- 早川書房 (2023年11月21日発売)
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感想 : 46件
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784152102850
作品紹介・あらすじ
人類が地球を脱し数百年。月に住む編集者キャサリンは、"人類すべてへの贈り物となる本"を作ることに。最果ての星で"神様"が起こした奇跡を描く「守護天使」、少女が疎開先で異星人と出会う「星から来た魔女」など、宇宙に伝わるクリスマスの民話を集める
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
宇宙を舞台にしたこの物語は、愛に満ちた贈り物としての本を作る編集者キャサリンの旅を描いています。彼女はクリスマスにまつわる宇宙の民話を集め、さまざまなキャラクターが織り成す連作短編集を通じて、温かく優...
感想・レビュー・書評
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月に住むネコビトの編集者のキャサリンは
『愛に満ちた、人類すべての贈り物になる本』を作ることになります。
そして宇宙で語り伝えられているクリスマスの物語集を作ります。
各お話を巡る連作短編集です。
この物語は作者あとがきによると、
ずっと以前、ある司書さんと交わした約束ー
「いつかきっと、図書館が登場するお話を書きます」をついに実現させたお話でもあるそうです。
小説家を目指す青年涼介がタイムスリップする話。
ケンタッキーフライドチキンの付喪神とロボットの少年のお話。
司書の琴子の祖母が魔女と友だちになる話。
他、とても優しいタッチのSFばかりです。
「もし宇宙船で星の海を旅していても、本があればひとりじゃない」
「眠る子どもの枕辺に、そっと贈り物を届けるのは、不思議な存在ではない。その子を愛する誰かです」
「宇宙には、優しいお伽話が満ちている」
本を愛する人たちの話が宇宙規模で語られている壮大なファンタジーでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
猫愛が満載だし、魔法も随所にちりばめられていて、村山さんらしさが溢れるSF小説だった。
太陽光採光システムから小説のヒントを得られるとは!普段素通りしてしまうようなことからも、物語を生み出す事が出来るなんて、やっぱり感性が違うんだなぁ。
姿形がなくなっても、魂はどこかで生き続けるのかなと思わせてくれる、温かな物語だった。
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かっこよくて可愛いSF。個は滅びても、ずっと後の世に伝わっていくこともあると信じることができた。
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初めて読む作家の作品。2024年第45回日本SF大賞エントリーでは6票を得た。この得票数は全体の4位であり、これはとても人気のある作品である証拠でもある。残念ながら審査員による本選で最終候補作とはならなかったが、村山早紀はSF界に十分にインパクトを与えた作家となった。しかし、どうして急にSF界に現れたのか、新星いや超新星のごとく姿を現したのか。その辺について若干触れてみたい。
村山早紀は児童文学作家であるが、最近では読者の対象は児童から一般向けの作品へのシフトが進んでいる。また、これまでに様々な賞を受賞しており、最近では本屋大賞にもノミネートされ入賞している。そして作者とSFとの関係については不明だったが、今回、早川書房のインタビュー記事や本書のあとがきでSFとの関わり合いが明らかとなった。作者は少女時代に星新一、光瀬龍、眉村卓、筒井康隆に親しんでおり、SF関連の少女漫画やアニメにも触れていた。そして最近X(旧Twitter)で、昔の翻訳SFみたいな作品を書きたい旨を投稿したところ、それがSFマガジンの編集長に伝わり、SFマガジンへの連載と繋がった訳である。本作品はクリスマスがテーマであることから、連載をまとめた本書はタイミングよく一昨年の11月に出版された。この様にトントン拍子で話が進み、SF界への華やかなデビューとなった。
