- 本 ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152102287
作品紹介・あらすじ
企業・政府・市民。かつてその均衡は保たれていたが、近年、企業は株価を上げることに苦心し、損失を税金による救済で賄うようになった。なぜこのような資本主義の負の側面が露呈したのか。そして新たな経済を構想することは可能か。理想的な社会契約論を描く
感想・レビュー・書評
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株主資本主義の最も愚かで最も生産性の低い自社株買いという悪弊に対して、労働者に株式ベースの報酬を渡すことが部分的な解毒剤になる。著者の株主資本主義への嫌悪感が滲む。
確かに、事例紹介される株価ではなく公益貢献を目指すベネフィットコーポレーションを軸とするパタゴニアのケースは素晴らしい。しかし、それをビジネスモデルとして模倣?する中国企業にはどのような感情を持つべきか。「地球に優しい」は、儲かる。この話は、偽善者であっても行動した事を正義とするか、という議論に通ずる。行動こそ正義、確かにそうなのかも知れない。
国の構図について。中国では市民は国に自由を手渡すことで代わりに成長と連帯感を得ている。サウジアラビアでは国民の約半数に毎月現金を支給している。カタールでは国が水道、電気、電話回線を無料で提供する。アラブ首長国連邦とクウェートでは結婚したカップルに無料の土地と無利子の住宅ローンを提供する。この一帯では医療や教育も無料が当たり前。国民が所得税を払うこともほぼない。湾岸諸国では絶対的権力とこれらを相殺している。
安穏に暮らせるなら、独裁に身を任せる事も許されるのか、これも先の偽善論に通ずる。浅薄な正義マンは常に無力で、時に勘違い野郎。対象が幸せならばそれで良いのではないか。考えさせられる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
東2法経図・6F開架:335.25A/R73k//K
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