同志少女よ、敵を撃て

著者 :
  • 早川書房
4.26
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本棚登録 : 24609
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152100641

作品紹介・あらすじ

1942年、独ソ戦のさなか、モスクワ近郊の村に住む狩りの名手セラフィマの暮らしは、ドイツ軍の襲撃により突如奪われる。母を殺され、復讐を誓った彼女は、女性狙撃小隊の一員となりスターリングラードの前線へ──。第11回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 朝、普通に目覚め、食べるご飯があり学校に行く。
    当たり前のように1日を終え、
    当たり前のように朝を迎える。
    そんな暮らしが出来ている私は、とても恵まれているのだと知った。

    明日が来ないなんて考えた事なかった。
    来ないで欲しいと思えるくらい、
    平和な世界で暮らしている。


    これは、10代の少女の物語。
    私と同じ10代の少女の物語。

    銃を構え人を殺す。
    それが生きがい
    戦後はどうすれば良いのと
    少女は迷う。
    戦争が自分の生きる意味
    そのものだったからだ。


    「戦いたいか、死にたいか」
    この問いに私は答えれるだろうか。
    自分の大切な人を目の前で殺され
    故郷もぼろぼろにされた絶望の中で。

    私は故郷が嫌いだし
    多分戦う道を選ぶと思う。


    ー何のために戦うのかー

    少女はその問いに悩まされる。
    敵を殺すため…?
    いや、女性を守るためだ。

    守るために殺す
    自分の敵を殺す
    敵は誰?


    最後に題名の意味が分かる。

     同志少女よ、敵を撃て





    この本、やっと読み終わった…
    一体何ヶ月かかったのだろう。
    読書感想文のために読んだ本だ。

    戦争の事だから難しいんだろうなと思い、
    苦手なタイプの本だと決めつけていた。
    まぁ、苦手ではあった。
    でも読んで良かったと思う。

    戦争の本当の怖さを知れたし、
    自分の愚かさにも気づけた。


    戦争は終わったはずなのに
    ロシアとウクライナの戦争が今、
    起きている。

    平和な世の中なんて
    世界が滅びたとしても
    訪れないだろう。

    そう、思った。

    • みどりのハイソックスさん
      ありがとうございます。

      まだ、歴史とか世界のことを何も知らないし時代も時代なので難しく感じる物語でした。
      ですが、それでも伝わってくるメッ...
      ありがとうございます。

      まだ、歴史とか世界のことを何も知らないし時代も時代なので難しく感じる物語でした。
      ですが、それでも伝わってくるメッセージは深く、貴重で大切なものだったと思います。
      2022/10/31
    • 青格子さん
       もし、見つけたら、スタニスワフ・レムの独ソ戦の話も読んで見てください。もっと暗くて、息詰まる苦しさの中、生きることの大切さと難しさがわかる...
       もし、見つけたら、スタニスワフ・レムの独ソ戦の話も読んで見てください。もっと暗くて、息詰まる苦しさの中、生きることの大切さと難しさがわかると思います。
      2023/03/29
    • みどりのハイソックスさん
      はい、もっと本物の戦争を知るためにいつか読んでみようと思います。
      はい、もっと本物の戦争を知るためにいつか読んでみようと思います。
      2023/03/31
  • 2022年本屋大賞受賞、第11回アガサ・クリスティ賞作品。
    濃厚で重厚な物語で、不確実で不鮮明な人間の生と死そのものや、自らの意志と自らの意味を問いかけられている様な作品に感じた。

    第二次大戦中の独ソ戦争が舞台、物語と平行して今現在のロシア•ウクライナの状況を深く考えさせられる。当時何十万人もの人の死の上に、時を超えて更に死を重ねている様な気がしてならない。
    戦争が悪だとかそういう倫理観はともかく、ただ生と死の価値観は重く受け止めておきたい。

    この作品に名作感を感じるのは主軸にある人物達が女性で、彼女達の人間としての心模様が深く描かれている所だと感じた。女性兵士として人から見られる偏見や差別、劣等感や中傷を描ききっている。その中での同士少女達の強い絆、苦悩や未来に向けての夢や希望、同士としてそこにしかない濃密さ、自分もだが圧倒的に読者に支持される作品だと感じた。
    同士少女達の不透明な生の意味が答えを求めるように何が正解なのか手繰り寄せる様に描かれていく。その中で、もがきながら成長をとげていく。
    兵士として、女性として、一個人として、そして人間として。
    真の成長は一人間としての成長。
    とても深い作品。

