まぜるな危険

著者 :
  • 早川書房
3.21
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本棚登録 : 124
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152100382

感想・レビュー・書評

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  • 初めて読んだ作家さんだったが残念ながら合わないらしく、どの話の世界観にも空気を感じず物語に入ってゆけなかった。

  • SF者とも知らずの初読み。確かに混ざっているが。

  • 「アントンと清姫」★★
    「百万本の薔薇」★★★
    「小ねずみと童貞と復活した女」★★★
    「プシホロギーチェスキー・テスト」★★★
    「桜の園のリディヤ」★★★
    「ドグラートフ・マグラノフスキー」★★★

  • 混ぜまくり。
    「アントンと清姫」タイトル通り、そのまんま。
    「桜の園のリディヤ」佐々木淳子の「リディアの住む時に……」は読んでいないけれど、桜の園パロとしてだけでも十分に楽しめた。
    「小ねずみと童貞と復活した女」のハイパーミックスっぷりに大爆笑。混ぜすぎ(笑)
    「百万本の薔薇」のシンプルさがすてき。
    「プシホロギーチェスキー・テスト」ラスコリニコフが乱歩に影響されるという逆転がミソ。

  • 「ロシア文学+SFの超絶リミックス全6篇」とあるとおり、ロシア・ソ連ネタに絡めた6篇の短篇集である。ネタは必ずしも文学とは限らないが、翻訳的な乾いた文体で展開される話はどれも一読の価値はあると思う。中でも「子ねずみと童貞と復活した女」は古今東西の様々なネタがぶち込まれた闇鍋風で、とても楽しかった。ロシア文学には疎い(というかほとんど読んだことがない)ので、元ネタを知っていたらもっと楽しめたかもしれない。

  • 何気に混ぜたら意外に美味しかった、これ、まあ好みは分かれるけどねーといった感じか
    混ざらないもの同志を混ぜたのではないので毒性のものは感じられない
    出てくる面々もまさか自分がこういう局面を迎えるとは思わないだろう
    作者の解説により、元作品覚えてなくても大丈夫というか、解説の自由度が高くてよい

  •  ☆「アントンと清姫」
     ソヴィエトの科学者アントンに捨てられた清姫は蛇体とかして、モスクワに彼を追い、クレムリンの大鐘に隠れた彼を鐘ごと焼き殺す。この史実(?)を時間砲のよって変えようとする科学者の息子は……。
     クライマックスの祝祭感をなんとなくアニメっぽいな、と感じた。
     ☆「百万本の薔薇」
     深紅の薔薇の確保と、前任者の怪死の謎を解くべく、中央から薔薇を栽培している秘密都市へ送り込まれた、野心家の科学者。しかし。
     よくあるニューロティックなサスペンスかと思いきや、という一本。野心家で、如何にもヤな奴の主人公の、隠しきれない人の良さに味があっていい。
     ☆「小ねずみと童貞と復活した女」
     伊藤計劃氏の没後に書かれたトリビュート作らしい。まず「屍者の帝国」の設定に「白痴」を足す。で、ムイシュキン公爵って白痴から天才を経て白痴に戻る、これアルジャーノンじゃね? と言うんで更に「花束を」足す。事のついでに、「ドウエル教授の首」その他をプラスして産まれたスラプスティック・アクション・コメディ。ドウエル教授が生きてる首を通り越して、「生きている脳」になって、赤毛の青年と宇宙を駆ける夢を見る辺りで爆笑したが、著者の前書きによると、ネットでの評価の半分は酷評だったらしい。さすがに悪ふざけが過ぎると、伊藤計劃ファンの憤激でも誘ったかなあ。
     ☆「プシホロギーチェスキー・テスト」
     金貸し殺しを企むラスコーリニコフは市場で奇妙な冊子を手に入れる。それはずっと後の日本で書かれた小説「心理試験」だった……。
     〈心理試験〉の犯人がラスコーリニコフなのは読めば分かるレベルなので、却ってネタにはしにくいように思うのだが、そうくるかという。
     ☆「桜の園のリディヤ」
     気まぐれな旅の青年は、田舎駅で出会った少女に旧知のように扱われて困惑するのだが……。
     悲劇的な状況にある少女と、それに巻き込まれた青年のラブロマンスになりそうでならないところが、作者の持ち味かと。
     ☆「ドグラートフ・マグラノフスキー」
     〈ドグラ・マグラ〉が元ネタのニューロティック系サスペンス(?)に、こーゆー脱力系の……。久作の時代はともかく、今となっては陳腐極まりないアイデンティティ・クライシスの物語を、変に有り難がる風潮というのは小馬鹿にされてしかるべき、ってことだろうか。

  • さまざまなロシア文学作品とそれ以外の文学作品とを混ぜ合わせたSF短編集。タイトルは「まぜるな危険」だけれど。実際のところは極上のブレンドなのではないでしょうか。ちなみにロシアの文学作品はほぼ読んでいないので。そちらも読んでいたらより一層楽しめたのかなという気はしました。でもロシア文学ってなんかハードルが高い……。
    お気に入りは「プシホロギーチェスキー・テスト」。「罪と罰」に乱歩のあの作品をミックス。なるほど、状況的にはとても似ている部分があるのか、それならいったいどのような結末に、と思えば。ラストで「え、そっち!?」と。これにはやられた。

  • まぜても大丈夫な好例かな

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著者プロフィール

1966年茨城県生まれ。茨城大学卒業。
お茶の水女子大学人文科学研究科修士課程修了。
1995年、第6回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作『ムジカ・マキーナ』でデビュー。著書に『アイオーン』、『赤い星』など。編書に『時間はだれも待ってくれない 21世紀東欧SF・ファンタスチカ傑作集』(東京創元社)がある。2012年、『カラマーゾフの妹』で第58回江戸川乱歩賞を受賞。ほかの著書に『翼竜館の宝石商人』などがある。

「2022年 『大天使はミモザの香り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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