12歳のロボット ぼくとエマの希望の旅 (ハヤカワ・ジュニア・ブックス)
- 早川書房 (2021年5月18日発売)


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本 ・本 (344ページ) / ISBN・EAN: 9784152100252
作品紹介・あらすじ
ぼくの世界は完璧だ。豊かな自然を守って全ては計算通りに進むロボットだけの社会。でも、いるはずのない人間エマを見つけてしまった……。人間は予測不可能で矛盾だらけだけど、この子を助けよう。ロボットと少女が心通わせる感動の物語。小学3年生~
感想・レビュー・書評
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なるほど。
裾野を広げ、長じてSF読者を増やす試みだな( ̄▽ ̄)
人類最後になってしまった少女が
偶然出会ったロボットたちと旅をする。
対ロボット戦争から逃れて
地下で生き延びていたというのに
シェルターで疫病が蔓延して…という設定が
今の状況ではリアルで怖い。
最終戦争後のロボット社会の仕組みとか
ちょっと、んん?と思うところもあるけど
話は読みやすかったです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ぼくはXR935、同僚のシーロン902、SkD988と町のソーラーパネルを設置し、ぼくたちロボット社会の電気エネルギーが絶えないように仕事をしている。
家には家族ユニットの親1と親2がいる。
毎朝、プレジデントからぼくたちの前の支配者人間がどんなに愚かであるかを演説する。そう、ぼくたちロボットは人間は世界の脅威であり必要がないと判断、全て消去したんだ。
…ぼくが生まれる前の話だけど。
12歳のぼくたち同僚ロボット3人組は、世界のエラーに出会う。
絶滅したはずの人間の女の子、エマに。
〇きちんとしたSF でした。大人にもお勧め。主人公はロボット、人間はあくまで脇役。3人組ロボットの仲の良さったら。
〇嘘に、悲しくて腹が立ってどうしようもなくなったXR 935 の姿が愛おしい。
〇ロボット社会だけど、きっと現代社会の写し鏡だ。途中は無しで、その向こうの未来が私たちの未来と重なっていたらいいのに。 -
SF。子供向け。
早川書房の子供向けレーベル。
ロボット。冒険。
ロボットたちのキャラが良い。
イラスト可愛い。
普通に面白い。好き。 -
世界にとって害悪でしかない人間を消し、ロボットだけとなった世界。毎日決められたことを完璧に繰り返していた12歳のロボットXR935は、ある日いるはずのない人間に出会う。12歳の少女エマとの出会いがXR935を、そして世界をも変えていく。
ロボット視点で語られる物語。ロボットならでは思考や行動原理が、すんなりと受け入れられ、人間とは違う存在であることがわかりやすい。
ロボットと人間が違う存在だと認識させておき、物語が展開するにつれ、本当に違う存在なのかと思わせることにも、ロボット視点ならではの見せ方が活きています。
背景に深いロボットに関する情報がありながら、ロボットの一人称で語ることでごく自然に読者に伝えています。削ぎ落とす部分は徹底的に削ぎ落とし、行動だけで見せる。だからわかりやすい。
読者にとって未知のものであるロボットに語らせることにより、人間が未知のものとなる。見せ方の変換、価値観の入れ替え。これこそSFの魅力でしょう。
初めてのSFとしてこの作品に出会える子らがうらやましいです。児童書のSFを作るいう自負とと矜持が感じられます。
あなたにロボットの友達はいますか? ロボットは何を考えているのだろう。わからない相手と友達になれない? ならばこの本を読めば、ロボットのことがわかるかも。ロボットと友達になれるかわかるかも。 -
ロボットだけが存在する世界…
そこに生きる一人の人間…
やっぱり一種のディストピアの定番なんだな… -
人類がロボットに滅ぼされて30年後、太陽光発電設備すえつけ用に製造されたロボットXR935は、同僚のロボットたちと12年間、決められたルーティンで働いている。
ある日の作業中、居るはずのない人間の女の子が現われた。XR935は、コンピュータ頭脳で解析したが矛盾が生じたため、標準のプロトコルを中止した。
少女はエマといい、地下の世界で密かに暮らしていたが、病気が蔓延したために地上に出てきたと言った。そして両親から託された地図にある目的地まで行くのだと言う。
XR935と同僚のロボット2体は、エマを安全に目的地に向かわせるために手助けをすることにした。
大谷真弓の作品





