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本 ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784152101761
作品紹介・あらすじ
フランス人のローズは、一度も会ったことのない日本人の父が他界したという報せを受け、京都にやって来た。美術商だった父のアシスタント、ポールと出会い、恋に落ちるが――。ひとりぼっちだった女性が、古都に癒され自分を見つめ直し、人生の意味を見出す。
感想・レビュー・書評
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日本の父が亡くなり、京都へ呼び寄せられたフランス人女性の"自分探し"の物語。
「怒りは怒りだけで終わるものではないでしょう」
ずっと不在のものとみなしてきた父や母の存在を今になって見せられ、戸惑いや不愉快を抑えきれないローズに、案内役のポールがかける言葉。そのマイナスの感情が、大きくなったり小さくなったりしながら、ちがうものへと変容していく。
怒りのその次にくるもの――自分の感情を思い返してみて、なんだろうな、と考える。
こうしたい、なぜ、という前向きな気持ちを持たないまま、父の遺言に従い寺を案内するポールにただついて行くローズ。過去にとらわれたくないと思いながらも、寺の庭や日本料理に垣間見える気配に過去を思い起こし、今の自分を重ねて対話の時間を過ごす。
そうそう劇的に変わるものではなく、ひとつの物語としては物足りないほどのじれったさの中で、愛情だけが暴走しているような感じがあった。 -
後半でようやくこの本の読み方に気が付きました。読み始めると不思議な感覚が押し寄せるために、懸命に字義だけを読み取ろうとしてしまいます。しかし、まずはその未知の感覚を受け止めた上で、頭の中で映像化すると非常に面白く読み進められます。
こうした読書経験は初めてだったので、抜け出せません。 -
京都の街や観光地に訪れたことがありますか?『京都に咲く一輪の薔薇』というタイトルの通り、京都が舞台のお話です。物語自体は創作ですが、著者はこの小説を書く以前に京都に長期滞在していたことがあるそうです。
主にその時訪れた場所を舞台に創作しているのが本書の特徴です。主人公の感傷的な視点から描き出される京都の街や観光地は著者の独自の視点から描き出されています。作品の物語も読みどころですが、読んでいると実際に観光している気分になり、その場所にお出かけしたくもなります。
また、各章に書かれている導入部分は、著者の完全オリジナルでその章を流れるように読み進めることができます。皆さんもこの本で京都を観光してみませんか?
京都外国語大学付属図書館所蔵情報
資料ID:657345 請求記号:953.7||Bar -
好きな作品でした。
"ほんとうに生まれ直すには一度死なねばならないのだそうです" -
都舞台の作品と云うことで読んでみる。元のフランス語もこんなめんどくさい文章なんやろか。文章がめんどくさく感じる。主人公はよう分からん人や。京都の有名どころの描写はなかなか面白くはある。銀閣寺、南禅寺、詩仙堂、大徳寺、西芳寺など
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よう学んでいるし、描写力も見事だが、東京始発で7時半には着かないよとか、苔寺は子供NGだろとか、細かいところが気になるか。