まぜるな危険

著者 :
  • 早川書房
3.21
  • (2)
  • (8)
  • (14)
  • (2)
  • (2)
本棚登録 : 124
感想 : 19
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152100382

作品紹介・あらすじ

伊藤計劃+円城塔『屍者の帝国』の世界観にドストエフスキー『白痴』から「ブレードランナー」までを投入した「小ねずみと童貞と復活した女」、佐々木淳子の時間SFコミックとチェーホフとのリミックス「桜の園のリディヤ」など、ロシア文学+SFの全6篇。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • [伊藤計劃+円城塔『屍者の帝国』の世界観にドストエフスキー『白痴』から「ブレードランナー」までを投入した「小ねずみと童貞と復活した女」、佐々木淳子の時間SFコミックとチェーホフとのリミックス「桜の園のリディヤ」など、ロシア文学+SFの全6篇。]

    まぜるな危険 高野 史緒(著/文) - 早川書房 | 版元ドットコム
    https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784152100382

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      【今週はこれを読め! SF編】江戸川乱歩をドストエフスキーへ還流する、文学的メビウスの環 - 牧眞司|WEB本の雑誌
      https://www...
      【今週はこれを読め! SF編】江戸川乱歩をドストエフスキーへ還流する、文学的メビウスの環 - 牧眞司|WEB本の雑誌
      https://www.webdoku.jp/newshz/maki/2021/08/10/115013.html
      2021/08/11
  • 読書備忘録665号。
    ★★★☆。

    SFとロシア文学のリミックス短編集とのこと。すなわち超マニア向け短編集。笑
    言い方を変えると、作者が楽しくて自ら三題噺を起草して、仕上げて大喜びしているという図。これ、みなんさんも共感してもらえますよね!面白いでしょ!という思いがずんずん伝わってくる。

    前提条件として、非常に幅広いSF好きであること。そしてAnd条件として、ロシア文学をある程度知っていること。この条件に当てはまるのは、レッドデータブックに載るくらい希少な読書家の方々。笑
    私は当然当てはまらない・・・。

    そんな中でも、2作ほどはドツボにハマりました。なので間をとって★3.5。

    「アントンと清姫」歌舞伎のネタなどになる清姫伝説?なるものと、クレムリンにある鐘の皇帝なる世界一の割れ鐘のリミックス。よく分からん。笑

    「百万本の薔薇」自身のカラマーゾフの妹という作品と、ソ連のヒットソング百万本のバラのリミックス。カラマーゾフの兄弟からの妹からの・・・。ということでこれも面白さがわからん。笑

    「小ねずみと童貞と復活した女」早世の天才作家伊藤計劃の遺稿を円城塔さんが書き継いで完成させた「屍者の帝国」。そしてドストエフスキーの「白痴」と、古典SFの傑作「アルジャーノンに花束を」。さらに「ソラリス」と「ブレードランナー」がエッセンスとして加味された傑作。★5つです。笑

    「プシホロギーチェスキー・テスト」「罪と罰」と江戸川乱歩の「心理試験」。面白くないわけがない!★5つ。

    「桜の園のリディア」佐々木淳子さんのSFコミック「リディアの住む時に・・・」とチェーホフの「桜の園」。どちらも知らない作品ですが、作者が言うようにどちらの作品も知らなくても楽しめるように書いたと。時間SFの要素が大層面白かった。

    「ドグラートフ・マグラノフスキー」夢野久作さんの「ドグラ・マグラ」とドストエフスキーの「悪霊」だとか。ぐちゃぐちゃ感が半端なく楽しめた。

    ★2が2作、4が2作、5が2作。結果★3.5です。笑

  • SF。短編集。
    ロシア文学と日本文学とSFのミックス。
    今まで何度か挑戦していたが、苦手な印象が強かった作家さん。
    ストーリー的に面白いとは思わないけど、作風はかなり独特で興味深い。
    読んでいると癖になりそうな感じもする。
    なかなか評価が難しい作品。著者の作品をもう少し読んでみたいとは思った。

  • SFものは苦手だが、面白く読めた。混ぜる前の原作を知らなくても良いのだが、3作目は余りにたくさんの投入で難しかった。私的には「プシポロギーチェスキー・テスト」と「桜の園リディヤ」が最高だった。

  • やっぱり高野史緒さんは、歴史改変モノを書かせると上手いです

  • 作者の持ち味がギュッと詰まった全六篇。単純ながら結末にアッと驚いた「プシホロギーチェスキー・テスト」作中では一番正統派な「桜の園のリディヤ」の二編が特に好み。

  • ロシア人の名前は覚えられない。

  • 人間椅子を参考にしてしまった判事は一体どんな捜査をするつもりなのかwww
    各作品についている前書きも面白い。
    悪霊ちょっと読んでみたくなった。

  • ロシア文学に色々混ぜ物をした、パロディ?パスティーシュ?短編小説集。
    作者は「カラマーゾフの妹」の高野史緒だから、混ぜさせたらそりゃ上手いだろう(未読だが)、とはいえ、混ぜる元ネタをあまりに無知すぎて、本来の面白さを感じきれなかった。主観で星×3だが、失点は完全に読者側の不勉強が原因なので申し訳ない。

    長い、重い、固有名詞ツラい…で手を付けていないロシア文学。この本を読んで、元ネタも読んでみようかなぁ…と思わないところが、またなんとも情けない俺。ご時勢的にもロシア文化を知っておくってのはいい勉強だとは思うのだが…軟弱である。

  • タイトルに偽り無しでした。クセのある味でしたが、私には美味しかった。
    作品の前に作者高野さん自らの解説文があって、レシピを少し明かしてくれるのが楽しい。
    元の話を知っているのも知らないのもあったが、わかっていた方がより楽しめたとは思う。
    三作めの『小ねずみ~』はモチーフが多すぎて、全部はわからなかった。
    『アントンと清姫』もよかったけど『桜の園のリディヤ』がいちばん好きかな。

全19件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1966年茨城県生まれ。茨城大学卒業。
お茶の水女子大学人文科学研究科修士課程修了。
1995年、第6回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作『ムジカ・マキーナ』でデビュー。著書に『アイオーン』、『赤い星』など。編書に『時間はだれも待ってくれない 21世紀東欧SF・ファンタスチカ傑作集』(東京創元社)がある。2012年、『カラマーゾフの妹』で第58回江戸川乱歩賞を受賞。ほかの著書に『翼竜館の宝石商人』などがある。

「2022年 『大天使はミモザの香り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

高野史緒の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×