女たちの沈黙

  • 早川書房 (2023年1月20日発売)
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本棚登録 : 165
感想 : 14
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  • 本 ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152101983

作品紹介・あらすじ

リュルネソスの王妃ブリセイスは、敗戦後、奴隷となった。その主は、家族と同胞を滅ぼした英雄アキレウス。彼女に与えられた選択肢は、服従か死か。だが、彼女が選んだのは――。英国の戦争文学の旗手が、黙殺されてきた女たちの声で『イリアス』を語り直す。

感想・レビュー・書評

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  • 女性から見た「イーリアス」の世界、パット・バーカー2冊 | 英国アート生活
    http://loki-art.jugem.jp/?eid=2126#gsc.tab=0

    Pat Barker - Literature
    https://literature.britishcouncil.org/writer/pat-barker

    女たちの沈黙 パット・バーカー(著/文) - 早川書房 | 版元ドットコム
    https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784152101983

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「女たちの沈黙」パット・バーカー著 北村みちよ訳|日刊ゲンダイDIGITAL
      https://www.nikkan-gendai.com/a...
      「女たちの沈黙」パット・バーカー著 北村みちよ訳|日刊ゲンダイDIGITAL
      https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/322881
      2023/05/16
  • 日本では戦に負けたら女子供は皆殺しかどこかに一生幽閉されるイメージだったので、戦利品として、女が受け渡される事はなかなか想像しにくかった
    「女には沈黙こそ似つかわしい」
    ただ生きることを選んだばかりに、このような屈辱を味わなければいけないのか
    現実を受け入れることで、自分を最低限守ることはできたが、哀れみしか浮かばない

    戦いは全てむなしいのである。

  • ホメロスのイリアスを女性の視点からの物語として描き直されたのが本作。
    オリジナルのイリアスは未読のため、出来事の展開もしらなかったので、その点でも楽しめた。
    昔は女性には発言権もなく、戦争では戦利品として扱われ、もののように簡単に贈答品として扱われていたという時代背景に、ものを言わないととしても、観察力があり、思考力があったはずの女性の心のありようになんとか迫ってみましたというのが本作。
     21世紀の現在LGBTの社会背景や現在ならではの常識からすると紀元前13世紀の人間の心理に迫ることは難しいと思われるが、そこは小説。正解など決してあるのではないから、いっちょやってみましょうの精神で書かれたと思われる。
     主人公のブリセイスが徐々にアキレウスに惹かれていく様もいいし、アキレウスの人柄もよく描けている。肝心の戦争の場面は本作ではほとんどえがかれない。
    おそらく人の心や気持ちも今よりは重視されていなかったのではないだろうか。オリジナルのイリアスを読むこととしよう。

  • 古典作品の語り直しというのは最近結構見かけますが、これはブリセイスの視点で語り直すトロイア戦争の歴史。

    https://historia-bookreport.hatenablog.jp/entry/2023/02/17/134428

  • 情報無しで読み始めた。登場人物の名前から「あれ?これって神話の…関係あるの?」と思いつつも調べずにそのまま読み進めた。物語の終盤我慢できずにwikipediaで検索。まるで日本の戦国時代を姫視点で描いた大河ドラマのように、物語に奥行きが出て素晴らしい読書体験が出来た。映像化されたら是非観たいし、2021年に刊行された続編も邦訳が出たら読みたい。

  • ギリシャ側の捕虜になりアキレウスの奴隷となったトロイア側のリュニユセソスの王妃クルセイアが語りとなり、『イリアス』をリテイルした小説。高貴な女性は目覚ましい活躍をした者への褒賞品

  • 【選書No】179

  • 女の視点から描いた、ホメロスのイリアス。
    男の勇ましさに隠れている卑しさや浅ましさが女の視点で描かれてる。女たちは黙殺され続け、何を感じて何に抗っていたのか。悲しみと怒りと恐怖。この物語は現代の女性たちにも繋がっている。

  • 2024.1 残酷な描写も多いし、ギリシャ神話はやはり馴染みがなさすぎでした。それにしてもヨーロッパの小説は残虐なシーンが多いこと…

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