ニューサウスウェールズ中西部の消えゆく町々』という本を執筆中の「ぼく」。取材のためにとある町を訪れ、スーパーマーケットで商品陳列係をしながら住人に話を聞いていく。
    寂れたバーをたんたんと営む女性や乗客のいない循環バスの運転手、誰も聴かないコミュニティラジオで送り主不明の音楽テープを流し続けるDJらと交流するうち、いつしか「ぼく」は陽炎に閉ざされた町の閉塞感になじみ、本の執筆をやめようとしていた。そんなある日、突如として地面に大穴が空き、町は文字通り消滅しはじめる……
    奇想小説の正統、滑稽で不気味な黙示録(出版社HPより)

  • 消える町の本を執筆する予定で、実際に町に穴が開いて、消滅に向かう。穴の存在は不明だが、町の様子は明らかに過疎で、店に人が来ない、交通も機能してない。どこに行っても同じでしょ?という住民の中、わずかながら希望を持っていた女性と町を後にする。「都市」では二人は少しも馴染めず、女性はかつての住民のように希望を失う。希望って多分住民とのコミュニケーションかと思うけど、彼女のやり方もなかなか一方的であって、んー、って感じ。デカプリオ主演のビーチっていう映画を思い出したよ。

  • 構成と文書が冗漫で完読を諦めた

  • カフカ!カルヴィーノ!安部公房!
    不条理小説好きの琴線に触れまくる傑作だった。
    すごく不思議な文体で、段落のはじめはスラスラ読みやすいんだけど途中から変な感じになっていき、最後はよくわからなくなって一段落が終わる感じ。ちょっと味わったことのない読み口。
    何が起きるってわけでもないんだけど常に不穏な空気が漂っていて、確実に終末に向かっている予感だけがある感じ。好きすぎる。もっと読ませてくれ!

  • 消えゆく町についての本を書こうとしている男が、穴が生じて消えてしまう町や名無しの都市をガラス越しに見ているような小説だった。英国人とは違う、オーストラリア人の孤独というか、白人入植者とアボリジニの間の問題のようなものを感じた。この本自体が「消えゆく町」について書かれた本であるから、作中で完成させられなかった「消えゆく町についての本」になるような構造が面白いと思った。自らの住む日本に引き寄せて考えると、都市はいわゆる「東京」だろうか。でもオーストラリアでしか書かれえないテーマで、そこがまた面白いと思えた。

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