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本 ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784152099655
作品紹介・あらすじ
ギレアデ共和国の侍女オブフレッドは、司令官の子を産むための存在だ。監視の目に怯える彼女だが、ある日、交流が禁じられている司令官の部屋に招かれる。ノーベル文学賞受賞が期待される作家による名作を、気鋭のイラストレーターがグラフィック・ノベル化。
感想・レビュー・書評
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予備知識全く無く、図書館で目について借りた。正直よく分からなかった。
監視社会を描いているのであろうか。
恐ろしい事だけは伝わってきた。
政策、宗教、戦争etc…社会情勢次第で同じようなことになるのでは?予期せぬ良からぬことが起こりうるような危うさを抱いた。
本書はグラフィックノベル。
女性の役割によってドレスが赤、青、緑と振り分けられる。侍女は赤いドレス。
とにかく色が、赤、赤、赤!皮肉にも色鮮やか。
作者曰く、赤は「血の色であり、咲き誇る花の色」なんだと……。
あまり好きではない絵であった。
(内容)
舞台は21世紀初頭のアメリカ。
クーデターにより政権を奪取した独裁国家ギレアデ共和国。
女性たちは仕事や財産を奪われる。
そして子供を産むための道具「侍女」として、子供のいない権力者のもとにあてがわれる。 -
小説は読まねばならないリストに入っているが、気分が落ち込むこと必須なので、ぐずぐず読まないでいる。
グラフィックノベル版なら、何日もその気分を引きずらなくてもいいと思い読んでみた。
あらすじは、あちこちで見聞きしているので、その通りの展開。絵がなかなかこの小説にマッチしていて、おどろおどろしくもあり、スタイリッシュでもあり、不穏である。
消滅する市町村が発表されたが、これらの市町村の首長たちは、躍起になって若い女性の囲い込みに奔走しそう。
アトウッドが描いた世界は、ほんの数ミリしか今の世界とは違わない。すっと、いつのまにかこの小説の世界になってそう。
そうそう、この小説の世界でもいつのまにか権利を取り上げられていたんだった。
「権利の上に安住するものはいつのまにか喪失感している。そうならないためには不断の努力が必要。」
最近よく丸山眞男が言ったことを思い出す。
そういう時代にとうとうなってしまったのかも。 -
グラフィック・ノベルというものを初めて読んだ。
最初、書評を読んだ時「ネット小説にありそうな内容だな」と思ったけど、もっと重くて深い。
原作は1985年発表。今の社会に通じるし、自分もまだここから抜け出せていない気がする。 -
一応、アメリカでクーデタが興って、アレした果てに出来たフィクションなのだが、小道具他がその辺にあるものであるためか、「著者の半生」見せられてる感じ。
変な説得力がある。「然るべき物」しか言へないとか、子作り女性担当の人は「銃までは持たせられない」とか、どっかのカルト教団を取材して書いた感じ。
「政府」の備品でうさみみがあった。うさみみ。 -
-----限界はあったけれど、
それでもわたしの体はしなやかで貴重で
信頼できるわたし自身のものだった----
過去の話のようでもあり
未来の話のようでもあり
現在進行形の話でもあるような気がする -
値段が高いので、図書館に予約。
1年以上待機してようやく読めました。
良かったです。
個人的には、小説を読んでからこちらを読むのをおすすめします。やはり、話としての力強さは、小説の方があるように感じるので。
そうは言いつつ、ビジュアルから受けるインパクトは大きい。さらさらと理解できる。
一歩間違えば、こういう社会になってしまう。
そこからまた抜け出すには、たくさんの犠牲が伴う…
運良く抜け出せれば、ですが。
ドラマとは別物です。
ジョセフ・ファインズではない。
司令官の妻も、えっ…と思いましたが、こちらの方が原作どおりかと納得。まあ、そうだよね。
あらためて原作を読むか…
でも、必ず暗い気もちになると思うので、迷います。
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ビジュアル絵物語でかなり本文が省略されて本編よりラクに読める。
女にしか書けない残酷さ、の原作。
「産む器官だけが大事」「男のほうが強いから偉い」「文字など覚えないほうが良い、料理家事でいい」「暇があれば手芸でもしとけ」「化粧もいらない」「男を敬い男に尽くせ」「(生殖を許されない)下男は男ではない」そのような〈男感覚〉の圧迫を感じながら女は生きているのだろうか/日本人観光客のケバさが見事、「あなたは幸福ですか」幸福を求めて不幸になるのはあまりによくある/秘密警察なくては強権支配は維持できない、コア支配者は禁欲を守っていない←言論統制社会では -
名作だということは知っていたが、なかなか手をつけられずにいたところにグラフィックノベル版が出たということで読んでみた。
現代でこそ新しく感じられる、感じられてしまう、衝撃に満ちた物語。
コロナが蔓延し、ウクライナとロシアは戦争状態、安倍元首相が銃撃に倒れ、テレビであからさまな情報規制がされる。正しい自由が得られる国なんて、もはやどこにもないのではないかと思えるような2022年の世界で、この作品が持つ意味が重要なものになってきていると思う。
『侍女の物語』という、けして派手ではないタイトルも、これが彼女の物語であるということ、この物語を誰かに託そうとした人間の生き様であることを表しているように思えて、読後に大きな納得感があった。
内容と絵もとても合っていて、映画を観ているような感覚だった。 -
肉体の自由、自由、自由…。自由、とは、何によって保証されるものなのだろう?三体の休憩に読んだ。はからずも、赤。赤い暴力。原作も読みたい.
小説はもっと重そうですよね……。
最近暗い本が続いております。乙一さん、京極さんのせいで…明るさ...
小説はもっと重そうですよね……。
最近暗い本が続いております。乙一さん、京極さんのせいで…明るさを取り戻したいっ!笑
思わず歌いたくなる~♪
近日レビュー。
思わず歌いたくなる~♪
近日レビュー。