Arc アーク ベスト・オブ・ケン・リュウ

  • 早川書房
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本棚登録 : 204
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152100337

作品紹介・あらすじ

リーナは死体にポーズを取らせ、肉体に永続性を与える技能で才覚をあらわす。彼女のパートナーで経営者のジョンは、死を克服したいと考えており……。映画化原作の表題作、代表作「紙の動物園」「母の記憶に」など、名短篇9作を収録したベスト・オブ・ベスト

感想・レビュー・書評

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  • 映画『Arc アーク』オフィシャルサイト|2021.06.25 FRI
    https://wwws.warnerbros.co.jp/arc-movie/

    Arc アーク ベスト・オブ・ケン・リュウ | 種類,単行本 | ハヤカワ・オンライン
    https://www.hayakawa-online.co.jp/smartphone/detail.html?id=000000014837

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      映画公開に合わせて入門編って感じ
      『収録作品はこちら。
      「Arc アーク」(*「円弧」改題)
      「紙の動物園」
      「母の記憶に」
      「もののあはれ...
      映画公開に合わせて入門編って感じ
      『収録作品はこちら。
      「Arc アーク」(*「円弧」改題)
      「紙の動物園」
      「母の記憶に」
      「もののあはれ」
      「存在(プレゼンス)」
      「結縄」
      「ランニング・シューズ」
      「草を結びて環を銜えん」
      「良い狩りを」
      ケン・リュウを語るうえで欠かせない代表作ばかり!』

      6/25公開の映画とあわせてどうぞ! ケン・リュウの粋をあつめたベスト短篇集『Arc ベスト・オブ・ケン・リュウ』5/20刊行!|Hayakawa Books & Magazines(β)
      https://www.hayakawabooks.com/n/n128993563452
      2021/05/15
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      【中国映画コラム】ケン・リュウは「Arc アーク」をどう見たのか? 異色の経歴にあった“共通点”も告白 : 映画ニュース - 映画.com
      ...
      【中国映画コラム】ケン・リュウは「Arc アーク」をどう見たのか? 異色の経歴にあった“共通点”も告白 : 映画ニュース - 映画.com
      https://eiga.com/news/20210627/8/
      2021/06/28
  • 2021年5月早川書房刊。Arcアーク、紙の動物園、母の記憶に、もののあはれ、存在、結縄、ランニング・シューズ、草を結びて環を銜えん、良い狩りを、の9つの短編集。ベストな短編集だけあって3編は既読。リュウさんの情緒豊かな、紙の動物園、良い狩りを、母の記憶に、もののあはれ、の順で好きです。結縄のアイデアが、秀逸で楽しめました。さて、映画Arcの方も楽しみです。古沢嘉通さんのあとがきにテッド・チャン原作の映画メッセージに匹敵するという話が書かれていましたが、短編世界がどこまでの世界観で表現されるのか気になります。

  • この作家さんの作品を初読みです。
    あまり外国の作家さんの作品を読むことがないが面白かった!
    乙一ファミリー(?)のような世界観です。
    ただ、読みにくい話も多々あります。最後までノリきれなかった話も…

    Arkは映画化されてるようで…。見てみたい。

    アーク、もののあはれ、ランニングシューズがお気に入りです。

  • 静かに体の底のほうにぼんやりと明かりが灯るような短編たち。
    虐げられている主人公が多くて、描き方によっては陰惨で、読み進めるのも躊躇うようなお話になりそう。絶妙な距離感と淡々とした静かな語りがラストにじんわりと染み入ってくる。
    ファンタジーかと思っていたら、「人体の不思議展」のスライスされた標本にうっすらと産毛を見つけたときのように、急に目の前に現実を突きつけられるような、不思議な感覚の物語もあり。
    文化や時代が違っても、人は何かと戦い続けてる。

    老化と死を克服した「私」の物語「Arc」
    「死のない人生は変化のない人生というのは、真実じゃない
    恋に落ち、愛を失うこともある。すべての恋愛と結婚に、すべての友情ときまぐれな出会いに、円弧(アーク)があるの。はじまりと終わりが。寿命が。死が。もしあなたの求めているものが喪失なら、あなたがすればいいのは、待つだけ」
    中国の農村からアメリカへ嫁いできた母と2世の息子。「紙の動物園」
    数年置きに会いに来る、姿の変わらない母「母の記憶に」
    「鉄槌」が地球へ。僕は父を感じながら。「もののあはれ」
    介護の必要な母へ毎晩会いに行く「存在」
    山奥の文字の無い部族で綴られる縄の結び目「結縄」
    シューズ工場で搾取されるベトナムの女工「ランニング・シューズ」
    満州兵に蹂躙された街で生き残るために足掻く娼妓「草を結びて環を銜えん」
    妖怪退治師の前に現れた相手とは「良い狩りを」 

