ネイビーシールズ 特殊作戦に捧げた人生

  • 早川書房 (2021年10月19日発売)
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本棚登録 : 108
感想 : 10
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  • 本 ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152100573

作品紹介・あらすじ

特殊部隊を皮切りに、軍最上層部にまで上りつめた元海軍大将の回顧録。日本でも大きく報じられた特殊作戦である、サダム・フセイン捕縛やビン・ラディン殺害などの舞台裏を詳細に語り、米軍と政権中枢でどのように意思決定がなされたかをスリリングに明かす。

感想・レビュー・書評

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  • ウィリアム・マグレイヴンの卒業スピーチの動画に影響を受けて、手に取った一冊。ネイビーシールズでの過酷な訓練や任務の中での生きる強さを感じられた。

    個人的に刺さった一節。
    「もっとも強く、もっとも速く、もっとも頭がいいものが成功するとは限らない。弱気になり、失敗し、よろめいても、屈しないで、起き上がって進み続けるものが勝利をものにする。」

  • 書店で見つける。

    ネイビーシールズ出身、米軍特殊作戦群司令官として「キャプテン・フィリップス救出作戦」「ビンラディン殺害作戦」を指揮した人の回顧録。

    著者の子供時代のエピソードに始まり、SEALs訓練生、実際の作戦、前述の作戦時が生々しく語られている。

    著者によると政党の区別なく、ブッシュ大統領とオバマ大統領は尊敬に値し、偉大な人物だが、トランプ氏は違うらしい。

  • 2021京都外大図書館プロジェクト Library Explore Mission(L.E.M.)学生選書
    京都外大図書館所蔵情報
    資料ID:649333、請求記号:936||McR

  • 人は死ぬし大怪我はするし殺人はするし読むのがつらい部分もあるものの、米軍はそんなことをしてたのかとその能力に驚いた。

  • アメリカの元海軍大将の回顧録。出来事として、ソマリアの海賊やサダムフセインの捕獲、ビンラディンの暗殺などを当然知っているが、その背景や過程にどのような政治的な判断や作戦実行の難しさがあったのか、本書は教えてくれる。これまで知ることができなかったこうした側面をしっかりと描写されているところが、読み応えがあり、面白いと感じた。

    やはり、特にビンラディン暗殺のくだりは、読んでいてこちらにも緊張感が伝わってくる。あと、冒頭の高校時代のアメフトの監督が電話を掛けてくれたというエピソードも印象に残っている。何気ないエピソードだけれども、こうしたこと行動をとれる人間になりたいと思った。

  • 【Entertainment】 ネイビーシールズ/ ウィリアム・H・マウレイヴン / 202200423 /20/939/<428/166346>
    ◆きっかけ
    ・日経書評

    ◆感想
    ・フセイン捕獲、ビンラディン殺害、ソマリア海賊事件への対応等、あの国際的大事件に対して極秘作戦を責任者として関与していた人物。
    ・それらそれぞれがまるでハリウッド映画(実際上記3つ目は映画化されているが)を見ているようで、手に汗を握る、あっという間に読了。
    ・それにしても、入念な計画と準備、組織内での命令と実行、その中での助け合い、チームワーク、事後のレビュー、等々、カイシャとあまり変わらない気もする。その仕事の対象が、戦争であるということを除いて。

    ◆引用
    ・お母さん、いいかしら?ときいているひまはない。条件を最適化しておく必要がある。
    ・SEALたちを信頼するほかに私にできることはなかった。
    ・MOVIE、キャプテン・フィリップス
    ・特殊作戦部隊は、単純な計画と入念な隠蔽と頻繁な予行練習を組み合わせ、明確な目的をもって迅速に奇襲を行うことで、敵に対して相対的な優位を確立できる。
    ・緊急事態に予備計画を用意し、その予備計画にも予備を用意した。
    ・人生はいたって単純。できるだけ数多くの人に力を貸す。できるだけ多くの友人をこしらえる。精一杯働く、そしてなにがあろうと絶対にやめない。

    ===qte===
    ネイビーシールズ ウィリアム・H・マクレイヴン著
    米特殊作戦をトップが回顧
    2022/1/29 2:00日本経済新聞 電子版
    世界最強の米軍でも特殊作戦部隊は別格の存在である。隊員は知力、体力、精神力において厳しい選抜を経て選ばれ、常人には思いも及ばない過酷な任務に派遣される。それゆえ、特殊作戦部隊の華々しい活躍がニュースを飾り、その出身者が映画や小説の主人公として取り上げられることも少なくない。

    原題=SEA STORIES(伏見威蕃訳、早川書房・3410円)
    ▼著者は55年米テキサス州生まれ。特殊作戦コマンド司令官などを歴任。最終階級は海軍大将。
    ※書籍の価格は税込みで表記しています
    原題=SEA STORIES(伏見威蕃訳、早川書房・3410円)
    ▼著者は55年米テキサス州生まれ。特殊作戦コマンド司令官などを歴任。最終階級は海軍大将。
    ※書籍の価格は税込みで表記しています

    だが、その活動の多くは秘密のベールに包まれており、一部の部隊については存在すら政府が認めていない場合もある。だからこそ、その実態を知るには元隊員の手記や回顧録が手掛かりとなる。

