嘘と正典

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 232
レビュー : 27
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152098863

感想・レビュー・書評

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  • 時間を操る「魔術師」。サラブレッドに夢を預ける「ひとすじの光」。独裁者の罪の代償の「時の扉」。父から息子に渡る音楽の「ムジカ・ムンダーナ」。流行を捨てオリジナリティを追求する「最後の不良」。共産主義の始まりと消滅への道の「嘘と正典」。SFが主だけど、雰囲気がそれぞれ違う短編ばかり。でも全てに共通して「時間」や「歴史」をキーワードとしていて、それぞれの話に色んな切り口でそれを料理し、供するユニークな短編集。

  • 200110*読了
    直木賞予想企画、5作中の4作目。今回の候補作のうち、唯一の短編集。
    なんとも不思議なお話が多く、独特の世界観だなと思いました。今まで読んできた3作とは、そしてきっと残り1冊とも違う異質を放った作品たち。これもまた文学。小川さんはSF小説の作家さんなんですね。

    魔術師
    手品師の父が行った驚くべきマジック。そして、姉も…。
    ひとすじの光
    父が残した書きかけの文章。競馬のサラブレッドの血系と、自分の関係とは?
    時の扉
    ある国の王と、過去を抹消する時の扉。語り手との関係とは…?
    ムジカ・ムンダーナ
    父の遺した音楽と、音楽が貨幣の代わりの役割を持つ島について。
    最後の不良
    流行がなくなってしまった未来と、それに抗おうとする男性。
    嘘と正典
    第二次世界大戦時、ロシアでのCIAの活動と、スパイをするロシア人。そして時空を超え、過去によびかけることの出来る装置。さぁ、歴史は変わるのか!?

    ネタバレしたくないので多くは書けませんが、それぞれ発想がおもしろく、どんどん読み進めることができました。
    どれも過去との繋がりが関係していますね。
    わたしはムジカ・ムンダーナが好きです。

  • SF、特に時空に絡めた話は私にはあまり馴染みのないジャンルのため難しかったです。話の組み立てを綿密に練って書かれているんだろう、すごい、と感嘆。6作とも題材も内容も面白かったものの、自分の頭が悪いせいで話を理解するのに精一杯で楽しみ切れなかったので私にとっては星3でした。この中では『嘘と正典』と『ひとすじの光』が好きです。

  • タイムトラベルを題材にした作品を中心に編まれた短編集。表題作「嘘と正典」は、もう少し読みたい感じのする中編。合理性を何よりも重んじるソ連の科学者が印象的。「時の扉」はおとぎ話と見せかけて……数奇な運命に彩られた、ロマンのある復讐劇。

  • 6編が収録された短編集。4編がSFマガジンに掲載されたものだが、あまりSFという感じはしない。20代半ばまで同誌を購読していたぼくにとっては隔世の感がある。書き下ろしの表題作は約100ページと他の作品の倍近い長さがあり、本書の中では一番SFらしい作品だった。どれも面白かったが、表題作と、音楽がテーマの「ムジカ・ムンダーナ」が特によかった。

  • 嘘と正典
    著作者:小川哲
    早川書房
    デビューは2017年に発表した第2長篇「ゲームの王国」が吉川英治新人最終候補となりその後日本SF大賞と山本周五郎賞を受賞する。
    タイムライン
    https://booklog.jp/item/1/4152098864

  • 短編集6編
    SFやミステリータッチの作品.最後まで謎が残るような余韻の残るラスト.そしてどの作品も歴史の流れ時間の持つ意味のようなものに関わっている.表題作はもちろん良かったがサラブレッドの血の歴史を扱った「ひとすじの光」が好きだ.

  • 現在、未来、過去を横断的に扱った「時間」をテーマにした短編が揃った作品集である。

    エンゲルスを消滅させる!といったうたい文句で知ったので、壮大なパラドックス物かと思って手に取ったのでそこはちょっと違っていた。

    どれも、標準以上にまとまった作品ではあるのだが、『ゲームの王国』の大作感や、『ユートロニカのこちら側』の見事な未来世界設定を読んできていると、ちょっと物足りなく感じた。

  • SFマガジン掲載作は、これSFじゃないじゃん、と、SFか否かが価値判断の基準だったガキのころなら放り投げてたかもしれない代物ばかり。(特に競馬の話が)
    まぁ、山尾悠子がJAにラインナップされていたのを思えば、ハヤカワ的にはさほど問題ではないのかもしれないけど。
    書き下ろしの表題作は、技量は判るんだけど、60年代ならともかく今これなの、と思ってしまう。

  • 「魔術師」★★★★
    「ひとすじの光」★★★
    「時の扉」★★★★
    「ムジカ・ムンダーナ」★★★
    「最後の不良」★★★
    「嘘と正典」★★★

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