繁花 (上)

  • 早川書房 (2022年1月25日発売)
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本 ・本 (528ページ) / ISBN・EAN: 9784152100726

作品紹介・あらすじ

戦後、文革、高度成長――歴史に翻弄され激変していく上海を生き抜く三人の少年たちの過去と今をユーモアと哀愁たっぷりに描く大河小説! 全篇上海語の会話を関西弁で翻訳する野心的な試みが結実! ウォン・カーウァイ監督ドラマ化決定の現代中国文学の精華。

感想・レビュー・書評

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  • 低調 やめよかな

  • ほとんど会話で進められる。上海語を関西弁で訳しているが違和感はなく、それぞれのキャラクターもたっていて読みやすいと思う。ただ、当時の上海の情景を思い浮かべるのが難しく上巻で挫折。胡歌主演でドラマ化されているのでそちらを見てみたい。映像が美しいと評判なので期待。

  • 章が変わると、過去と現在の話が代わりばんこに切り替わって物語が進んでいくのだけれど、六十年代から九十年代の過去と現在が、三人の主要な視点人物まで切り替わりながら描かれるので、最初、慣れるまでに時間がかかった。何というか、国の政情によって、苦しい生活を強いられたりする人々がいる過去と、豊かになった現在とのギャップが凄まじく、過去のパートで起きる出来事の悲哀感が増す。
    とはいえ舞台は上海。中国の文化大革命の時代というと何となく暗く、政治活動の広まる一方で、苦しい生活が続くような世界観を思い浮かべていたが、都市部は、そういったイメージとは違った生活をしていたのだということが分かって面白い。個人的には、友達に協力してもらって、購入枚数に制限がある映画のチケットを買うシーンと、ベティという女の子のピアノが略奪されて、本人もまた、おばあちゃんとともに行方不明になるところが印象的だった。
    とにもかくにも、印象に残るのは、一つ一つのエピソードのギャップである。休日に映画を見にいったかと思えば、ブルジョワ階級だとして家を荒らされる。汚い家へ引っ越しをさせられる。その生活の浮き沈みが、いかにも印象的だった。

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