    正直、読み進めにくい作品ではあったが読後は凄く余韻に浸っている。流石、本屋大賞作品。

  • 今年初の図書館本です。(冬は雪が多くて図書館に通えないので)
    今、世界で大変なことが起きているこのタイミングで順番が回ってきたのは、時代は違いますが色々なことが知れてよかったと思いました。
    一体、何が書かれているのかと夢中で読みました。


    この作品は1942年18歳のロシア人のセラフィマがドイツ軍に村と家族を奪われて復讐しようとする物語です。
    母を殺されて一人になったセラフィマは女性兵士イリーナが集める精鋭の狙撃兵の一人として中央女性狙撃兵訓練学校に入校します。
    ナチ・ドイツを打ち砕き復讐を遂げようと決意します。
    セラフィマの復讐は母を撃った狙撃兵と、村を家族の写真と母の遺体ごと焼いたイリーナに向けられていますが、セラフィマは、
    「君は何のために戦う」と問われ、
    「味方を守り、女性たちを守るためであります」と偽りを答えます。
    そして、セラフィマは第三九独立小隊として戦い、100人に及ぶ敵兵を撃ちます。
    仲間の何人かは敵兵に殺されます。
    そしてこの作品の最も訴えの強いのは、とにかく弱い女性の立場です。
    敵兵は、相手を撃ったあとに必ずといっていいほど女性たちを陵辱していきます。
    女を犯すことが同志的結束を強めるというおぞましい論理。
    そして、その論理は敵兵ばかりでなく、味方も同じことをやっているというのがセラフィマにとって一番のショックだったろうと思います。
    セラフィマはやがて自分の復讐心よりも、
    「自分は女性たちを守るためにここに来たのだ」
    ということを心の底から思うようになっていきます。


    戦争というのは人が人でなくなることだと思いました。
    今、世界で起きていることがどうかこの作品より酷いことが行われていないようにと祈り、早く終わるようにと願います。
    この戦いでは、戦うのを嫌がっているロシア兵もいるという報道を耳にしたことが救いです。
    戦争にはいいことなど、何ひとつないのですから。

  • 【読もうと思った理由】
    2022年本屋大賞受賞作であることに加え、今作がデビュー作ということで、ずっと注目し読もうと思っていた。これで過去発表されている本屋大賞受賞作(1位)は全て読了したことになり、次の2023年の本屋大賞発表日(4月12日)に、ギリギリ間に合った状態。本屋大賞が4月12日に発表されたら、その作品がまた注目され、図書館で予約待ちがすごいことになるんだろうなぁと。

    【筆者 逢坂冬馬氏とは?】
    1985年生まれ。明治学院大学国際学部国際学科卒。本書で第11回アガサ・クリスティー賞を受賞してデビュー。父は歴史学者の奈倉哲三氏であり、姉はロシア文学研究者の奈倉有里氏。

    【あらすじ】
    独ソ戦が激化する1942年、モスクワ近郊の農村に暮らす少女セラフィマの日常は、突如として奪われた。急襲したドイツ軍によって、母親のエカチェリーナほか村人たちが惨殺されたのだ。自らも射殺される寸前、セラフィマは赤軍の女性兵士イリーナに救われる。「戦いたいか、死にたいか」――そう問われた彼女は、イリーナが教官を務める訓練学校で一流の狙撃兵になることを決意する。母を撃ったドイツ人狙撃手と、母の遺体を焼き払ったイリーナに復讐するために……。同じ境遇で家族を喪い、戦うことを選んだ女性狙撃兵たちとともに訓練を重ねたセラフィマは、やがて独ソ戦の決定的な転換点となるスターリングラードの前線へと向かう。おびただしい死の果てに、彼女が目にした“真の敵"とは?

