クララとお日さま

  • 早川書房
3.91
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本棚登録 : 6452
感想 : 585
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152100061

作品紹介・あらすじ

子供の愛玩用に開発された人工フレンドのクララ。好奇心旺盛で店のウィンドウから外の世界を観察するのが大好きだ。ある少女の家庭に買われていったクララは、やがて一家の大きな秘密を知ることに……愛とは、知性とは、家族とは? 根源的な問いに迫る感動作

感想・レビュー・書評

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  • 最初、高額な単行本だし図書館で借りようと思っていましたが、何度見ても表紙の絵があまりにも可愛らしく、ついつい買ってしまいました。

    表紙の絵は帯を外すと本当に可愛いお花畑に女の子が立っている絵で、カバーを外してもオレンジがかった暖かい黄色一色のとっても素敵な表紙です。
    こういうのジャケ買いというのでしょうか。

    カズオ・イシグロ、ノーベル賞受賞第一作ということですが、カズオ・イシグロは、結構積読本がたくさんあるんですが、読んだのはこれが初めてです。


    以下少しネタバレありますのでお気をつけください。


    物語は人工頭脳を搭載したAIのクララと、病弱な少女ジョジーの出会いから別れまで。
    語り手の「わたし」クララは人工親友(AF)で店で売られていますが、クララは最新型のB3型ではありませんがずば抜けた観察力と学習意欲を持っているすぐれたAFです。
    そしてクララはジョジーの母親がジョジーの余命を短いと思い込みジョジーと全く同じ思考回路を持つAIを作ろうとしているのを知ります。
    そして、そのAIの頭脳にクララ自身が選ばれているということも…。
    だけどクララはその選択は間違っていると判断し、ジョジーの健康を取り戻すためお日さまにお願いをし、必死の努力をやれるだけやります。
    クララに野心は全くなく、ジョジーの幸せだけを考えているのです。
    人間の心の方が深淵が深く、AIのクララの方が素直で気持ちがよいとは何という皮肉な話であろうかと思いました。
    そしてAIは必要がなくなると廃棄されてしまいます。
    それでも恨み事ひとついわないAI、クララは一体何の象徴として作者は描いたのだろうかと考えさせられました。

    • まことさん
      猫丸さん。
      表紙にひかれて買ってしまいました。
      映画もあるなんて知らなかったです。
      カズオイシグロは、積ん読本がたくさんあるので、そのうち、...
      猫丸さん。
      表紙にひかれて買ってしまいました。
      映画もあるなんて知らなかったです。
      カズオイシグロは、積ん読本がたくさんあるので、そのうち、読もうと思います。
      カレルチャペック、読了したので、この次にレビューできたらと、思っています。
      政治の部分は私にはちょっと難しかったけど、読書のところとか、大変面白く読みました。
      ありがとうございました!
      2021/04/02
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      まことさん
      「クララ」の映画は、制作が決まっただけかな?
      まことさん
      「クララ」の映画は、制作が決まっただけかな?
      2021/04/03
    • まことさん
      猫丸さん。
      上映される頃には、安心して映画館に行ける世の中になっているといいですね。
      猫丸さん。
      上映される頃には、安心して映画館に行ける世の中になっているといいですね。
      2021/04/03
  • まず、多くの人が表紙の可愛らしい装丁に目を(心を)奪われるのではないかと思います。もう本当に私好みの絵で、こんなLINEスタンプがあったら絶対手に入れるのに!と思ってしまったほど 笑
    そしてページをめくって読み始めると、AFと呼ばれる人工頭脳を搭載した人工親友が売られているお店で、次々と売られていくAFを見ながら自分はいつ選ばれる日がやってくるのだろうか?と待ち侘びているクララの目線で物語が進んでいきます。
    このシーンがまた、子どもたちが小さかった頃に何度も読み聞かせをした絵本『くまのコールテンくん』を思い出させ、あったかい気持ちになり、その度に表紙を眺める‥‥の繰り返しになってしまいました。
    クララもコールテンくんのように、売れ残りの中から自分を見つけてくれる女の子に出会うのですが、そこからのストーリー展開は絵本のようにはいかなくなります。
    様々な人間の欲望が描かれています。
    AFが賢くなり過ぎて恐怖を感じている人間がいる、とも本編では書かれていますが、人間の方が恐ろしい存在なんだ、この複雑に歪んだ欲望をAFが真似るようになることは不可能なんだ、と思いました。
    それと同時に、AFには真似できない人間の中の『特別な何か』はある、「それはジョジーの中ではなく、ジョジーを愛する人々の中に」ある、という一文が深く心に残りました。
    絵本のようなあったかいラストではなかったけれど、これも人間が創り出したある意味での“おとぎ話“なのかもしれません。


