- 本 ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152102386
作品紹介・あらすじ
臨死体験後、キヴォーキアン医師の力を借りて死者と会話ができるようになったわたしヴォネガットは、アシモフやヒトラー、シェイクスピアらに対しインタビューをこころみた――著者による死者への架空インタビュー集。ヴォネガット「への」インタビューも併録
感想・レビュー・書評
-
「わたしはあなたと物の感じかたも考えかたもおなじだ。たとえおおぜいの人は知らん顔でも、あなたが大切に思っていることを、わたしは大切に思っている。あなたはひとりではない」これは、小説を、物語を読む動機の一つだと思う。自分みたいな考えや感じかたを持つ他人が、何を感じ、どう生きているのかに興味がある。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
前半は、この世にいない方々へのインタビュー集があり、後半は、カート・ヴォネガットさんとリー・ストリンガーさんとの対談が掲載されている。
私は、対談を書籍にしたものはあえて読まないようにしてきた。なぜかだろう?読みにくいと感じたことがあったり、対談であればライブで聴くべきものだと思っているからかもしれない。そんな私の思い込みを一掃するのにふさわしい対談であった。
リー・ストリンガーさんの作品である『グランドセントラル駅・冬』と、カート・ヴォネガットさんの作品『タイムクエイク』の一部朗読があり、作家同志の書くことについての考察や、対象物との距離感についてなど、聴くことができる(実際は読むことなのだが対談なので)。リー・ストリンガーさんのコメントは、人間に対する深い愛情と優しさに満ちたもので、どんな人(たとえ悪人であっても)でも、共感を測るために、澄んだ心の眼差しで洞察していることが伝わってくる。出会えてよかった一冊。 -
偶然の臨死体験から死者との対話というモチーフを生み出したヴォネガットが死者20名へ架空のインタビューを行う。ユーモア満載の作品。併せて、ホームレス出身作家のリー・ストリンガーとの対談も収録。
-
ヒトラーの墓碑銘が『さようなら、いままで魚をありがとう』でマーヴィンが求めた真実のよう
-
死者にインタビューするってのが発明ですね。
乳癌の早期発見に貢献するマンモグラフィの有効性を説いたフィリップストラックスの詩がとても良かった。
道具を錆びつかせるより
愛と肉欲に惑わされるがまし
後半のリーストリンガーとの対談も良かった。 -
SFカテゴリなのかは不明ですが笑、読みました!
あとがきに書いてあるように、前編の『キヴォーキアン先生、あなたに神のお恵みを』の方は、ラジオの隙間時間の企画で、ヴォネガットの肉声がいくつかは聞ける。
https://www.wnyc.org/story/145376-kurt-vonnegut-reporter-on-the-afterlife/
アシモフなどは残っていないようで残念。訳文も良かったが、ラジオの音声はよりニュースレポート感が強いので、そちらも楽しめた。実在の人物のうち知らない人ももちろんいたが、どれもこれもヴォネガットらしい皮肉が効いたショートレポートで面白かったな。。シェイクスピアとかアシモフ、それからメアリー・シェリーなど有名どころは鉄板で面白かった。ヒトラーのは、これ発表して各方面から苦情めちゃきただろうな?という心配が先に立った
後編の対談もまったく毛色が違って面白かった。リ-ストリンガーの『グランドセントラル・冬』読みたい。二人のスタンス、発言にしみじみうなずいてしまった。ゆっくり咀嚼したいような気持に。
「…音楽はわたしたちが経験できる中で、最も快楽的で、最も魔法に近い」というヴォネガットの発言、最近想っていたことなのでドキッとした
著者プロフィール
カート・ヴォネガットの作品