    【感想】
    アガサ・クリスティ賞始まって以来の、選考委員全員が満点を付けた受賞作なのも、読了して頷けた。正直ここまで完成された作品を、デビュー作で書き上げることが出来るのか?と、信じられないくらい作品としての完成度が高い。

    10代後半の普通の女性であった主人公セラフィマが、母を目の前で殺され、その殺害された母をまるでゴミの様に扱われる。その後、母や村の人たちを殺害された復讐心だけを糧に狙撃手になる。
    元々は「人を殺害するなんてあり得ない」と、普通の感覚を持っていた少女が、狙撃手として何の抵抗もなく平常心で人を殺害してしまう。戦時中という、その特殊な環境下で発露した心境の変化を、読者に納得感を感じさせながら物語を進めていく構成力が、実に素晴らしく、この上なく見事に描ききっている。
    最後のエピローグで、セラフィマが感じた「命の意味」の解釈のほんの数行が、今回一番心に響いた。また読後感も戦争を扱った作品とは思えないぐらい爽やかなので、戦争ものが苦手な方にもオススメ出来るかも。

    【雑感】
    いつも思うのだが、本屋大賞1位は本当に裏切らない。今、どんな小説を読んでいいか、分からない人がもしいらっしゃれば、過去19回の本屋大賞1位を全て読んでみるのも、個人的にオススメです!同じ作家が過去1位を受賞したのは、恩田陸氏の「夜のピクニック」と「蜜蜂と遠雷」のみなので、色々な作家を知れるという意味でも、オススメできます。

    読了後に気づいたのだが、今デビュー作で第11回アガサ・クリスティ賞も受賞しており、同賞で北上次郎氏が選考委員をされていた。北上次郎氏は僕が最も好きな書評家だった。今年(2023年)の1月19日に北上氏がお亡くなりになられたのは、残念でならない。

    北上次郎氏の書評に対するモットーとして、文庫本の裏表紙に書いてある「あらすじ」や、書籍の帯に書いてある数行以外の物語の内容には、基本触れないという制約を設けている。それだけの制約を設けた中で、読者に「その本読んでみたい!」と思わせられるのだから、北上次郎氏の言葉の力が、他を圧倒していたことは間違いない。

    ※北上氏の書評(YouTubeチャンネル『北上ラジオ』)から感銘を受け、ぜひオススメさせて頂きたい書籍がいくつかありますが、各書籍の感想欄でいつかご紹介します。(既に読了しているが、読了してかなり日数が経っており、感想を書くためには再読が必須。ただ積読になっている本を先に読みたい為、少し時間が掛かります。)
    著者名とタイトルを下記に記します。

    阿部暁子氏  『パラ・スター』
    小野寺史宜氏 『まち』
    小野寺史宜氏 『とにもかくにもごはん』

  • 戦時下の状況を生々しく描かれており、読み終えるまでただただ苦しかった。
    ウクライナとロシアはいわゆる戦争状態ではあるが、この本以上の地獄のような出来事が現地で起きている。一刻も早く落ち着き、人と人が武器で争うことの無いような世界になって欲しい。
    いまのタイミングで読めたということがとても感慨深い。

    • 虎徹さん
      本当に、何が真の敵かって、戦争そのものだなと思いました、、、
      本当に、何が真の敵かって、戦争そのものだなと思いました、、、
      2023/04/12
    • チャオさん
      コメントありがとうございます。
      戦争は攻めて起きるだけでなく、攻められても起こるものなんですよね。まさにいまのウクライナのように。。
      すなわ...
      コメントありがとうございます。
      戦争は攻めて起きるだけでなく、攻められても起こるものなんですよね。まさにいまのウクライナのように。。
      すなわち日本のように軍隊持たない、核兵器もたないが、戦争無くすかといえば、そう簡単なものでなく、人類が存在するうちは恒久的な問題なのではないかと思ってしまいます。
      2023/04/12
    • 虎徹さん
      そうですよね。
      「沈黙の艦隊」のやまとみたいな、全世界の抑止力があればな、なんて思ってしまいます(^^)
      そうですよね。
      「沈黙の艦隊」のやまとみたいな、全世界の抑止力があればな、なんて思ってしまいます(^^)
      2023/04/12
  • 圧倒的な本屋大賞だと思った。

    2019年の「そして、バトンは渡された」も他のノミネート作品に比べて圧倒的だと思ったが、「同志少女よ、敵を撃て」は自分の中ではそれ以上に差がついた。
    (ただし、「夜が明ける」と「残月記」は未読。)

    「スモールワールズ」はすっごい好きで「同志少女」を読むまではダントツの候補作だったのだけど、2月24日以降、世界の見え方は少し変わってしまったこともある。「同志少女よ、敵を撃て」はまさしく今、読むべき本なのだろう。

    住んでいた村をドイツに急襲され、突如狙撃兵とならざるを得なくなったロシア(ソ連)の少女セラフィマの成長譚。

    「戦いたいか、死にたいか」の壮絶な選択をせざるを得ない状況。今、ウクライナ国民は、そんな状況にある。
    領土は何のためにあるのだろう?
    国は誰のためにある?
    人は何のために戦う?
    正義とは何か?