さて作品の内容について。全体的にはSFファンタジーのカテゴリーに入るものの、作品の背景には光瀬龍の宇宙年代記シリーズ、眉村卓の司政官シリーズが見え隠れする。とても懐かしい雰囲気に心温まる。小学生にも読み易い文体を取っており、登場人物が擬人化(ネコビト・イヌビト・トリビト)されているので人間的な嫌な面に向き合うこともなく、終始心乱されずに読み進めることができた。編纂した物語本体部分が特殊なフォントで書かれている。字体がやや横に伸びているので、縦書きでとても読み易いフォントである。多分有名なフォントであると思うが、どなたかフォント名を教えて欲しい。
さて次は何を読むか?SF小説は今回初めてなので、当然他の作品は一般書となる。噂によると、各作品には必ず猫が出てくるらしいので、その点は安心して読めるかもしれない。ちなみに、これまで出版された「街角ファンタジア」と「風の港 再会の空」は既に手元にあり、今後出版予定の「みまもりねこ」及び「桜風堂夢ものがたり (PHP文芸文庫)」は入手予定である。ああ、また注目作家が増えてしまった。どうしよう。 -
優しく切なく、ロマンティックなSF譚。
遥か未来、最早住めなくなった地球を人類は離れ、宇宙の様々な星々に移り住む。
人類と共に宇宙へ旅だった犬や猫たちも進化の過程で新しい人類、イヌビト、ネコビトとなる。
月面都市、新東京で文芸の編集長をつとめるネコビトのキャサリンは、クリスマスの物語を集めた本を作ることになる。
その本に収録されることになる物語たちも、聞き手であるキャサリンたちを通じて味わうことができる。
どの物語も好きなのだが、魔法の船というお話が一番好きかも。
どの話もどこか懐かしさを感じて素敵。 -
遠い未来、地球に人が住めなくなってしまってしまい、人々は月や宇宙ステーションに移住する。
そこは人類だけではなく、ネコビトやイヌビト、トリビトなど、多種多様な人種が暮らしていた。そこで紡がれる、全ての人たちに贈る物語は…
優しい美しい話だとは思うが、設定が、説明が多いわりに頭に入ってきづらく、また説明が多い分、物語の世界にも、のめり込みづらい。
雰囲気は伝わるのだが、結局何が言いたかったのかなぁ…という消化不良感が残った。 -
Amazonの紹介より
人類が地球を脱し数百年。月に住む編集者キャサリンは、"人類すべてへの贈り物となる本"を作ることに。最果ての星で"神様"が起こした奇跡を描く「守護天使」、少女が疎開先で異星人と出会う「星から来た魔女」など、宇宙に伝わるクリスマスの民話を集める。
優しい温かみのあるSFファンタジーでしたが、物語の主人公達は、なかなかの過酷な運命を辿っていたことにちょっと衝撃でした。クリスマスをテーマにした話を集めるということで、4つの話が盛り込まれています。
また、現在パートでは、あらゆる「人」が描かれていて、もしかして未来でもそうなるのでは?と勝手に想像しながらも、新しい解釈が面白かったです。
自分の印象では、クリスマスの話というと、華やかで楽しい話を想像していたのですが、見事に裏切られました。
たしかに読了後には優しい気持ちになりましたが、途中途中は大恐慌や戦争といった負の要素が満載で、気持ちとして悲しく辛かったです。
ただ、様々な「奇跡」を垣間見ましたが、色んな「愛」が溢れていました。
一人だけではなかなか生きていけません。人間に限らず、あらゆる「人」との繋がりのありがたさに感慨深く感じました。
小説内では、地球が住めなくなり、月に移住します。そして人間だけでなく、犬や猫といった擬人化?といったあらゆる人類の描写があります。
未来はどうなっていくのか?戦争のない未来・「みんな」が共存できる未来を望みたいです。そして、話を受け継ぐことで、感動や教訓など、より良い未来を築いてほしいと切に願いたいです。 -
362ページ
1700円
9月20日〜9月26日
地球のはるか未来の話として描かれていたが、いつかこんな未来が本当に来るかもしれないと思った。話の中の本が、実際読んているこの本なのかと思うと感慨深かった。いろんな設定や説明が多すぎて、読むのが疲れてしまった。クリスマスの話はおもしろかった。 -
地球から月へ移住した者達がクリスマス民話を集め綴る物語。切なくも優しい物語に心を振るわされ、この本を私も誰かにプレゼントしたい、と思いながら読んでいた、途中までは。
突然、この本は私へのプレゼントではないか、と震えた。何って、長年風早の街に住みたい、村山先生の世界に入りたいと想い焦がれてた私が、この世界に居てる……!私の名前が綴られてるのを見てこの本が更に大切な本になった。サイン会に行って先生にお礼が言いたいくらい嬉しくて、思いがけないプレゼントを貰った。この感動をお裾分けしたいからブックサンタしよ。
にしても、出てくる人達みーーーーっんな大好き!読んでてホッとして心洗われる。魔法使いかと思われるお婆ちゃんが特に大好きすぎて。もう優しすぎて泣く好き。