  • 人は、何かのとき一瞬だけ見せる顔を持つ。
    人は、同時に複数の表情を持つ。
    人とはそういうものだと、人工知能のクララはひとつずつ認識していく。
    その度に、読み手は肯定されていく。

    物語終盤、クララは人だけでなくお日さまもそうなのだと知る。
    ガラスごとに映っているお日さまの顔が少しずつ違うこと、重ね合わせて見ると単一の顔でありながら輪郭や感情に多少の幅が生まれることに気づく。最初に「お日さまの顔」と思ったものは、いくつかの像が重なり合った統一像だった。クララはお日さまを見つづけ、ジョジーを思い、願った。

    廃品置き場にて、かつての店長さんとのかみ合わない会話の中で、クララは読者に教えてくれた。
    その人をその人たらしめるものは、その人の中ではなく、その人を愛する人々の中にある。その人々の心にあるその人への思いなのだと。

    クララは、ジョジーを愛する人々の中に自分を含めていなかった。しかし、クララがお日さまの多面性を発見し、ジョジーを思って願い、お日さまがジョジーに特別の栄養を送り、それからジョジーが子供から大人へと成長した道すじは、クララがジョジーを愛している証となる。
    クララは解体される前にそれに気づくだろうか。

    クララが教えてくれたことを、人を入れ替えて読んでみる。

    ーー私を私たらしめるものは、私の中ではなく、私を愛する人々の中にある。その人々の心にある私への思いなのだ。

    ーー君を君たらしめるものは、君の中ではなく、君を愛する人々の中にある。その人々の心にある君への思いなのだ。

    ーークララをクララたらしめるものは、クララの中ではなく、クララを愛する人々の中にある。その人々の心にあるクララへの思いなのだ。

    多面性が描かれる物語の中で、おそらく一度だけ、限定された感情が描かれる場面がある。
    「その笑いにはやさしさだけがありました」
    純粋な瞬間もときに訪れる。これもまた人なのだろう。

    最後に。
    ジョジーがお店のウィンドーのクララを見つけたときの、片仮名で訳された嘆声が大好きです。

  • 「わたしを離さないで」以来の著者の2冊目。

    A Fと呼ばれる子供の愛玩用として作られたロボットのクララの物語。病弱な少女に見初められ、共に暮らすことになったのだが。

    クララの一人称で話は進む。たんたんと未来の子供たちの様子が描かれる。

    読み落としたのかもですが、クララのサイズや容姿に関する記述がほとんどなかったのでイメージしづらかった。

    ラストはやるせない気持ちにさせられた。
    なんだか哀しいハッピーエンド。

    • 土瓶さん
      ごめん。おびのりさん。ボロクソ書いたわ(;^ω^)
      ごめん。おびのりさん。ボロクソ書いたわ(;^ω^)
      2023/07/05
    • 土瓶さん
      ん? おびのりさん。本棚にある?
      ん? おびのりさん。本棚にある?
      2023/07/05
    • おびのりさん
      今、ぼちぼち読んでる。
      今、ぼちぼち読んでる。
      2023/07/05
  • 完全にやられた。水彩画のような温かみのある表紙と、「境界を越えた心の交流」という帯のアオリ。そして「AIロボットと少女との友情を描く感動作」という紹介文。
    私はてっきり、不治の病にかかり人生に絶望していた少女を、同い年の機械の少女が献身的に支えながら、ともに最期の時を迎える、といったようなお話かと想像していた。「人間とアンドロイドの友情」という、SF作品における鉄板テーマが描かれるかと思っていたのだ。