    この小説からは、さまざまな問いが発せられる。

    そして、少女が撃つべき「敵」とは?

    • あゆみりんさん
      たけさん、はじめましてです、こんばんは。
      たけさんのレビューを読んで、今読まないといけないと強く感じてしまいました。
      今図書館で予約待ち37...
      たけさん、はじめましてです、こんばんは。
      たけさんのレビューを読んで、今読まないといけないと強く感じてしまいました。
      今図書館で予約待ち37番目ですが、なかなか列が進みません。

      たけさんの魅力的な本棚をコソッと参考にさせていただきました、ありがとうございました♪
      2023/01/07
    • たけさん
      あゆみりんさん、はじめましてです。
      コメントありがとうございます。

      この本は、今読むのにタイムリーな本ですよね。
      でも、戦争の本質はいつに...
      あゆみりんさん、はじめましてです。
      コメントありがとうございます。

      この本は、今読むのにタイムリーな本ですよね。
      でも、戦争の本質はいつになっても変わらないと思うんです。
      だから、仮に図書館の予約待ちがすごく長くてその間にウクライナ情勢が好転したとしても、読んでほしい本だなーと思います。

      僕の本棚が魅力的だなんて恥ずかしいですが、あゆみりんさんのこと、フォローさせていただきました。
      こちらこそあゆみりんさんの本棚を参考にさせていただきますね♪
      2023/01/07
    • あゆみりんさん
      たけさん、返信ありがとうございます♪
      ロシアのお話は、ことあるごとにコニャックと◯◯◯コフさんがたくさん登場してしまい混乱を極め苦手意識があ...
      たけさん、返信ありがとうございます♪
      ロシアのお話は、ことあるごとにコニャックと◯◯◯コフさんがたくさん登場してしまい混乱を極め苦手意識がありましたが、気長に図書館の予約待ちしますね。
      「圧倒的な本屋大賞」読みたいです、たけさんのレビューに唆られました。
      私もフォローさせて頂きました、宜しくお願い致します♪
      2023/01/07
  • 私の日常が誰かにとっては非日常であること、逆も然りでしょう。

    戦争の小説は絶対に読まないように避けてきました、
    残虐な表現が苦手だし趣味の読書で悲しい気持ちになりたくないから。
    小説とはわかっていても現実問題だろうから本当に心が痛みます。。

    でも皆さんのレビューを見ていて、
    この作品は遅かれ早かれ読むだろうなーと。
    熱烈なレビューを残している方々に感謝ですm(__)m
    出会ってよかった、読んでよかった。

    表紙と題名からも分かる通り戦争の小説です。
    平凡な日常を送っていた少女が狙撃兵に。

    家族が殺され、仲間が殺され、女性が暴力を受け。
    子どもが子どもではなくなっていく。

    私には無縁とも思われるような内容が書かれていて
    想像することもできません。
    でも、いつこの状況が日本で起こるかは分からない。


    『愛したい人は愛せるうちに、大切にしたい人は大切にできるうちに』
    これは私の人生のモットーです。
    戦争という大きな話ではなくとも人間いつ死ぬか分からないから。。

    今の環境を大切にしていきたいと思える一冊でした。

  • 2022年本屋大賞受賞作品

    いや〜、紆余曲折でようやく話題作を読了。
    本屋大賞が発表されてから何日かたって図書館で予約するも90人待ち。借りられるのは半年以上先になっちまった。あ〜、もっと早く、てゆーか大賞発表日に予約しとくんだったと激しく後悔。(なら本屋で買えよと突っ込まれそうですが、僕図書館派なんで笑) 

    読むまで時間があるので作品をより楽しむために予習をすべく「独ソ戦 絶滅戦争の惨禍」(2020新書大賞第一位)などを読む。この戦争の悲惨さは想像を絶するものだったことを知る。
     
    そんなこんなで順番を待ってたんだが、7月から一緒に働くことになった職場の同僚と話してたら本作を買い、もう読んだとのこと!貸しましょうかのお言葉に甘え借りた!
    なんというラッキー、なんという僥倖!友よ、ありがとう!

