回樹

  • 早川書房 (2023年3月23日発売)
3.74
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本 ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784152102256

作品紹介・あらすじ

真実の愛を証明できる存在をめぐる、ありふれた愛の顛末を描く表題作、骨の表面に文字を刻む技術がもたらす特別な想い「骨刻」、人間の死体が腐らない世界のテロリストに関する証言集「不滅」、百年前の映画への鎮魂歌「BTTF葬送」他、書き下し含む全6篇

感想・レビュー・書評

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  • 斜線堂有紀さんの初読み作品は『本の背骨が最後に残る』
    その世界観は凄まじくグイグイ惹き込まれる圧巻の作品でした!


    その後読んだ2作目は『楽園とは探偵の不在なり』
    ま、これは別にいいでしょ
    スルーしておきます


    そして、3作目は本作『回樹』です
    本作は全6篇の短編で、『本の背骨が最後に残る』によく似た世界観ではないでしょうか

    『回樹』
    回樹は死体を喰う樹である
    真実の愛を証明できる「回樹」をめぐる、ありふれた愛の顚末

    『骨刻』
    骨の表面に文字を刻む「骨刻」がもたらした特別な想い

    『BTTF葬送』
    全ての映画には魂があった
    「BTTF葬送」への抵抗の物語

    『不滅』
    人間の死体が腐らない世界で、あるテロリストが達成した「不滅」

    『奈辺』
    奴隷制度下のニューヨーク、白人と黒人と宇宙人の融和は「奈辺」

    『回祭』
    回樹に愛を託した人々は年に一度の「回祭」を催していた


    表題作の『回樹』、それに繋がるは『回祭』はうーん…でしたが、残りの4篇は惹き込まれるものがありました
    『本の背骨が最後に残る』には及ばないものの気に入りました!

    • かなさん
      『恋に至る病』をず~っと読もう読もうと思っています。
      思っているだけで、読めてないんですけどね(;´∀`)
      『恋に至る病』をず~っと読もう読もうと思っています。
      思っているだけで、読めてないんですけどね(;´∀`)
      2025/06/18
    • 1Q84O1さん
      かなさん

      同じくです…^^;
      思ってるだけで、読めてない本が山程あります!w
      かなさん

      同じくです…^^;
      思ってるだけで、読めてない本が山程あります!w
      2025/06/18
    • mihiroさん
      一休さ〜ん(*ˊᗜˋ*)/
      この作品知らなかった〜‪\(ᯅ̈ )/‬
      「本の背骨〜」が良かったので、次「廃遊園地の殺人」ってやつに挑戦したん...
      一休さ〜ん(*ˊᗜˋ*)/
      この作品知らなかった〜‪\(ᯅ̈ )/‬
      「本の背骨〜」が良かったので、次「廃遊園地の殺人」ってやつに挑戦したんですが、なんだか作風違って途中まで読んでほったらかし状態です(^_^;)
      これはなんだか好きな系統っぽいなぁ←︎(・_・┐︎)))チェックシマス♡
      2025/06/20
  • もともとSFが苦手。なので、おそらくストーリーとしてはしっかり練られた短編集なのですが、ちょっとヒヤヒヤします。でもなんだか、ちょっとわかる気がするというか、それがSFなんでしょうね。

  • 初めてのSF作品です。
    食わず嫌いで申し訳ないのですがSFは避けてましたごめんなさい。
    とりあえず斜線堂有紀さんを読み漁ろうとしていまして、「恋に至る病」「星が人を愛すことなかれ」に続き3作目でした。
    ちなみに今回はSFと知らずに手に取ったらSFだった感じです。
    SFは読み慣れていないせいで難しいところも多かったけれどおもしろかったです。
    こんな設定を思いつくなんてすごい、という感想から入りました。

    私、登場人物がカタカナ、舞台が海外、みんな外国人、というのがすごく苦手で(誰が誰かわからなくなっちゃうんですすみません)。
    「奈辺」は1行目に出てきた1741年のニューヨークで挫折しそうになりました、しかも案の定(?)誰が誰かわからなくなりまくって行ったり戻ったりしながら読みました。
    でも本当におもしろかった、おすすめしたいです。

