アグレッサーズ 戦闘妖精・雪風

  • 早川書房 (2022年4月20日発売)
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  • 本 ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152101280

作品紹介・あらすじ

ロンバート大佐を介在させたジャムは、対人類戦に勝利し、地球侵入を果たした――それがFAF特殊戦の分析だった。機械知性らの次の対ジャム戦略を練るために、クーリィ准将は特殊戦にアグレッサー部隊を新設。雪風は地球連合軍の戦闘機との模擬戦に参加する

感想・レビュー・書評

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  • 「ジャムは対人類戦に勝利したようだ。地球はすでにジャムに汚染されているとみて間違いない」
    冒頭から突然のブッカー少佐の宣言に、なんだって?!と驚きのシリーズ4作目。

    今回はシンさまの仰る通り前回よりも分かりやすく、久々に皆の休日の様子も見られて嬉しかった!
    けど…

    こんな、こんな気になる所でまた次は10年後?!神林さん80歳?!『マッドマックス怒りのデスロード』でも監督さんが70代であの熱量の作品を作り上げた事に度肝を抜かれたのですが、70代までライフワークのように哲学SFである雪風を描き続けてる神林さんも凄い!!

    地球どうなってしまってるんだ!と冷や冷やしますが、ジャムに寝返ったと言うかジャムになりたい男、元FAFのロンバート大佐が地球に向かっていたのですが、フェアリイ星に帰ってきたー!!戦士が帰ってきたぞー!!(もののけ最高ですね、暑さで脳がやられてます)

    今回は、ジャムの脅威を地球に広めたジャーナリストのリンもいよいよフェアリイ星へ。ジャムにインタビューしたいという彼女。果たしてジャムと交信できるのか?!10年後にしか分からない…

    今回も前半は哲学。シュレーディンガーの猫に準えてFAFを表すブッカー大佐。以前にひまわりめろん師匠が「神林さんは人以外のもので人を描く」と仰っていたのでそれも念頭に置いて読んでみました。

    ジャムは既にフェアリイ星にいない。ジャムは勝利した。我々は敗北した。と思い込んでいるFAFのコンピューターが自らスリープ状態に入り「哲学的な死」の状態。
    そうなると、対ジャム組織としてしか存在意義のないFAFも哲学的な死を迎えてしまう。地球にお払い箱にされる。
    なら!ジャムを呼び戻し、生き帰れば良いじゃない!!FAF内での政治的やりとりも大変そうでしたが、特殊戦の司令官、クーリィ准将が凄い手腕を見せて地球軍にジャムと戦えるのはFAFしかいないと思い知らせるために、模擬戦を計画。
    零と雪風、無人機のレイフ2機がジャムとなって地球軍を迎え撃つアグレッサー部隊となります。
    アグレッサー部隊とは、簡単に言えば敵部隊の飛行を模倣する専門の飛行隊の事です。

    これには、本物のジャムを誘き出す意図も含まれています。

    ここまでが本当に難しかった!!前作よりも、ふぁ?!とはならなかったけれど、何度か戻って読み返しました。が!やっぱり面白い!前作よりもパワーアップしている面白さ。
    雪風と零の絆も何だかんだで更に深まってるし、予想外にメインキャラになった桂城少尉も、最初は零と同じような機械のような人間だったけど、零と良いペアになって来ているし。

    雪風が「哲学的な死」により眠っているコンピューターを叩き起すくだりはワクワクしました。

    さて、終盤は待ってました、胸熱の地球軍vsアグレッサー部隊!
    地球からやって来たのは、田村伊歩。幼い頃から暴力衝動が抑えきれず、戦闘機乗りになった凄い女性。有能だけど中々の問題児。訓練生に実弾で警告射撃しをした件で懲罰を受けてフェアリイ星行きに。
    ところがこれが偶然ではなかった、とまた若干の哲学。
    伊歩大尉は実は対ジャムに対して雪風が彼女を欲する程の能力を有していました。

    模擬戦…かっこいいぃぃ!!
    伊歩の乗っている機体は、日本空軍で約立たず扱いされていた「飛燕」からとってHIEN。(ラバウルに持っていく際に27機中12機がエンジントラブルで大破、パイロット3名も殉職という凄い子。その後はなんとか頑張ってました。)
    でも伊歩のHIENは有能of有能。飛ぶ!回る!当てる!かっっこいいぃー!!!

