祈りも涙も忘れていた

  • 早川書房 (2022年8月17日発売)
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本 ・本 / ISBN・EAN: 9784152101600

作品紹介・あらすじ

犯罪多発地域、5県神浜。県警配属早々に捜査一課管理官となった新人キャリア警察官の甲斐は、管内で連続する放火や凄惨な死体遺棄、捜査関係者の不審死を追ううち、県警、そして政財界を揺るがす巨悪を目の当たりにする……次代を担う警察小説作家の最高傑作

感想・レビュー・書評

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  • 警察小説というよりも今までにはないエンタメ要素を含んでいる。
    若きキャリア警察官である甲斐が、クールでスマートである。
    だが内には熱いものを秘めているようで気になる存在。
    バーでドイツ小説を読むくだりもあり、描写が美しい。
    成海とのやりとりも会うたびに深みを増してくるのも楽しめるところである。
    警察小説にしては、とても綺麗に完結していると感じた。

  • ハードボイルド作品なんだけど、主人公はいわば出木杉くんタイプで、人間離れしている感じがして、あまり惹かれませんでした。ハードボイルドの中にも弱みとか人間臭さがあればなあと個人的に思います。

  • 犯罪認知件数が20年連続全国ワースト5であるV県警捜査一課に配属される警察キャリア甲斐。26歳での赴任であるため、捜査員のほとんどが年上で経験も豊富なものばかり。赴任当初の甲斐は自分のポジションをわきまえ率直でどこか達観したような印象だった。冷めているわけではないが熱くなるようなこともない。だが、芯はブレることなく行動に移すことには躊躇しない。繊細さも持ち合わせた甲斐が次々と起こる殺人事件の真相に迫っていくほどに、覚悟と意志が確固たるものになっていくのは読み進めながら感じた。

    正義のための犠牲、愛するもののために罪を犯すこと、悪と分かっていても逃れられない心、そんなことを強く意識させられた。祈りも涙も忘れていた一連の出来事は心が疲弊してしまいそうだ。

  • 脱落。
    おもろない。
    人間らしさに欠ける。

  • 管内の犯罪認知件数が全国ワースト5に入るV県警捜査一課に配属された新人キャリア警察官の甲斐彰太郎。彼は、警官一万人以上が所属する大所帯で、実地経験のないまま管理官として放火事件捜査の陣頭指揮を執ることになる。
    ノンキャリアの警官たちから面従腹背の扱いを受けつつも、捜査一課長の大東、一課四係班長の渡辺、所轄署刑事の阿南らの助力を得て、甲斐は県警内で捜査の主導権を確立していく。
    やがて管内で凄惨な殺人事件が次々と発生。見せしめのごとき死体遺棄と捜査関係者の不審死、その背後には警察関係者が? 一連の事件の黒幕を突き止めるべく捜査を始めた甲斐を待ち受けていたのは、十二年前の警官焼死事件に端を発する、V県の警察・政財界を揺るがす一大疑獄だった……。

    ハードボイルドにしては、やや甘口。期待していたので残念でした。

  • 同じメンバーで長々続く警察小説とは大違い。

  • 読み応えがありました。面白かった。

  • 読むの疲れた。量的にはそんな大作ではなかったんだけど内容がしんどい。ハードボイルドを装った作りになっているのでいろいろキザなシーンがあったりするのはいいんだけど、名もないバーのシーンがずーっと違和感があってこのシーンが読むテンポを狂わせたと言っても過言ではない。ぶっちゃけ言うと、実にくだらなかった。小説の中で小説を読まされる身になってって声を大にして言いたい。その小説の内容が本編にかぶさる意味深な内容を重視したまったくストーリー性のないものだから読者が読んで面白いわけがない。ネタ証をグダグダと読まされているだけで時間の無駄でしかなかった。キャリアが捜査1課、市が誇る大企業の闇、官僚と所轄刑事モチーフは揃っていてネタもよい、タイトルもなかなか趣があって良いのに、なんでこんな駄作にしてしまったのか....そも誰が内通者で誰が何をするとかが分かりやす過ぎてワクワクがないからひたすら文字を追うだけの作業になったのが一番しんどかった。

  • 03月-06。3.0点。
    ある県警に赴任した26歳のキャリア。管内の連続放火事件を担当。捜査していくうち、県内の最有力者との闘いに巻き込まれ。。。

    ハードボイルド。警察関係者が少し多すぎるかな。読むのに時間かかった。

  • 「とても面白かった」というのが率直な感想です。
    警察小説の魅力がつまっていたと感じました。
    若手キャリアにスポットをあてている小説は、今まであまり読んだことがなく新鮮であったことも影響していると思います。
    誰が裏切りなのか?どうなるのか?
    ワクワクしながら読めました!

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著者プロフィール

1978年東京都生まれ。上智大学法学部卒業。新聞社勤務などを経て、2013年に『見えざる網』で第33回横溝正史ミステリ大賞を受賞しデビュー。2015年に『事故調』、2021年に「警視庁監察ファイル」シリーズの『密告はうたう』がドラマ化され話題に。本作は地方検察庁を舞台としたミステリ『地検のS』『地検のS Sが泣いた日』と続く「地検のS」シリーズの最終巻にあたる。他の著作に、『巨悪』『金庫番の娘』『事件持ち』『ぼくらはアン』『祈りも涙も忘れていた』などがある。

「2022年 『地検のS Sの幕引き』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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