    とりあえず冒頭の「回樹」最後の「回祭」が好きです。

  • 斜線堂有紀氏の作品3冊目。SF作品集ということで、6篇の短編からなっている。テーマとして死と生、それと愛が共通するが、以前読んだ2作品に通じるような斜線堂有紀独特の発想と世界観を感じられた。

    「回樹」と「回祭」は続き物となっていて、死体を取り込むことで愛を証明する「回樹」の存在が印象に残る。この2作品と死体が腐らなくなった世界を描く「不滅」では、死が生き残った者へ与える影響や死者の弔い方を考えさせられた。

    「奈辺」が歴史✕SFという感じの設定である意味一番強烈だった。黒人と白人の肌の色で人間同士差別するなんて、緑色の肌の宇宙人が絡んだらもうどうでもいいじゃん、って思う。でも簡単に人間同士の諍いや差別がなくなるわけでもなく、かといって嫌な読後感ではないところがよかった。

  • 見たことも聞いたこともない、目が覚めるような、もしもワールド! どの世界も、御免被りたい凄さ! でも、そこに生きる登場人物たちの愛憎や生き様は、そういう世界じゃなかったらこんなにやりきれなくないのか?というと、私には分かりません。

  • 【収録作品】回樹/骨刻/BTTF葬送/不滅/奈辺/回祭 

    生きること、埋葬すること、死者への思いに一石を投じる問題作、と言えるのではないか。

    誰かと語り合いたくなる話だった。

  • 設定は独特だけど、この感情はわかる、そんな話のオンパレード。
    はじめて出会ったワールド、うん、面白かったです(^^)。

    〜帯より〜
    「誰も思いつけないアイデアと、誰でも思いあたる感情の全6篇」

  • SF作品集。どれも設定とストーリーが面白かった。ネーミングセンスも好きです。千見寺初露と尋常寺律、そして千鶏。そもそも斜線堂有紀というペンネームからして最高。設定は非現実的だけど、その設定を十二分に活かして微妙な感情の襞をしっかり描いている。

  • サイエンスだけではないフィクションだと思う。(ダーク)ファンタジーでもないし。ずれている、狂っている、異相フィクション?ミステリーかというとそことも違うような。あ!あと、装画がアクタージュの宇佐崎しろで、それも良かった!アクタージュ面白かったのにな~。あそこで終わりで、もう多分埋もれちゃうよね。もったいない…。
    さて、気を取り直して、この本は短編集で、回樹は「新しい世界を生きるための14のSF」で読んでいました。でも、回祭という別のお話もありました。
    「回樹」は死体を飲み込む不思議な植物のようなものが現れた世界。焼けません、切れません。そして死体を飲まれると遺族は…。
    「骨刻」骨に文字を刻める技術。レントゲンでしか確認できないそれをどう使う?愛の言葉?遺言?名札?宗教?
    「BTTF葬送」昔の名画が上映されている映画館でなにやら不思議な会話。上映を妨げる人物。さあ、この世界はなぜ名画上映に特別な意味があるのか?
    「不滅」永遠に変わらなくなる物が出現する世界で、それが不滅なために問題おこって、考え方の違いからある構造物を壊す一人の男。男がそこを壊そうとした驚愕の理由。「奈辺」黒人が奴隷で、蔑んで良い存在であることが当たり前の時代のアメリカのとある酒場に起こった奇跡。
    「回祭」回樹に飲ませた遺体と私の複雑な主従関係。
    捻れた恋愛アリで、中学校以上。

  • 冒頭の「回樹」と最後の「回祭」は連作になっている。それぞれ単独でも面白い話だが、続き物として読むとより楽しい。最後はうるっときた。人種問題に地球外からの来訪者を絡めた「奈辺」も良作。

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著者プロフィール

2016年、『キネマ探偵カレイドミステリー』で第23回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞を受賞してデビュー。楽園とは探偵の不在なり』『恋に至る病』『コールミー・バイ・ノーネーム』ほか著書多数。

「2023年 『百合小説コレクション wiz』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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