    この哲学で脳を掻き回された後の、アドレナリン大放出の空中戦…。テンション倍プッシュ!!(使い方あってんのかな)
    2作目以降から、時々一人称の視点で章が進むのですが、今回のリン視点と伊歩視点もそれぞれの立場がよく分かって面白かったです。

    雪風と無人レイフがジャムそのもののような有り得ない動きをするのに流石の伊歩もびっくり。
    と同時に、自身の暴力性を発散させる相手はジャムだと確信しFAFに移籍する事に。
    雪風が伊歩に対して送ったメッセージに、早く零と桂城と伊歩の共同戦線が見てみたい…!!と期待が高まるものの…

    続きは10年後…orz

    追いついて漸くファンの皆様の気持ちが分かりました、気になって禿げそう!!

    地球では本当にジャムの侵略が始まってるのか?だとしたら、それはどのような形で?地球軍はジャムの存在を目の辺りにしてどう変わるのか?雪風はどこまで進化して行くのか…?!

    全部、10年後…orz

    今回のラストはシリーズ中で1番良かったです。
    雪風と零のデートシーンを見られるとは思わなかった。デートだよね?あれ?
    ちょっと1人にしないでよ、寂しいじゃないのよ、1人で休まないでよ、って会いに来る雪風…可愛い。

    でも続きは…10年後…orz

    • yukimisakeさん
      mihiroさ~ん、おそようございます(´-ωก`)
      勢いだけのレビューにそう言って頂けて嬉しいです!ありがとうございます٩(。•ω•。)...
      mihiroさ~ん、おそようございます(´-ωก`)
      勢いだけのレビューにそう言って頂けて嬉しいです!ありがとうございます٩(。•ω•。)و
      重要なのはその2点なので問題無しです!笑
      前作はもう放棄しましたしね笑
      禿げちゃう!!

      関西人なのです♪東京の血も入ってるので変な日本語です^^;友達に関東弁やめろと言われますが、直りません(`・ω・´)キリッ
      2024/07/25
    • ゆーき本さん
      私が70歳になっても意欲的に何かを成し遂げる努力とかしてるだろうか?その前に頭は正常に働いてくれてるだろうか?( ᐙ )?
      おばあさんになっ...
      私が70歳になっても意欲的に何かを成し遂げる努力とかしてるだろうか?その前に頭は正常に働いてくれてるだろうか?( ᐙ )?
      おばあさんになったら手作りジャムでも作って売り出してみようかな
      2024/07/25
    • yukimisakeさん
      ゆーきさんもジャムに乗っ取られてる…!笑
      本読み続けてたら大丈夫ですよ٩(。•ω•。)و
      絶対に杏子ジャムだ!!笑
      箱買いしまーす(¥▽¥...
      ゆーきさんもジャムに乗っ取られてる…!笑
      本読み続けてたら大丈夫ですよ٩(。•ω•。)و
      絶対に杏子ジャムだ!!笑
      箱買いしまーす(¥▽¥)チャリーン
      2024/07/25
  • 読書備忘録816号。
    ★★★★★。

    やっぱりこいつも無条件に5つになってしまいます。
    だって40年以上掛かって4巻。10年ちょいで1巻のペース。まだまだ続く。
    amazonの評価も85%★5つ。しかし作者の神林さんが70歳・・・。
    頑張れ!ちょうさ~ん!

