嘘と正典

著者 :
  • 早川書房
3.64
  • (37)
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  • (68)
  • (14)
  • (4)
本棚登録 : 646
感想 : 92
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152098863

作品紹介・あらすじ

第3回ハヤカワSFコンテスト〈大賞〉受賞後、第2長篇『ゲームの王国』で日本SF大賞および山本周五郎賞を受賞した小川哲。その受賞後第一作となる短篇集を刊行する。奇想小説、歴史小説、そしてSF小説……ジャンルすべてを包含して止揚する傑作集の誕生。

感想・レビュー・書評

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  • 先日、『地図と拳』で苦戦した小川さんです!
    リベンジしようと思って本作を手に取りました!
    なぜ、本作かというと短編なので読みやすいかなと思ってw
    全部で六篇です

    「魔術師」
    マジシャン、マジックに関する話

    「ひとすじの光」
    馬、競馬に関する話

    「時の扉」
    私には意味がわかりません…(・・;

    「ムジカ・ムンダーナ」
    音楽、ピアノに関する話

    「最後の不良」
    流行に関する話

    「嘘と正典」
    何か難しい話…
    意味がわからないので途中で読むの辞めちゃいました…w (^.^;


    「魔術師」だけはそれなりに楽しめたかな
    あとは…、¯\_(?)_/¯
    二戦目も大敗です…w
    やっぱり相性が悪いのかな…
    (小川ファンのみなさんすみません…)

    • 1Q84O1さん
      ゆーき本さん
      「君のクイズ」うちの図書館は9人待ちでした
      予約入れようか〜、どうしようかな~(^_^;)

      ほん3さん
      読む機会があればほん...
      ゆーき本さん
      「君のクイズ」うちの図書館は9人待ちでした
      予約入れようか〜、どうしようかな~(^_^;)

      ほん3さん
      読む機会があればほん3さんの小川評価を楽しみにしておきますね(^^)
      (自分だけが低評価だったら何かいやですねwww)
      2023/03/16
    • 1Q84O1さん
      mihiroさん
      気を取り直して次へいきますよーε≡≡ヘ( ´Д`)ノ
      ものすごーく気が向いたらmihiroさんも2冊チャレンジしてみてくだ...
      mihiroさん
      気を取り直して次へいきますよーε≡≡ヘ( ´Д`)ノ
      ものすごーく気が向いたらmihiroさんも2冊チャレンジしてみてくださいw ( ̄ー ̄)ニヤリ
      2023/03/16
    • mihiroさん
      あはは✌︎(๑˃̶͈̀◡︎˂̶͈́๑)✌︎
      はい!ものすごーく気が向いたら〜〜笑笑
      あはは✌︎(๑˃̶͈̀◡︎˂̶͈́๑)✌︎
      はい!ものすごーく気が向いたら〜〜笑笑
      2023/03/16
  • 第162回直木賞候補作。
    「魔術師」・・・タイムトラベルに挑むマジシャン、その一家のお話。
    「ひとすじの光」・・・父が亡くなり残された馬。その馬について調べてゆくと。
    「時の扉」・・・東フランクの王を永遠に呪縛する。
    「ムジカ・ムンダーナ」…自らの音楽を貨幣が割とする島を舞台に父の跡を辿る。
    「最後の不良」・・・カルチャーが絶えた未来。そこで最後の不良として起こした行動は。
    「嘘と正典」・・・CIA工作員は共産主義をなくそう過去を変えようと試みる。(書き下ろし)
    6篇。
    初読みの著者さん。表紙のデザインで硬い内容なのか、SFで読み切れるのかとかなり不安でしたが、読み始めたら一転面白くて一気に読んでしまった。読み進め、こういう設定になっているのねとその後の展開が気になって気になって。親子関係のもの「ひとすじの光」「ムジカ〜」は印象に残るし、最後の「嘘と正典」読み入った。こうして歴史は守られているのか、なあんてね。

  • #日本SF読者クラブ 真実あるいは事実、虚構あるいは創作、現在と過去、そして未来。それらが散りばめられた短編集。

     以前「ゲームの王国」を読んだ時から思っていたのだが、話を創るのが上手い人だ。必ずしも壮大ではない話でも、読者を物語に引き込んでゆく。

  • 表紙のマルクスの肖像が印象的だったので、気になって購入しました。別に共産主義がどうのとかは関係なく、なんとなく、黒い表紙に吸い込まれるようにして。

    SFの魅力は、それがフィクションであるからこそ、距離を置いて楽しめるものであるという考え方を持っていました。しかし、この本の短編はそんな自分の価値観を変えてくれました。

