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本 ・本 (456ページ) / ISBN・EAN: 9784152100856
作品紹介・あらすじ
「世界で最も偉大で、最も理解されていない思想家」、アダム・スミス。市場原理主義者、利己主義の肯定者といった「神話」をそぎ落とし、倫理学や行動科学にまで広がる思想的影響を俯瞰。格差やグローバル化などの課題に直面する現代へのヒントを提示する。
感想・レビュー・書評
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経済学を学んだ身としては、アダム・スミスとケインズはやはり気になる。「見えざる神の手」のキーワードが、スミスを市場原理主義者・自由主義至上主義者などのレッテルで見てしまうが、実際はそれほど単純ではなく、資本主義の進展によるギルドの権益化への警告や、不当なレントに対する批判も多い。また、母や家族、友人を大切にしたエピソードも、スミスの一面を現していて理解が深まる。現在までの経済学は、全てスミスの理論に根ざしているというのもなんだか理解できる。やはり経済学は面白いなあ。
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「国富論」だけではなく「道徳感情論」を重視して、アダムスミスの思考を辿ることを通して、ホモエコノミクスを前提とした現在の経済学を批判的に見て、より広い視座からの政治経済学のアプローチを提唱する書。主張そのものに目新しさはないが、アダム・スミスの思想を通してその主張を展開しているところが新鮮である。特に効率的市場仮説への著者の批判は、良く聞く論旨ではあるが、妙に腹落ちした。保守党の政治家らしく、著者はアダム・スミスにエドモンド・バーク的な保守性、漸進性の尊重を見出している。筆者が政治家であることで、きれいごとを言いがちなのではないか、という先入観が働いてしまうが、「経済学の父」であるアダム・スミスを通して見る世界観には一読の価値がある。
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東2法経図・6F開架:331.42A/N96a//K
著者プロフィール
村井章子の作品






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