    10年振りなので改めてストーリー全体像を整理。

    なぞの地球外異星人?生命体?知性体?、地球人はジャムと名付けた敵。
    人類はジャムとの戦争を太陽系でも銀河系でもない?フェアリイ星という惑星で長期に渡り繰り広げてきた。
    フェアリイ星と地球はなぜか(もう忘れた)南極上空に開かれた回廊(その空間の色合いからブラッディ・ロードと名付けられている)で結ばれている。
    フェアリイ星に人類の橋頭保として築かれ、ジャムと戦うのが我らがFAF(フェアリイ空軍)。
    ジャムとは?敵が何者か知るために、直接戦闘に加わらずFAFとジャムの戦闘を超高々度から観測するのが特殊戦と呼ばれる部隊。味方がやれていてもストレスに感じない、人間として他人との係わりが希薄な異端児が集められている。必ずデータを持ち帰る冷血部隊。

    そして、ストーリーの主人公。特殊戦第五飛行隊所属の深井零大尉と、パーソナルネーム<雪風>と名付けられた自立AI型超高性能偵察戦闘機。

    前出のシリーズ作品。
    ①[戦闘妖精雪風<改>]
    フェアリイ星におけるジャムとFAFの戦いと特殊戦の特殊性を読者に紹介する意味合いの作品。雪風と深井零の孤高性と、零を取り巻く主要メンバーの活躍がメイン。
    ②[グッドラック 戦闘妖精・雪風]
    ジャムの進化する戦術により雪風は撃墜される。雪風は墜落に先立ち深井零を強制射出。雪風は自らを最新鋭機FRX-00メイヴに転送。旧機FFR-31スーパーシルフを自ら破壊。ここに来て、雪風は自立AIから戦闘知性体として進化する。ジャムはジャムで、人類を知ろうとする為にジャム人間を作り、直接人類との接触を図る。その中で、主要メンバーであったロンバート大佐がジャムに寝返るという衝撃の結末。
    ③[アンブロークン・アロー 戦闘妖精・雪風]
    ジャム人間により人類を知った気になったジャムは、ジャムを最も知る地球ジャーナリスト、リン・ジャクスンを通じて人類に宣戦布告。
    そしてFAFに対する総攻撃を開始する。
    ジャムはタイプ7と呼ばれる戦闘体を投入。タイプ7に苦戦するFAFだったが、タイプ7を捕獲したと勘違いした雪風と零は逆にジャムにより不可知領域という空間へ引きずり込まれる。時間と空間を認識することが叶わない空間。カクカクしかじかの結果(覚えていない!)、何とか雪風は不可知空間を脱する。
    一方のジャムはブラッディ・ロードを通り地球に侵略を果たした。
    雪風が不可知空間から脱する為に、全ての事象を可知状態に固定するために、一瞬だけ地球に姿を現す雪風。
    地球の戦闘機に対して圧倒的な性能差を誇る雪風のフィーニクスMk.XIターボファンエンジンのアフターバーナーによりマッハ3.3で旋回し、再びフェアリイに戻る描写はサブイボでした。
    そしてFAFは、地球がすでにジャムによって侵略されていると認識する・・・。
    これが10年前の第3巻。

    そして、今作。
    地球からフェアリイ星に戻った雪風と零。フェアリイに戻ってもジャムによる意識操作が続き、違和感のあるFAF基地。その意識操作も基地のAIコンピュータとの連携で振り解き、実空間を取り戻すところから物語はスタート!
    作品の前半2/3は戦争哲学。
    そして後半1/3は超絶空中戦。

    前半部。
    「ジャムはフェアリイ星から地球へ侵略を果たしている」という前提に基づいた戦争哲学。地球侵略を果たしたジャムは既にフェアリイ星にいない。ジャムは勝利した。
    しかし地球はジャムに侵略された認識はない。フェアリイにジャムはいない。地球は侵略された認識にない。すなわちFAFの存在価値はない。哲学的な死の状態。
    であれば、ジャムを呼び戻すしかFAFの生きる道はない。ジャムは地球に存在する。地球の軍隊はジャムに太刀打ちできない。地球の為にもFAFの為にもジャムと戦えるFAF存続は必須であることを地球に認めさせる。
    その為にFAFが自らジャムとなり、地球軍と模擬戦を繰り広げコテンパンにやっつける。
    この模擬戦がジャムの気を引くことは間違いない。ジャムをフェアリイ星に呼び戻すことになる!
    読んでいても理解できない哲学。量子理論も展開される。FAFはシュレーディンガーの猫であると。笑

