いつもひとりだった、京都での日々

  • 早川書房 (2019年11月6日発売)
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本 ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784152098917

作品紹介・あらすじ

映画を学びにひとり京都大学にやってきた私がであったのは、どこか不気味な大家さん、まっ暗な部屋のクールな雨女、さびれた祇園のカラオケ店の、ちょっと変わった常連客。それぞれに孤独を抱えて生きる京の人々との出会いを、注目の女性監督が綴るエッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルと装画に気になって、手に取りました。
    翻訳のエッセイは初めて読みました。

    タイトルには「いつもひとりだった」と書かれているけれど、著者はたくさんの人たちと出会う。人情もあるし、奇人変人もいるけれど、愛くるしい人々とのたくさんの出会い。
    ただ、出会いがある分、別れも…中には永遠の別れもあり悲しくなる。
    また、ディープな京都の姿もたくさんみせてくれる。悲しいこと寂しいこともあったと思うけど、充実した日々だったことが伝わってきた。

    『夜のカフェで、ひとり』『美香さんの人生の目標』が好きかな。

  • 留学生が観た京都はどんなふうに映ってみえるのか、京都は一見さんお断りや天皇がおられた都なので他者を受け入れるのか疑問だった。
    関西でもやはり大阪と違い気難しいが著者の親友や出会い、そして惹きつける何かをもっているのか円満な人間関係、友人に恵まれている。そしてなにより否定的な言葉がないし、振り回されているんでは??と思う事も好奇心で一緒に楽しんでいるし、気づいたのが深く関わっていない、無関心に近い、そんな人間関係だから近づいても離れても乱されることない客観的に見れる文章なのかな??
    苦労話がないのであえて書いてないのか、本当にないのか、沈む事なく読み進めていけた。

  • この人の目を通して読む京都は好きだな

    昔通ってた今はもう無い「efish」が登場してて懐かしくて少し悲しくなった
    銭湯のお話で温かくなった
    素敵な人との出会いを読めてよかった

  • どの話も少し寂しいけど、じんわり暖かい気持ちになるお話だった。京都に行きたくなる。

  • 面白くなかった~(シンプルに)。
    著者が留学していた日々の話を書いている……のだけど、どういう経緯で、いつからいつまで、どういう過ごし方で…という最低限のプロフィールやバックグラウンドの、きちんとした説明がまったくなく、それゆえに考え方の思想や理解が難しい。では雰囲気を楽しもうとしても単純に文才がないというか描写が下手だから(翻訳の精度なのかは不明)この表現が素敵~!ともならないし。
    プライベートの日記をランダムに抜き出したみたい。不特定多数の人間に伝わるように書いているとは思えなくて、趣味で刷ってみましたという自費出版感がとてもある。いやいまどき素人のブログでももっと丁寧に書いてあるぞ…。
    あとタイトルにもある「京都での日々」とあるところから期待される地域性はほぼ無いのでそこを売り文句にするのはむしろ失敗だと思う。地名や、景色綺麗~などは出てくるけど文章が上手くないので…(二度目)。

  • 2021.11.23
    面白かったら京都に異動になった同期にあげようと思って買った本、とてもとてもとても好きで自分にも買った

    私たちはいつだって孤独だしひとりだけど、それは変わらないけど、
    でも行った先々でいろんな人とものと出会って触れて吸収してきちんと自分を構成する一部になってるはずだから、だからちゃんと生きていけるなと思いました

  • 『幸福路上』の監督の京都留学時代のエッセイ。この映画が好きで、監督のことも知りたいと手にとった。
    題名から想像して、京都での辛く寂しい留学体験期だったらどうしようとドキドキしながら読み進めたが、想像と正反対。個性的で魅力的な人々との出会いや日常の出来事がキラキラしていた。
    大家の土屋さん、シャンテの松本さん、シャンテの常連のおじいさん、台湾で新しい生活をはじめた金子さん、郁美さん、チア、美香、鹿王子、寺内君、ユリさん、みんな素敵。

    さすが映画監督の観察力構成力だなぁと思った。自然な訳にも感激した。光吉さくらさんの他の訳書も読んでみたい。

  • 「いつもひとりだった」という題名に惹かれて読んだけれど思っていたのとは少し違った。
    でも、ユニークな人々がたくさんでてきて、切ないけど心温まるエピソードばかりで面白かった。主人公が可愛らしくて癒された〜。
    彼女が監督する映画も観てみようと思う。

  • 台湾からきた留学生の京都での日々。下宿のちょっと不思議な大家さん、まっくらな部屋に住むクールな雨女、清水のお告げにすがる後輩の留学生、舞妓さんを追いかけるお寺の跡継ぎ…など。それぞれに寂しさを抱えてでも魅力的な人びとと過ごすひと時はその時だけのもの。終始漂う寂しさは別れの予感がいつもそこにあってそれでもみんな必死で生きているからかもしれない。

  •  著者のソン・シンインは台湾の映画監督で、2018年に発表した長編アニメーション映画「幸福路のチー On Happiness Road」は世界の名だたる映画賞を受賞しています。本書は著者が京都に留学していた日々を綴ったエッセイです。祇園祭や吉田寮、古い喫茶店など、いかにも京都といった風景が数々登場します。そんな古都、京都で著者は多くの人と出会い、それぞれの人生の悲しみや喜び、孤独や情熱を知ります。“いつもひとりだった“著者は京都の街をどんな思いで見ていたのでしょうか。本書は様々な人々の人生の物語でもあり、そのすべてを包み込む「京都」という街の物
    語なのかもしれません。

    京都外国語大学付属図書館所蔵情報
    資料ID:639204 請求記号:778.2224||So

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