あのこは美人

  • 早川書房 (2022年2月16日発売)
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本 ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784152100849

作品紹介・あらすじ

整形中毒のルームサロン嬢。アイドル好きの美容師。赤ちゃんが欲しい会社員。恋愛に悩むアーティスト。容姿や家柄、学歴、結婚、妊娠――。韓国女性を取り巻く呪縛を乗り越えて、今日も彼女たちは強く生きていく。ソウルの一角に暮らす女性たちのオムニバス。

感想・レビュー・書評

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  • 韓国で生きる四人の女性の視点で描かれる物語。
    階級格差、女性蔑視、美容整形…韓国の女性たちが直面している問題が詰まっていて、読んでいてものすごく息苦しかった。日本もここまでひどくないにせよ、そう大して変わらないようにも思う。
    完全に手を取り合っているわけではないけれど、4人の奇妙 な連帯感に支えられて読み進めた。
    彼女たちの未来に希望がないわけではない、という程度の微かではあるがハッピーエンドの光があった事に救われた。

  • K-POP、学歴社会、貧困、整形──韓国の今に切り込む作家 フランシス・チャ interview - i-D
    https://i-d.vice.com/jp/article/7kpew9/if-i-had-your-face-frances-cha-book-interview-minu-han

    美容整形王国の韓国を舞台にした話題の現代小説 If I Had Your Face – 洋書ファンクラブ(2020-06-29)
    https://youshofanclub.com/2020/06/29/if-i-had-your-face/

    2月16日発売『あのこは美人』(フランシス・チャ/北田絵里子訳)の訳者あとがきを特別公開!|Hayakawa Books & Magazines(β)https://www.hayakawabooks.com/n/n71bb062cd750
    https://www.hayakawabooks.com/n/n71bb062cd750

    Frances Cha(@franceschawrites) • Instagram写真と動画
    https://www.instagram.com/franceschawrites/

    Frances Cha
    https://francescha.com/

    あのこは美人: 書籍- 早川書房オフィシャルサイト|ミステリ・SF・海外文学・ノンフィクションの世界へ
    https://www.hayakawa-online.co.jp/shop/g/g0005210084/

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「直美」への流出を食い止める秘策:(谷口恭の「都市型総合診療の極意」)日経メディカル(2024/12/18)
      https://medical...
      「直美」への流出を食い止める秘策:(谷口恭の「都市型総合診療の極意」)日経メディカル(2024/12/18)
      https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/shintaniguchi/202412/586881.html

      谷口恭 | 毎日新聞「医療プレミア」
      https://x.gd/1mypW
      2024/12/19
  • 複雑な事情を抱えて現代を生きる、4人の韓国女性たちの等身大の姿を描いた物語。背景に韓国ならではの事情を色濃く反映させながらも、日本でもどこでも共通する彼女たちの思い悩む姿は共感できるもので、段々浮き上がってくる彼女たちのキャラクタもとても魅力的でした。

    美容整形を「三人に一人」がなんらかの形で行っていること、超高学歴社会であること、そして少子化や社会構造のひずみにさらされていること。その無慈悲さすら湛えている社会に、彼女たちは後ろ盾もなくさらされていき、傷を負ってもしまいます。

    その傷を抱えながらも、彼女たちがそれぞれのかたちで立ち向かっていく様子がみずみずしく描かれていて、とても好ましかったです。

    挑戦してみることそのものに意味がある、その一歩は仲間たちのやさしさと、自分のほんの少し振り絞った勇気でなせること。苦い展開を多く含みながらも、その大切なもののあたたかさに、気持ちがやわらぐような読後感を残してくれました。

  • 同じ建物に住む女性4人の視点で綴られる連作短編集。
    タイトル(邦題も良いけど原題を聞くと一層グサっと来る)にあるように容姿、更に貧富の差、地方と都市の差など、幾つもの重しを脚にくくりつけられながら必死でどこかへ行こうとしているような彼女たち。
    皆が愛おしくて、それゆえに度々苦しくなったが、良い結末に安堵した。
    いや全然好転したとは言えないけど、でも信頼して繋げる手があるというのは大きな違い。
    解説を読んで、5人目のあの子の視点がないことに初めて気づいたのだけど、そう思えないくらいの存在感だったし、気づいてからじゃああの子はどんな風に見ていたんだろうとまた余白を考えられる。
    文章も訳も良かった。