  • 映画の番宣企画で短編集を編むという「暴挙」にもかかわらず、静謐な中にたぎるような情念がこもる粒揃いの名編がそんな思惑を雲散霧消してしまう。

  • ケン・リュウのベスト短編集。収録作品はすべて読んだことがあるのですが、まだケン・リュウおよびSFに触れたことのない人に向けて貸し出せる一冊も欲しかったので購入。凄惨な歴史の中にも、もしくはテクノロジーが劇的に発達した世界でも、いつだって人間は人間であり自由な未来を持つことができるというメッセージを感じる。ランニング・シューズ→草を結びて環を銜えん→良い狩りを の順で〆るのが読者へ畳み掛けるかのようで非常に良かった。

  • しみじみ系だったか。

  • 『草を結びて環を銜えん』が一番好きだった。
    それから、『Arc アーク』と『良い狩りを』も良い。

    『Arc アーク』
    自分の人生について、人を愛するということについて、何かを学ぶには人生は短すぎる。それでも、短い人生の中で、したいことをするために、とりあえず結婚してみるし、とりあえず子供を産んでみる。でも、心が伴わないこともある。
    死からの解放は、生からの解放でもあると思う。いつ死ぬかを決められる自由。それは、いつ何をするかを決められる自由だ。どのような円弧を描くか、どうやって円弧を閉じるか。円弧が閉じられれば、そこにあるのは完全な死であり、完全な生である。

    『紙の動物園』
    誰もが、人間であるということ。思考する人間であるということ。人から蔑まれていようとも、何も言わなくても、考えて、感じている。しかし人間は、時にそんな単純なことを忘れてしまう。だから、想像力が必要なのだ。

    『母の記憶に』
    何が幸せなのか。それを決めるのは自分自身だ。そして、幸せと不幸せは、よく似ている。また、自分の幸せは他の誰かの不幸せということもある。それでも人は選ぶしかない。自分が幸せだと思えるような道を。

    『もののあはれ』
    自己犠牲と言うよりも、万物は流転するということなのかもしれない。誰かが死に、誰かが生きる。誰かが生きていれば、世界は在り続ける。

    『存在 プレゼンス』
    自己満足のために、機械はとても役に立つ。何もしていなくてもしているような気分になり、最小限の動作で最大限の効果をあげる。誰にとって? その答えは自分自身が一番よく知っている。

    『結縄』
    古代文字と医学の組み合わせ。そして、F1問題。気候変動。現代人は、搾取することに長けている。人間は賢くなったのか、愚かになったのか。

    『ランニング・シューズ』
    悲しい物語。でも、ヅアンが幸せになったのなら、良かった。いつか朽ちていっても、誰かにこき使われる人生よりも良い。

    『草を結びて環を銜えん』
    誰かのために、ではなく、自分のために。誰かを助けることも、身代わりになることも、すべては自分が望んだこと。見返りを求めるわけでもなく、ただ運命に逆らってみせる。緑鶸(みどりのまひわ)は強い。

    『良い狩りを』
    時代が移り変わり、移り変わることによって、元の自分を取り戻す。諦めなければ、いつかきっと取り戻せる。艶(ヤン)は「生き延びるために学ぶのよ」と言う。知識がなければ、チャンスもつかめない。だから、学ばねばならないのだ。

  • 「Arc」の映画化に合わせた、ケン・リュウのベスト短篇集。ベスト短篇集だけあって選定が良いし、1番好きな「良い狩りを」が最後に収録されていたのが何より嬉しかった。映画「Arc」公開記念としての石田慶監督とケン・リュウの対談、主演の芳根京子のメッセージは、映画を観た立場からすれば、もう一度映画を観たいと思わせる内容だった。

  • 短編集9編+対談
    Arcアークは先に映画を見たので、映画だけのシーンがかなりあるのに驚いたし、その書かれていないシーンを気に入ってたので、改めて脚本の力に気づかされました。最初のダンスシーン、寺島しのぶさんの糸を使ったポージングの迫力、映画って凄いです。もちろん原作あっての映画です。
    後は他で読んで気に入った作品ばかり集められているようで嬉しかったです。

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