NOKIA 復活の軌跡

  • 早川書房 (2019年7月4日発売)
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本 ・本 (432ページ) / ISBN・EAN: 9784152098726

作品紹介・あらすじ

携帯端末事業でAppleやGoogleに敗北し、一時は倒産を囁かれるも通信機器メーカーとして復活を遂げ、今や5G時代の覇者とも目される"北欧の巨人"、ノキア。不屈の起業家精神で老舗企業を改革した現会長が、その一部始終と経営手法をついに明かす

感想・レビュー・書評

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  • 誰もが認める携帯端末メーカーのトップの地位から、スマートホンの波に乗れずに転落。その後、マイクロソフトとの提携、携帯端末事業の売却、ノキアシーメンスを事業の中心としたネットワーク通信事業者としての会社の立て直し、そしてアルカテルルーセントの買収を通して、世界のトップ企業へ返り咲きます。こうしたノキアの見事な転身を率いたシラスマ会長が語る舞台裏。これは面白い。

    iPhone、androidを脅威として捉えず、取締役会では対策の議論すらされていなかったというから驚きです。取締役会と経営執行陣のコミュニケーションの欠如もあって、ほどなくノキアは転落します。この落ちていくスピードの速さと社内の不協和音がまたリアルに描かれています。落ちるときは速い。。

    シラスマ氏が会長になってから、パラノイア楽天主義(緻密な準備と大胆な実行)を掲げ、取締役会と経営執行陣が一丸となった戦略検討、常に複数の選択肢を検討するシナリオプランニングの導入といった改革を進め、ノキアはそれまでとは全く別の企業として息を吹き返します。

    歴史的にも、携帯端末メーカーとして君臨する前は、製紙、ゴム事業を生業としていたノキア。変身はそのDNAに組み込まれているのかもしれません。しかしやはり、立役者はリーダーとしてのシラスマ氏なのでしょうね。ベンチャー企業出身ということですが、周りを巻き込み、チームビルディングしながら課題を解決していくマネジメントも凄ければ、トップになっても最新の技術を自ら学ぶ姿勢も素晴らしいことですね。(AIプログラムの勉強もされているそうです)

    ビジネス書としても参考になるのはもちろんですが、ノキア転落の舞台裏、マイクロソフトとのM&A交渉の舞台裏など、興味深いエピソード満載で、普通に読み物としても楽しめます。久しぶりの5つ星ビジネス書。

  • イノベーションに破壊され立ち上がる、フィンランドの国民性もあるのか。ソ連に負けない強さ、歴史もあるんかな。
    現代経営の最適ケースワーク。
    起業家リーダーシップ あらゆることを学びに
    楽観的パラノイア あらゆるシナリオを考え大胆に
    whyにこだわる
    何を変えるべきか?どう変えるとあなたの仕事はうまくいく?

  • ノキアのトランスフォーメーション実現にあたって、 最も重要な役割を果たしたのは、
    「起業家的リーダーシップ」
    「パラノイア楽観主義」
    「シナリオプランニング」

    事例が具体的でわかりやすく、臨場感をもって上記の重要性を理解する事が出来た。

  • ノキアの盛衰を描いた本。時系列が細かすぎて、長々しい。

  • ノキア会長が振り返る2008~2016年の軌跡。なぜノキアがappleに負けたのか。取締役会がどんな議論をしていたのか。マイクロソフト、アルカテル・ルーセントとの大型M&Aのシナリオや交渉の裏側を知れる。CEO同士の交渉内容が赤裸々に記されており貴重。

    以下、ネタバレ。お気に入りの箇所。

    「どの企業も前方を見るための指標に注目したほうがいい。将来的に起こることと最も相関性の高い過去データを探すべきなのだ。ただし、財務データは最悪の指標の一つだ。顧客満足度などのほうがはるかにいいだろう。」

  • 海外の、特にNOKIAの近年の動向について全く知らない状態で読み始めたので、出来事の時系列などを理解するのに苦労した。古い慣習や成功体験に基づいた体制が時代にそぐわなくなり、変革を求められるということはNOKIAに限られたことではないと思うが、そこから淘汰されてしまうか生き残ることができるかは紙一重なのだなと感じた。話の規模が大きくマネジメントの層も非常に高い領域での話だったので、自分に生かせる部分はなかなか見つけられなかったが、世の中は盛者必衰であることを念頭に物事に対処しなければならないなと漠然と感じることはできた。

  • ノキアの事業変遷が理解できた
    経営者と取締役の違いについての理解が深まった
    プログラミングの勉強を始めたい

  • 【所蔵館】
    総合図書館中百舌鳥

    大阪府立大学図書館OPACへ↓
    https://opac.osakafu-u.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2000941133

  • 携帯事業が強かったばっかりにスマホに乗り遅れたのは、他業種でも教訓になった。

  • 倒産寸前と言われたノキア社の立て直しを担った、同社会長シラスマ氏による著。

    2005年当時、フィンランドでスタートアップを経営する著者がおこなった調査によれば「スタートアップ企業の提携相手として、ノキアは大手テクノロジー会社の中で下から2番目で、その下にはオラクルしかいない」状況であったとは!

    内容的にはマイクロソフトによる買収受け入れの件など面白い箇所も多いのだが、細々書きすぎ。日経「私の履歴書」くらいの分量だと読みやすかろう。
    シナリオ分析とか、通常あり得ないとも思われるシナリオを想定したプランB、プランCを想定することの重要性とか、示唆に富む内容が多い一冊のため、読みづらさは残念だ。

    「#NOKIA 復活の軌跡」(早川書房、リスト・シラスマ著)
    Day215

    https://amzn.to/3kMlmj1

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