  • 章が名前ごとに分かれていて、同じ場面を色んな人の目線で描かれているので、ドラマみたいな感覚だった。
    キュリの結婚観についての話は、他の韓国本でもよく見る、夫、姑、子供の世話と女性は失うものが多いからしたくないというフェミニズム観点。
    ミホの身分違いの財閥の息子と付き合っている、生まれが重視な韓国的思考。

    こういった韓国を題材としたリアルフィクションの、ほとんどが財閥、女性の扱いの同じような問題を取り上げている。

    それでも強く支え合い生きていくという感じのストーリーなのだと思う。

    韓国ドラマとか韓国料理はすごく好きだけど、この小説みたいな感じがリアルだとしたら、やっぱり韓国では生きていきたくないなぁ。
    すごく女性は生きにくいと思う。日本もだけど。

  • 好感持てる人が1人も出ない本。

    オチはどうつけるのだろうか?
    という興味だけで読み進めたけど、
    最後までパッとしない感じだった。

    一点、よかったのは、
    整形のデメリットについて知れたこと。

  • 色々な人達の生き方が描かれている
    人それぞれ欲しいものは違うし、感じることも違う

  • 韓国の壮絶な格差社会、男尊女卑、整形について、、、

    読んでて辛くてリアルやった

  • 韓国のオフィステルに住む女性たち(声の出せない美容師、ルームサロン嬢になりたいワナビー、ルームサロン嬢、アーティスト、シングルマザー)が苦労しながらも連帯する話。

    話は味があるのだが、カバーのあらすじがあらすじになっていなかった。最初からあらすじをあるがまま書いていてくれたら読まなかったと思うので、良かったのか悪かったのか。
    あらすじの最後に「ある日、アラは下の階から聞こえてくる悲鳴に気づき…」とあるのだが、本文が350ページあって、このことが出てくるのが300ページ過ぎてからなので、何か事件が起きて鬱屈した目に遭っている女たちが爽やかに救われる話ではない。
    そこがちょっと騙し討ちみたいで気に食わなかったので☆は少なめ。
    100ページまで真面目に読んだところで疲れてしまい、残りは流し読みしてしまった。

    とにかくひたすら様々な柵(親子、嫁入り、収入、職業、容姿、etc.)についての鬱々とした話が続くので、好みが分かれると思う。リアルショー、タワマン文学が好きな人は好きなんじゃないかな。私は好みではなかった。
    これは僻み根性も入っていて(富裕層でも貧困層でもないけど)、著者がアメリカ生まれアメリカ住まいティーンの頃に韓国にいたジャーナリスト、というだけで、現地事情を誇張して書いているのでは…?と感じてしまった(※これは私の勝手な印象、実際はそうでもないかもしれません)。
    これが韓国文学という範疇に入るのかは謎だが、三十の反撃は数十年後に再読の可能性アリだけどこっちはリピなし。

    あと、腑に落ちないのが、おそらく自分が韓国やその種の文化に詳しくないからなのだが、ルームサロン(韓国の高級キャバみたいな意味)の客のブルースが、昼間に自分の婚約者家族顔合わせと同じレストランにルームサロン嬢が現れてブチ切れるところ。声をかけたわけでもないのになぜ? なんかキャバのママもブチ切れてるし謎すぎる。
    そもそも婚約前に自分がキャバで遊んでるのが悪いのに、なぜこんなにキャバ嬢にブチ切れるのか訳が分からんない。自分が悪いんじゃないのか?
    こんな感じでイマイチ受け取りきれないところが色々あった。

  • リアル。男女、整形、家族、社会。4人の女子。残酷?最後急に上向きになったように感じたけど、別にハッピーエンドではないかも。

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