    ただ読んでみると、児童向け絵本のような外見からは想像できないぐらい、悲しくて不気味な結末である。感動の意味が「ハッピーエンド」や「死別」ではなく「無常観」から来るものだとは思いもよらず、読んでいて完全に打ちのめされてしまった。

    思えば、随所に伏線は散りばめられていた。
    クララが店頭から外を見ながら、AFを連れて歩く人が少ないのに気づいたこと。登場人物たちが一様にAFに対して蔑む視線を送り、彼女らをモノ扱いしていること。こんなに広くAFが普及しているのに、連れ添っているのは子どもだけであり、大人たちは一体も従えていないこと。

    しかしこうした違和感は、筆者の筆さばきによって見事に隠されていた。
    空と緑が眼に浮かぶほどの巧みな風景描写、光陰表現の色鮮やかさ、ジョジーに仕えるクララの献身さ、そして幼馴染の少年少女が描く純愛の物語。遺伝子操作による「向上措置」と格差社会といった、不気味なテーマが随所に散りばめられてはあるものの、全体を通しては明るいお日さまのような雰囲気だったことは疑いようもない。

    だからこそ、結末で一気に叩き落される。
    ジョジーの命を救い、「真の友人」と形容してもおかしくないほど親交を深めたクララが、生活環境が変わった(ジョジーが大学生になった)というだけで、廃棄処分にされる。ごみ処理場の中でかつての「店長」と会ったクララは、なおもお日さまのような明るく健気な様子を崩さない。

    「人間×アンドロイド」作品の多くは、アンドロイドの持つ感情や、アンドロイドに対する人権をテーマにしたものが多い。「人間そっくりなのに人間ではない」という矛盾を主人公たちが乗り越え、2人(1人と1体)の間に種を越えた友情を宿す。2人の信頼関係が厚ければ厚いほど、両者の立場から生まれる葛藤が大きくなり、物語も激しく展開していく。

    しかし、この世界は違う。「AFは人間ではない」という考えが、自明の理として世界に渦巻いている。そこに友情があろうともなかろうとも、彼らの価値観はドライなまま変わることはない。
    AFはあくまで友達を作るための「補助器具」にすぎないのだ。彼女たちに人権はなく、環境が代われば捨てられる運命であり、人間はそれを悪だとは考えていない。

    この小説はそんな「不気味さ」をずっと抱えている。綺麗な風景の中に、そこはかとない物悲しさを纏った世界観は、「千と千尋の神隠し」を思い出してしまった。もちろん、いい意味で。

  • シビアな一冊。

    人工知能搭載ロボット クララと病弱な少女ジョジーの出会いの物語は可愛らしい装丁タイトルとはうらはら、シビアでせつない。

    随所に微妙な格差、優劣を盛り込み、人間が放つ言葉が心にズキッと刺さってくる。
    対してその心ない言葉に対するクララの姿が今度はギュッと心をせつなく掴んできた。

    ただジョジーのために一途な想いでお日さまのチカラを借りようとする姿は誰よりも人間らしさと無垢な心を感じた。
    その時点でクララ自身がジョジーのお日さまになっていたんだと思う。
    だから永遠。
    そう思うとせつなさの心もちょっと救われる。

  • カズオ・イシグロのノーベル賞受賞後の作品。
    鋭さを秘めた、切ないSFです。

    AIを搭載した人工フレンド(AF)が子供の親友として与えられる時代。
    子供よりも少し小さいロボットが、街で売られているのだ。

    AFのクララは最新型ではなく、店のやや奥に並べられていました。
    誰かが選んでくれるかどうか、今日も心待ちにしながら。
    「観察力があり学習能力が高い、すぐれたAF」と店長は説明します。
    ある日、店に来た女の子ジョジーと心通うものを感じ、また来てくれて購入されて嬉しいクララ。
    ところが、ジョジーは病弱で長く生きられないかもしれない…
    その母親がAFを求めたのには、秘かな目的が。

    クララには系統だった知識が与えられているわけではないので、お日さまに力があると感じ、ジョジーのためにけなげな努力を重ねます。
    ちょっとズレているけれど、それだけに必死さが愛おしく、切ない。
    詳しくは語られないが、「向上措置」というものがあったり、実はかなり厳しい階級社会らしい?