    なにはともあれ、自らジャムとなるために新設された特殊戦第六航空隊・アグレッサー部隊。
    所属機は雪風と、設計を共通にする無人機FRX-99レイフの2機のみ。
    模擬戦のために地球からフェアリイに派遣された地球軍。日本空軍と日本海軍、そしてオーストラリア空軍。

    その中に、本作で初登場!そして今後の物語のキーとなる異能の日本空軍エースパイロット田村伊歩大尉がいた。搭乗機はF-4「飛燕」。自立型AIを搭載する最後の有人戦闘機。
    模擬戦開始!伊歩はジャムを感じる。ジャムとはなんぞや。伊歩は日本海軍機をジャムと識別!瞬時に撃ち落とす。そんな伊歩をジャムは脅威と感じ、ロンバート大佐は不可知空間から「ジャムの仲間になれ」と接触、勧誘する。ジャムに引き摺り込むために現れたタイプ7。飛燕と重なり不可知空間接続点に誘導される。このままだと伊歩と飛燕は不可知空間に引きずり込まれる!
    雪風とレイフは、飛燕のAIコンピュータにハッキング、プログラムを流し込む!果たして雪風と零は飛燕と伊歩を救えるのか!
    そしてエンディング!ジャムとの闘いは新たな局面に突入する!

    おいおい、ちょ~さん!次作は80歳か!そんなに待てないぞ!はよ出してくれ!

    次作まで時間があくかも知れないので、登場人物の備忘録。
    FAF特殊戦副指令、リディア・クーリィ准将。知略家。FAFに届く酒をすべて横領する。
    FAF特殊戦戦隊指揮官、ジェイムス・ブッカー少佐。零の良き理解者。人格者。
    複座戦闘機雪風のフライトオフィサ、桂城彰少尉。零の次に雪風を理解する。
    FAF特殊戦所属軍医、エディス・フォス大尉。零を完璧に理解している。
    雪風を目視で観測した唯一の地球人ジャーナリスト、リン・ジャクスン。ジャムの脅威を説いた「ジ・インベーダー」の著者。
    ジャムを感じることが出来る異能の超エースパイロット、田村伊歩大尉。多分特殊戦第六航空隊アグレッサー部隊の3番機「飛燕」のパイロットとなる!と思う。

    いやはやいやはや。ヤバいですね。
    表紙絵は雪風と飛燕のコラボ!本当にヤバイ。
    無条件に大好き。
    作者の別シリーズ「敵は海賊シリーズ」と同様に・・・。

    さあ、みなさま。読むべし。
    そして理解に苦しむべし。

    • shintak5555さん
      ユキさま
      読む?読む!読むの!
      第3巻は鬼門ですよ。ここを乗り越えない今作の理解がおぼつかない。ファイティン!
      アイコンはすえひろ湯♨️のク...
      ユキさま
      読む?読む!読むの!
      第3巻は鬼門ですよ。ここを乗り越えない今作の理解がおぼつかない。ファイティン!
      アイコンはすえひろ湯♨️のクラフト。
      宇宙ブリューイングのホワイトホール。笑
      ブラックホールの真逆。
      350のショート缶で1,200円!
      宇宙的旨さ!
      2024/04/08
    • yukimisakeさん
      魔界水滸伝終わったら、サイコダイバーシリーズと合わせて読みまーす♪
      ファイテン笑。可愛い笑
      3巻ですね、了解しました(*`・ω・)ゞ
      たっっ...
      魔界水滸伝終わったら、サイコダイバーシリーズと合わせて読みまーす♪
      ファイテン笑。可愛い笑
      3巻ですね、了解しました(*`・ω・)ゞ
      たっっか!!!笑
      湯上りの1杯ですね(*>∀<*)
      2024/04/08
    • shintak5555さん
      超人的読書量のキャパ!
      超人的読書量のキャパ!
      2024/04/08
  • 「戦闘妖精・雪風」と「グッドラック」と「アンブロークンアロー」を全部読み直して復習するのに時間がかかってしまった。最初の2話、「戦略家たち」と「哲学的な死」でようやく前作が終わったという感じ。ジャムは、ますます不可解な存在になった。最後の「戦略的な休日」を読んで既視感を覚え、しばらく考えて思い付いたのは、ラテルとアプロとラジェンドラの掛け合い。雪風は、ラジェンドラと違って人間の言葉を話せないから、意思疎通を図るために有無を言わさず実力行使に出るわけだ。日本海軍の原子力空母「アドミラル56」の正式名称にちょっと笑った。二〇二二年四月二十五日発行、二〇二二年五月十五日3版。定価(本体1900円+税)。

