フォーリング ―墜落―

  • 早川書房 (2022年3月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784152100979

作品紹介・あらすじ

コースタル航空416便の機長に、謎の人物から連絡が入った。コンピューターに映し出された画像に写っていたのは、四肢を縛られ、爆弾を巻き付けられた家族の姿。家族を救いたければ飛行機を墜落させろ。乗客の命か、家族の命か。機長が下した決断とは……?

感想・レビュー・書評

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  • 飛行機のパイロットのビルは、飛行中に妻と子供たちがテロリストにか囚われた事を知る。テロリストの要求は、ビルの乗る乗客143人の飛行機を墜落させる事。墜落させる前に副操縦士を毒殺し、乗客のいるキャビンに毒をまけと要求。実行しなければ家族を殺すというのだ。ビルはトイレ休憩を装って、こっそり信頼するCAのジョーに事情を説明する。決して飛行機を墜落させたりしないが、家族を守る為に毒をまくのは拒否できないかもしれないから、攻撃からキャビンを守って欲しいと。

    ジョーから連絡をもらったFBIがビルの家族を救出しようするが、なかなか捕まらない。操縦室のビルも、少ない情報からテロリストの正体を見極めようとする。1番ゾクゾクしたのはキャビンのジョーと仲間のCAの活躍だ。墜落させないと誓ったビルを信じ、毒から乗客を守る為に何ができるのか知恵を出し合う。自らの恐怖を押し殺し乗客を守ろうとする彼らのプロ意識には心を打たれた。

    ジョーの甥っ子のFBI職員は明らかにやり過ぎだし、テロリストの動機と行動に矛盾があると思うが、迫真の描写にのめり込んで一気読みだった。映画化されたら面白いだろうな。

  • 元キャビンアテンダントの執筆。ページターナーであることに疑いない。どこにも、真の悪人が出てこないことが読後感をさわやかにしている。

  • コースタル航空416便の機長ビル・ホフマンの元へ謎の男から送られてきたメール。そこには、爆弾を巻き付けられた家族の姿が―― 「飛行機を墜落させろ。さもないとあんたの家族を殺す」 さらに男は機内へ毒ガスを撒くことを要求する。指示に従わなければ彼の仲間が代わりに行うというが、それは機内に裏切り者がいることを意味していた……。

    これぞ、アメリカのエンターテインメントの王道を行く作品。

  • うまく畳んでるけど、驚きはない。ついでにいえば深みもない。

  • ハイジャック小説と言ったらその醍醐味は、犯人が旅客機をどのように乗っ取るのか、そして乗客を人質に要求した身代金をどう回収するのかというトリックにあった。
    古くはトニー・ケンリックの『スカイジャック』やルシアン・ネイハムの『シャドー81』などの傑作を思い出す。
    昨今は時代が変わってしまい、物語の焦点が、狂信的なテロリストである犯人からどうやって機体の支配権を取り戻すかに移ってしまった印象。
    その意味でも本書は、事件後の描かれ方は大いに異なるが、映画『エグゼクティブ・デシジョン』のアフター9・11版に近い気がする。

    映像化を意識した書きぶりは昨今の小説全般にそうで、もし皆無の作家がいたら逆に珍しい。
    犯行の動機や目的が説得力に欠けること、物語の細部にいくつか気になる点があること、さらに毒薬の成分などいくつか謎を残したまま終わることなど粗も目立つ。
    回想との境界が曖昧なのも、ちょっと読みにくさを感じる。
    本国のレビューでもベストセラーになっただけあって好意的なコメントが並ぶ一方で、最低の評価を付けている読者も少なくない。
    ただ、本書の草稿を書き上げて41社にも断られ続けたというのが信じられないくらい読ませる力はスゴいし、新人離れした印象。

    面白いのは、主役を食った印象のあるキャビンアテンダントのジョーのキャラクターで、自身の経験が活かされているのだろう。
    意図してなのかわからないが、コックピットと切り離された状態で独自に問題を対処することになり、味方であるはずの機長と戦う羽目に陥るという展開も面白い。
    とりわけ気に入っているのが、ジョーが動揺しカオスとなる乗客を鎮め、跳ね上がりをいなす機知で、読みどころの一つになっている。
    機内アナウンスは使えない、伝言ゲームは無理、確実に乗客全員に自らの意思を伝達する方法は?とか、激高しコックピットに突進する客を手下に変える方法など、テロリストとの激しい戦闘ではなく、言葉の応酬で物語を盛り上げている。

  • 緊迫感はあるが全体的にまとまりがない為、場面場面に集中出来なかった。色んな映画やドラマのシーンを繋ぎ合わせたようでデジャブ感でいっぱいだった。都合良く展開してハッピーエンドなのも1時間ドラマみたいだった。

  • LA発ニューヨーク行き航空機の機長の妻子が自宅で監禁される。操縦中にメールで脅迫され、東海岸のどこかで墜落させるよう命じられる。フライトアテンダントの一人がFBI捜査官の甥に連絡した。FBIが自宅に向かうと・・・

    読みやすい。映像が目に浮かぶ。

    ハイジャック犯が機内にいないという新しいタイプ。面白かった。

  • あるある

  • コックピット、キャビン、
    地上の人質、FBI、管制塔、スタジアム…
    場面の転換が激しく
    過去のエピソードも差し込んできたり
    あっちもこっちもと落ち着かない。
    そのたびに緊迫感が途切れる。
    とくにクライマックスでは
    一気に駆け抜けたいのに
    そうさせてくれずにまどろっこしい。
    結局、何のために登場したのか
    中途半端な人物も多く
    いろいろTVドラマ的。

  • 久しぶりの航空もの。引っ張るサスペンスはあるが、ちと荒っぽい展開。

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