    ジョジーの病は癒えても、成長したらAFはもう卒業。
    ジョジーが大学へ行った後は、クララはあっさり廃棄処分となります。
    といっても、潰されてゴミの山に、というわけではないのですが。
    人里離れた土地に放置されても、恨むでもなく、寂しがるでもなく、すっかり壊れてしまうのでもなく。
    ただ幸福を感じているクララ。

    この清らかで温かい心。
    胸が痛くなります。
    この心境になれたら、人間も幸せでしょう。

  • AFと呼ばれる人工親友の話。
    物語の中でAFに関する説明や、向上処置という能力の向上処置?に関する説明は出てこないため、読みながらなんとなくそういうことなのかな、という感じで読み進めていった。
    クララはAFだが他の者達よりも学習能力に優れており、よく周囲を観察し常に最適と思われる行動をとる。ジェジー家の一員となり一緒に暮らし始めた後も、多くのことを学んで成長し、気を遣ったり空気を読んだりできる健気なAFである。
    クララの成長や、常にジェジーのことを考えて献身的に行動する姿に愛着を持つことができ、最終的に任務を終えて廃材置き場に行ってしまったと気づいたときはとても寂しかった。
    二人で仲良く外のお日様を眺める姿や、お互いに大切にしあう日常の関係からは、お互いに対する温かい愛情を感じることができた。

  • ずっと読みたいと思っていたカズオイシグロさんの作品。
    特に本作が良いとの噂を聞いて購入、読了。

    いやぁぁぁぁー、本作面白いですねーーー( ̄∇ ̄)

    何というか物語がそれはもう重厚で…
    「コレが本物の小説だ」って突き付けられたようか感じがしました(笑)

    この小説の素晴らしいところは、AIロボットというファンタジー色の強い題材を扱いながらも、そこに現実世界でも存在するような暗い部分の要素(格差社会とか)を違和感無く落とし込めているところかと。
    そこが効いているので、一面的で陳腐な物語ではなく、奥行きを感じる深い内容に仕上がっているのかなと。

    だからこそ、読みながら抱く感情は今までには無い新鮮な感覚です。
    「めっちゃファンタジィィィィィーーー(´∀`)」っていう圧倒的な世界観に魅了されながらも、一方で普段あまり考えないような深い内容について考えさせられたり…とにかく感情の浮き沈みがエグいですね(笑)
    ここらへんが、作者の筆力なのかなぁと。

    本作最大の魅力は「クララというどこまでも圧倒的に純粋で愛らしいキャラクター」だと思います。
    ジョジーの幸せを最優先に考えるクララの優しさ、可愛さに包まれながら、どっぷりと深い幸福感を感じながらページを捲る…
    とても幸せな時間だったなぁと。

    『人の情報を模して真似ることはできるけれど、そちらでは無く周りが抱く特別な感情こそに「その人らしさがある」』というのが、『特別な人というのは存在するのか?』に対するカズオイシグロさんなりの答えなのかなぁと。
    なんか分かったような分からないような…(笑)
    ここらへんは、もう少し自分でも考えてみようかなと思ったりしました。

    色々と書きましたが…
    とにかく総じて「とっても素敵な大人ファンタジー」でした( ̄∇ ̄)
    こんな気持ちにさせてくれる本があるので、やっぱり小説は辞められませんね。

    <印象に残った言葉>
    ・問題はジョジーの人が変わることなんだ(P120、リック)