  • 2022/6/27読了。
    前巻『アンブロークンアロー』はちょっと読むのがつらいくらいに訳のわからない戦闘が描かれていたけど、あれはジャムとの戦いの訳のわからなさを肌身で感じるために必要な訳のわからなさだったと、本巻の戦闘シーンを読んで思った。本巻の戦闘シーンで何が起こっているかをすんなりと読み取れるのは、前巻でジャムを見る目を養った読者にだけ許された特権だ。
    続きが早く読みたいのだが、読めるのは何年後だろう……

  • 戦闘妖精・雪風シリーズ、第4作です。第3作はかなり哲学的な内容でしたが、今作では新たな登場人物も加わり、物語が新たな方向に動き出しました。
    自ら仮想敵となるという、クーリィ准将の発想に驚かされました。新キャラ・田村伊歩の参戦、リン・ジャクスンの行動、エディスの意外な一面が明らかになったりと、女性陣の元気さが印象的でした。

  • 短編集ということで、『アンブロークン・アロー』よりも読みやすい内容。
    現在のA/I技術などの動きを踏まえると若干時代がかった世界ではあるものの、地球外知性(ジャム)や機械知性の思考は人間と同じではない、という大前提に対して、人間はどう振る舞うべきか、という思考実験の本質は変わらず。展開も新たなフェーズに入り、この世界がどこに向かうのか、今後も気になるシリーズ。

  • 戦闘妖精雪風 第4巻
    ジャムとの戦いで覚醒した、戦闘機=AI雪風。
    パイロット深井大尉、FAFもその知性、考えに気づく。

    そして、雪風と深井大尉の混成チームとしてのアグレッサー部隊を創設。
    ジャムの存在と、戦闘妖精の存在、人間、FAF、それぞれの立場とだ互いがはっきりと姿を表してきた。
    そして、新たなる戦いに続く。

  • 「グッドラック」「アンブロークンアロー」が二段組の重厚長大な大長編で読み辛かったのに比べると、本作は初代に立ち返ってライトになった。初代がショートショート的な短編エピソードでそれぞれ面白かったのに比べると、続く二作は「機械とは」「人間とは」を問い掛ける哲学的小難しさがあった。本作は「言葉」という、神林作品の底流を反映したテーマで、新しい魅力的なキャラクターが登場する。何より、初代以来感じられなかった、絵に浮かぶような戦闘シーンの再登場は歓迎したい。しかし、ちょっとだけだしコンバットコミュニケーションもあまり無くて正直物足りないけど。

  • 謎の異星体・ジャムと、各国から選ばれた精鋭を集めたフェアリィ空軍(FAF)との戦いを描くシリーズの4作目。
    ぼくは神林さんの小説がデビュー作から苦手で、雪風もずっと手を出さなかった。きっかけは忘れたが、2014年にやっと1作目(2002年刊行の改訂版)を読み、とても楽しめたので驚いた。そして2016年に2、3作目を読んだが、進むにつれて理解し難くなっていった。
    本作は13年振りの続篇だが、シリーズを逆に辿るような印象で、最初の小難しさがクライマックスに向けての序奏となっている。おもしろかった。

  • 早く続きが読みたい!
    それかすべて。
    結構哲学的なSF。
    面白いですよ。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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