    その中でも本書は、米軍の特殊作戦部隊のトップに上り詰めた軍人の半生記であり、類書とは一線を画している。著者は米海軍で急襲作戦や破壊工作などを行う「シールズ」の一員として長く活躍し、訓練で重傷を負いながらも軍務を全うした。

    本書で明らかになるのは、著者が世界各地で重要な任務に関わってきたことである。フィリピンではイスラム過激派からの人質奪還作戦を立案し、イラク戦争後に潜伏していたフセイン大統領の捕縛作戦にも深く関与している。

    さらには、ソマリアの海賊に捕らわれていたアメリカ人船長を海上で救出する作戦でも手腕を発揮した。いずれも、わずかなミスでも人質や隊員に危害が及ぶ紙一重の任務であった。

    その最たるものが、2001年の米同時多発テロ事件の首謀者である、ウサマ・ビンラディンに対する急襲作戦であろう。米国にとって彼の捕捉は最重要目標であったが、長らくその行方は知れなかった。ついにパキスタンにいることが判明すると、その拘束・殺害を目指してあらゆる事態を想定した綿密な計画が立てられた。

    だが、現実の作戦では特殊作戦部隊を運ぶヘリコプターが不時着するなど、予期せぬトラブルもあった。それでもビンラディンの殺害に成功すると、オバマ大統領はすぐさまテレビで全米にその成果を公表したのである。

    本書が赤裸々に描くのは、生死を分ける高度な判断が必要な任務は、特殊な訓練を受けた生身の人間にしか委ねられないという事実である。軍事分野におけるドローンや人工知能の重要性は高まるものの、その事実は当面の間変わらないであろうことを思い知らされる。

    《評》防衛研究所社会・経済研究室長 塚本 勝也

    ネイビーシールズ:特殊作戦に捧げた人生
    著者 : ウィリアム・H・マクレイヴン
    出版 : 早川書房
    価格 : 3,410円(税込み)
    この書籍を購入する(ヘルプ): Amazon 楽天ブックス
    ===unqte===

  • これまで読んできた回顧録物の中でも、最上の部類に属す。
    「果敢に冒険するのでなければ、人生など何の価値もありません」とはヘレン・ケラーの言葉だが、米司令官まで昇りつめた著者の40年にわたる半生は、まさに波瀾万丈の冒険の連続。

    まず、自虐的に「空挺カエルちゃん」と呼ぶパラシュート降下訓練の際の事故が凄まじい。
    文字通り股裂き状態になって、腹と足の筋肉が骨から引きはがされるという大ケガから生還して来るだけでも凄いのだが、その後も七つの海を航海し、世界中の戦地で迫撃砲やロケット弾で攻撃されるなど、死線をくぐり抜ける。

    各国の大統領や王女など要人とも出会い、人類の最悪な部分も最良な部分にも直面してきた経験から導き出される教訓は、実に単純明快。
    自分が手にした成功はすべからく他人の手助けによるもので、自分より優れた人間は周りにあふれている。
    だから自分は出会った人びとと友情を育み、できるだけ数多くの人に手を貸す必要がある。
    SEALの苛酷な特殊訓練に打ち勝てたのだから、どんな難関にもへこたれないはずだ。
    絶対に鐘は鳴らさない。
    最後まで何があろうとやり抜くのだ、と。

    平和な状態にゆっくりひたれる人間になれそうもない骨の髄からの戦士だし、「世界を正しい姿にするために暴力をふるう荒くれ男」とも自認するのだが、本書で自身が関わった輝かしい戦歴の記述は極めて抑制的。
    それより、特殊訓練中に失敗し恐怖にすくむ部下の様子や、負傷兵を見舞った時の病室の一場面の方がよっぽど心印象的。
    爆弾で両手・両脚を失い、首や顔も傷だらけで息を呑むほどの重傷なのに、「ほかの何人かよりはずっとましです、まだ人生がいっぱい残ってます。うまくやっていきますよ」と語るマロッコとの出会いが忘れられないと語る。

    「人生で幸運に恵まれれば、自分の世界がさかさまにひっくりかえっても他人を感化できるような人間に出逢い、忘れられない瞬間を味わうことがあるものだ。人生のどんな困難をも乗り越える方法があることを、彼らは教えてくれる。人間の体の形がどんなふうでも、人間として完全でいられる方法を、彼らは見つけ出す。膝を突いて若きブレンダン・マロッコと顔を突き合わせたとき、私はそういう瞬間を味わっていた」。

    「私は病院で見舞った数百人の男女のことを思い起こした。彼らはひとり残らず、私におなじ質問をした。いつ部隊に戻れますか? 仲間のところへいつ戻れますか? どれほど肉体が傷ついていても、自分の友人、同僚、同志がいまも危険な戦地にいることを、彼らは考えずにはいられない。一度たりとも、兵士が人生の運命のめぐりあわせに愚痴をいうのを聞いたことはない。脚を失った兵士、視力を失った兵士、体が不自由になった兵士、二度とふつうの暮らしを営めなくなった兵士でも、けっして自分を惨めだとは思わない」。

  • それぞれの重大な軍事作戦の裏側での意思決定の様が臨場感と共に窺えた。

  • 高評価だったからどんなもんだろう、と読んだのだけど、すごく引き込まれた。
    書き方も上手く、詳細で、リアルで。少し値段はするけど、買って、読んで良かったって思えた。
    全然本読まない自分だけど、今年のOne of the bestには間違いなくなる。

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