    ・利口な子には形がないように見えたって、形はある。ただ隠しているだけ。ふん、誰が見せてやるもんか(P181)

    ・クララ、新しいジョジーには君に訓練してもらいたいんじゃないんだ。君に、ジョジーになってもらいたい。君が見た二階のジョジーは空っぽだ。その日が来たらー来ないことを願うが、もし来たらー君が、これまでに学んだすべてをもって、あのジョジーの中に入ってほしい(P298、カパルディ)

    ・君は人の心というものがあると思うか。もちろん、単なる心臓のことじゃないぞ。詩的な意味での「人の心」だ、そんなものがあると思うか。人間一人一人を特別な個人にしている何かがあると思うか。(P311、ポール)

    ・カパルディさんは、継続できないような特別なものはジョジーの中にはないと考えていました。探しに探したが、そういうものは見つからなかったーそう母親に言いました。でも、カパルディさんは探す場所を間違ったのだと思います。特別な何かはあります。ただ、それはジョジーの中ではなく、ジョジーを愛する人々の中にありました。(P431、クララ)

    <内容(「Amazon」より)>
    ノーベル文学賞受賞第一作。カズオ・イシグロ最新作、2021年3月2日(火)世界同時発売! AIロボットと少女との友情を描く感動作。

  • 本当にクララのような、人と心を通わせられる優しい人工知能が、近い未来に実現されうるのだろうか。
    そうなったとすれば、どんな世界になるのだろうと、思いをめぐらせた。

    人工知能に「心」を宿らせることができるのだろうか。
    人工知能は本当の「家族」になれるのだろうか。

    観察能力の高いクララは、感情を持っているように思える。
    うれしさや戸惑いが描かれる。失望や祈りまで。

    中盤で明かされるクララの本当の「役割」は、人間にとっても、戸惑うものだ。
    いや、人工知能だからこそできる役割なのだろうか?
    クララは本当に賢く、「自分は『家族』にはなれない」とまで自分で結論づけていた。

    クララは純粋で献身的だ。ジョジーや家族にとって最良な方向に進めるように太陽を信仰し、人間に尽くす。誰よりも「人間臭い」クララ。
    それに比べると人間は、大人は、なんて愚かなことを考える生き物なんだろう。

    クララの熱心な太陽信仰は、のちにある奇跡を招く。
    ラストは切ない…けれど、きっとハッピーエンドなんだろう。
    人間にとってはもちろん、そして、きっとクララにとっても。

    心や家族、愛について考えさせられる作品だった。
    そして初めてのカズオイシグロ作品。
    訳が自然で読みやすかった。

    登場人物はそれぞれ秘密を明かさないような言動があって、謎があって、不明瞭でもやもやするところもあった。
    (後ろの「解説」を読んで多少解決した)

    私にはちょっと難しい内容だったけど、興味深いテーマで面白かった。

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著者プロフィール

カズオ・イシグロ
1954年11月8日、長崎県長崎市生まれ。5歳のときに父の仕事の関係で日本を離れて帰化、現在は日系イギリス人としてロンドンに住む(日本語は聴き取ることはある程度可能だが、ほとんど話すことができない)。
ケント大学卒業後、イースト・アングリア大学大学院創作学科に進学。批評家・作家のマルカム・ブラッドリの指導を受ける。
1982年のデビュー作『遠い山なみの光』で王立文学協会賞を、1986年『浮世の画家』でウィットブレッド賞、1989年『日の名残り』でブッカー賞を受賞し、これが代表作に挙げられる。映画化もされたもう一つの代表作、2005年『わたしを離さないで』は、Time誌において文学史上のオールタイムベスト100に選ばれ、日本では「キノベス!」1位を受賞。2015年発行の『忘れられた巨人』が最新作。
2017年、ノーベル文学賞を受賞。受賞理由は、「偉大な感情の力をもつ諸小説作において、世界と繋がっているわたしたちの感覚が幻想的なものでしかないという、その奥底を明らかにした」。

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