    余談はさておき本題です。

    2月以降、毎日のようにウクライナの映像をテレビやネットニュースで目にする。現代社会でここまであからさまに大国が他国へ侵略するとは信じがたい。ロシアにはロシアの理屈があるんだろうが許せるものではなく世界中で断固糾弾すべきと思う。

    本作は人類史上最も悲惨な戦争といわれる独ソ戦(第二次世界大戦におけるヒトラーのナチスドイツとスターリン率いるソ連との戦い)が舞台。デビュー作とは思えない程に出来がよく、読み応えがある。

    主人公セラフィマはソ連のうら若きスナイパー。モスクワ近郊の農村で暮らしていたが、ナチスが攻め込んで来て、母親や村人たちが皆殺しにされた。セラフィマも殺されかけたが、ソ連軍の女性スナイパー・イリーナに助けられ、彼女が教官をしているスナイパー養成学校で厳しい訓練を受けることになる。

    一緒に学んだ女性スナイパーとともに、女性狙撃専門部隊の一員として、現場最前線へ。強烈過酷な戦場のスターリングラード攻防戦をはじめ、悲惨激烈な現場だらけだ。
    いつも死が間近な極限状況が続く毎日。そこでの女性同士の友情や確執・裏切り。戦場での兵士による女性蔑視の発言、
    振る舞いやセクハラ発言。はたまた民族差別や出自をめぐる葛藤。多民族国家であるソ連という国の複雑さもなんとなくわかった。

    なぜ殺し合わなければならないのか、なぜ撃たねばならないのかという疑問が何度も繰り返される。極限状態での思考の深化と人間ドラマが面白い。

    長距離から相手に狙いをつけて撃つスナイパーの卓越した職人技も本作の特徴だ。スコープに映るのはたった一人の敵。敵と向き合う研ぎ澄まされた緊迫感が良い。相手の命を握るという重さとこちらの命は相手に握られている不安。
     
    読む前には思わず逡巡してしまった470頁の長編だが、読み始めたら一気だ。登場人物のキャラがたっており、ストーリー性も文句なし。理解を助けるたまに出てくる地図も良かった。地図にはキエフやハリコフなど、最近なじみの地名も頻出。

    果たしてセラフィマは戦争を通してどのように成長したのか。一体、何を得たのか。それは読んでみてのお楽しみだ。

    • ひまわりめろんさん
      TAKAHIROさん
      こんにちは!

      うらやましい!
      うらやましすぎて思わずコメントしちゃいました
      同じく図書館派の私はあと三ヶ月待ちくらい...
      TAKAHIROさん
      こんにちは!

      うらやましい!
      うらやましすぎて思わずコメントしちゃいました
      同じく図書館派の私はあと三ヶ月待ちくらいかな〜w
      2022/08/30
    • TAKAHIROさん
      ひまわりめろんさん

      コメントあざっす。
      僕が言うのもなんですが、気長に待ちましょう(笑)
      ひまわりめろんさん

      コメントあざっす。
      僕が言うのもなんですが、気長に待ちましょう(笑)
      2022/08/31
  • 気になっていたこの作品やっと手に取れた。
    凄惨な場面もある戦場の描写や、緊迫した異常な精神状態などが伝わってくる重たい読み心地。
    そしてぐいぐい引き込まれ、読み応えある作品。
    凄かった。

    舞台は独ソ戦が激化する1942年。
    モスクワ近郊の農村に暮らす18歳の少女セラフィマの日常が突如として奪われた。
    急襲したドイツ軍に母や村人たちが目の前で惨殺された。
    1人残され生きる気力を失ったセラフィマ。
    自らも射殺される寸前、赤軍女性兵のイリーナが
    セラフィマを助けたのだが母の遺体に火をつけ
    こう問いかけた。
    「戦いたいか、死にたいか?」
    セラフィマは生きる気力を振り絞り女性狙撃兵になることを決意。
    それは母を襲ったドイツ兵とイリーナに復讐する為。
    そして同じように家族を殺された境遇の少女達が集められていて、その仲間たちと共に訓練を受ける。
    そして戦場へ駆り出されることになる。
    セラフィマがラストで目にした「真の敵」とは?
    というストーリー。