    タイトルの「嘘と正典」が1番長い作品なのですが、個人的には最も面白く、次点で、「最後の不良」、3番目が「ムジカ・ムンダーナ」。

    その他にも、「魔術師」、「ひとすじの光」、「時の扉」とどれも引けを取らないほど面白い作品が並んでいます。

    「嘘と正典」
    表紙のマルクスに絡む、共産主義と資本主義にまつわる話。アメリカからソ連に送り込まれたスパイとKGBの争いは、スパイ小説さながらの呼吸をするのも憚られる緊張感がたまらない。最後の驚愕のオチは、やられた、としか言いようがなかったです。
    ニュートンの運動方程式は、ニュートンがいなかったら生まれなかったのか、というくだりの話が個人的には好きでした。

    「最後の不良」
    流行にのらないということが流行り、流行そのものが消えてしまった話。人はなぜ流行に流されるのだろうかという著者の答えが、この短編で鮮やかに描かれています。他の作品と比較して短いので、繰り返し読み返したい作品。

    全編を通して、驚かされるのは、著者の膨大な知識量でしょうか。もちろん、参考文献が明記されているので、そちらから引用されているかとも思います。

    が、、改めて自分が浅いなぁ、と思わざるを得ないほど、ジャンルに富んだ話でした。

  • 6つの短編集。
    こういう作品もSFになるんだな…。
    私にとっては、読むのに集中力を必要とする一冊だった。
    特に表題の「嘘と正典」は難しく感じた。
    皆さん、これを面白いと感じられる読解力なんだと、変なところで感心してしまった。


  • 読み終わって、SFの人だと気付いた。
    それくらいうまくバランスさせて物語を作っています。

    表題の作品は、出だしのエピソードがわからなかった。
    読み終わってから再度読み直すと、仕掛けに気づきました。

    「ゲームの王国」も読んでみたくなりました。
    これからに期待してます。

  • 『ゲームの王国』に魅了され、この連休で絶対読むぞ!と決めていた小川哲。

    オビに「『歴史』と『時間』についての作品集」とあり、最近、時間についての本ばっかり読んでるなぁー、引かれてんのかな、と独り言。

    ストーリーはややベタだけど、時間や定理、文化や思考といったテーマの提起の仕方が面白くて、読みながら考えている一冊だった。
    以下、抜粋して感想。



    「魔術師」
    マジシャンの父を持つ姉弟の話。
    それが、マジックであろうと、本物の魔法であろうと、彼を父として見つめる姉弟の目を忘れてはいけない。

    「時の扉」
    王と語り部という構成が面白い。
    自分にとって都合の悪い過去、痛みを伴う過去を「抹消」することが出来たなら。
    「男は最後に『解釈』を変えてしまいました」

    脳が認識する機能を改変することで、時間と空間は消滅し、有限なる永遠が訪れる。
    ふと、認知症における時間や空間認識って、どういうものなのだろうと考えた。
    忘れてしまうことの怖さを聞いたことがあるけど、自分を作り上げてきた時間の感覚が消失することの恐怖って、想像を絶してしまう。

    「嘘と正典」
    エンゲルスって、あのエンゲルス?
    と思いながら、章が変わると唐突にCIAとKGBの話に変わり、何なんだ?と思っていたらの、オチ。
    時間を遡ることが出来たら、という方法にまつわる面白さはあるけど、結末が……。
    多分、この感想を読んだだけでピースを当てはめられる人はいると思う。
    でも、何度も言うけど、テーマは面白い(笑)

    他に「ひとすじの光」、「ムジカ・ムンダーナ」、「最後の不良」。

  • 歴史上の成果は二つの種類に分けることができる。ある特定の人物がいなくても存在したものと、ある特定の人物がいなければ存在し得なかったものの二つに

  • 2019.12.8読了。
    面白い。
    が、難しいとも思う。
    馬主の話が一番良かった。

  • ”SF”・”ポル・ポト”・”脳波”という3つの無秩序なキーワードを見事にまとめあげ奇想天外な小説世界を味わわせてくれた『ゲームの王国』が大変素晴らしかったために、別の作品も読みたいということで選んだ6作の短編集。

    6作それぞれが別個のテーマであり、いずれもが高い完成度を誇り、作家としての天才性に圧倒されてしまう。特に表題作の『嘘と正典』は『ゲームの王国』にも通じる現代史×SF系の世界観が極めて魅力的である。マルクスではなくそのパートナーであったエンゲルスをターゲットと定め、歴史介入によってエンゲルスがかけられた実際の裁判の判決を変え、共産主義の勃興を防ぐ・・・という筋書きだが、その過程も含めて、非常にエキサイティングなストーリー。

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著者プロフィール

1986年千葉県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程退学。2015年に『ユートロニカのこちら側』で 第3回ハヤカワSFコンテストの大賞を受賞しデビュー。『ゲームの王国』で第38回日本SF大賞と第31回山本周五郎賞を受賞。他の著書に『嘘と正典』がある。

「2021年 『Voyage 想像見聞録』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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