    少女たち、登場人物のキャラが立っていて、徐々に友情や絆も深まり仲間として成長していくところが良かった。
    何のために戦うのか…という自分の信条をそれぞれ考えていて生死をかけて戦っていく。
    悲しいことに戦死してしまう仲間もでて凄惨な場面の連続。
    またセラフィマは人の死にあまりにも直面することで感覚がおかしくなってくることに戸惑うところもあって…ゾッとした。
    そして話が進むにつれて、敵国との対立だけでない、
    女性兵と男性兵との対立や差別だったり、狙撃兵と歩兵との対立だったりが絡み合ってきて複雑に…。
    主人公セラフィマは仇である二人に復讐をする為に戦うというはじめの目的だけではなく、女性への暴行から女性を守りたいという気持ちも抱くようになっていく…。
    タイトルでもある
    「同志少女よ敵を撃て」その真の敵についても考えさせられた物語。
    ラストは圧巻で、読み終わったときの衝撃が凄い。
    モヤモヤしないラストも良かった。

    本作は当時、実際に300人以上を倒した伝説の英雄である、女性狙撃手(リュドミラ・ミハイロヴナ・パブリチェンコさん)も作中に登場させるなど壮大な歴史を背景にした、事実も混ざっているフィクション。

    「戦争は女の顔をしていない」…

    今の情勢が情勢なだけに…怖ろしく
    いろいろ考えさせられた。

    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      しじみさん、こんにちは。
      そうですよね〜。
      戦争って人を狂わせてしまうように変えてしまうような精神状態になったりする、恐ろしいものですね…!...
      しじみさん、こんにちは。
      そうですよね〜。
      戦争って人を狂わせてしまうように変えてしまうような精神状態になったりする、恐ろしいものですね…!
      戦争だからあの状況だからって、そうなってしまう部分を感じてしまうと…、やるせないし、切なくなりますね。
      この作品、戦争の悲惨さが強烈でほんとにもう誰に感情移入しても壮絶過ぎて重かったです…ね
      長い作品でしたが無事に生還してまいりました。ありがとうございました…•ᴗ•♡
      2023/11/10
    • Manideさん
      チーニャさん、金曜日が終わりましたね♪

      これは大作ですよね〜
      私も10ページぐらいまでは読んだんですが、途中でフェードアウトしたままです。
      チーニャさん、金曜日が終わりましたね♪

      これは大作ですよね〜
      私も10ページぐらいまでは読んだんですが、途中でフェードアウトしたままです。
      2023/11/10
    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      Manideさん、こんばんは♪
      1週間、お疲れ様です〜

      大作なんですよ、そうなんです。
      忙しかったり、読書時間が作れないときは、読みにくい...
      Manideさん、こんばんは♪
      1週間、お疲れ様です〜

      大作なんですよ、そうなんです。
      忙しかったり、読書時間が作れないときは、読みにくい本です…。
      でも機会があれば、手にとってみてくださいね、是非是非〜(*^^*)ᴠ


      2023/11/10
  • 2022年本屋大賞受賞作
    自分が苦手とする時代、興味の薄い戦争ものという事で、かなり長いこと敬遠していました。こういうのは読む時の勢いも大事で、時間掛かっても良いから読もうと思って読み始めたら、夜更かしが過ぎました。
    今この時代になってまで何故戦争が起こるのか?先の世界大戦で学んだはずでは無かったのだろうか?
    無駄にしてはいけない沢山の命が、戦争によって無惨に消えていく。大雑把に数字としてカウントされるだけで、一人一人に存在していた暮らしは消失する。
    重たい作品でしたが、読むべき作品ですね。
    『命の意味』。うん。いつの時代でも重いものですよ。

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著者プロフィール

逢坂冬馬(あいさか・とうま)
1985年生まれ。35歳。埼玉県在住。『同志少女よ、敵を撃て』にて第11回アガサ・クリスティー賞大賞受賞。

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