作中で告げられる「いないと言い切るのは寂しい」っていうのすごく分かる。魔法、優しいお化け、付喪神、そして月で宇宙で生きる者達、いたら良いのにな、と願う気持ちを肯定されたようで嬉しかった。 -
守護天使 ☆守護天使/虹色の翼 ☆魔法の船/
White Christmas ☆White Christmas/
星から来た魔女 ☆ある魔女の物語/
さやかに星はきらめき ☆幽霊船/あとがき
ずーっと先の時間にある世界。月に暮らすものたちのところにも 本 があって、編集者もいる。その世界と物語に惹かれて読む本は心を優しくしてくれる -
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SFっぽいファンタジー
地球が滅びた何年もあと、人と共に月に暮らすネコビトやイヌビト、トリビトたちが、長く読みつがれるクリスマスにちなんだ物語の本を編集していく。
いいお話だったけれど、いまいち物語の世界に入り込めなかったのが残念。 -
荒廃した地球に見切りをつけ、月へと移住した人類。そこでは猫から進化したネコビト、犬から進化したイヌビト、恐竜の末裔であるトリビトが、人類の仲間として共存している。
ネコビトの1人であるキャサリンは書籍の編集者で、新聞社の三百周年記念事業としてクリスマスにまつわる物語を集めた本を製作中だ。4章それぞれに、収録される作品が掲載されているのだが……。
んー、ほぼ同世代の村山さんが、「昔のSFみたいな作品を書きたい」と呟いたことから始まった本だそうだが、少々期待外れだった。設定こそSF的だが、中身はいつもと変わらないFT&人情噺だ。舞台が月面というだけで、人々の暮らしは現在と何ら変わらない。今でさえ出版危機が叫ばれているというのに、「四六判のハードカバー」だの「活字」だのが生き残れるのか? むしろその設定に違和感を覚えてしまった。 -
村山早紀さんのSF!!
絶対クリスマスの時期に読むと決めていた。
寝かせておいて本当によかった。
地球には住めなくなっている設定で、ネコビト、イヌビトと月面都市、宇宙に住んでいるはるか未来。
月面都市に図書館があったよ〜〜泣いてしまう。
そして私はやっぱり、村山早紀さんの魔女が大好きなのでした。この作品にも魔女を出してくれて本当にうれしい。 -
現代が話の舞台ではなく遥か未来。地球自体は荒廃し人間は住めなくなり月へ(もしくは太陽系外へ)住みはじめて数世紀経った世界観。読んでいて思ったのはスターオーシャンが比較的近い世界観だった連合組織の銀河連邦があるし想像しやすかった。
ストーリーがクリスマスに纏わるおとぎ話を集めて一冊の本に仕上げる話でそのおとぎ話が短編集みたいにある感じです。個人的に2つ3つ目の話がすごく好みだった。
クリスマス=サンタの話にするのかと思いきやあまりそっち方向には行かないで年の瀬の切ない話を荒廃した世界観と合わせたりもしてくるので尚更胸にぐっとくる展開が多かった。
本を通して色々な人生や知識・生きた証を未来に残していくそれに力を尽くすそういった人達の活躍を見れたのは感慨深いものがあり読書好きで良かったと思えた作品でした。 -
あったかい優しいSFファンタジー。
猫が好きな方はぜひ読んでほしいなあ…キャサリンの可愛さ愛おしさに何だか涙が出てしまうところが何度かありました。読み終えたあと、心があったかい優しい気持ちになれるのがよかったです。
星を渡って、時を超えて、どうかこのすてきな本がこれから先ずっと誰かの手に渡りますように。 -
人類は地球から旅立ち、月をはじめとするさまざまな星で暮らしていた。かつてのネコから進化したネコビトであるキャサリンは、編集者としてクリスマスに関するお話を集めていた……
村山さんの物語は、いつも優しい。言葉が優しいし、内容も優しく涙が出るほどあたたかい。今回はSFであり、ファンタジー。地球に人が住めなくなり……という前提のSF作品はわりと多いと思うが、キャサリンの思いのせいだろうか、読んでいてすごく、地球というもう住めないかつての故郷への郷愁を感じて悲しかった。フィクションと思えない、いつかそうなるんだと思ってしまうからかもしれない。トリビトの起源をよんで、ちょっと大長編ドラえもんを思い出した。トリビトの設定が面白くて不思議でいいなと思った。
作中作がいくつも出てくる。すべてが優しい。ちょっと日本に偏りすぎている気もするけど、それは一興ということで。
すべての生き物に愛を。すべての物語に愛を。そんな思いを感じた。
好きな外国の本に、グリムやアンデルセンだけでなく、ラングが出てくる所が良いなー。 -
クリスマスの物語を集めた本を作ろうとする、今より遠い未来の月に住む、猫から進化した「ネコビト」が主人公のSF物語。
大筋の話の中に登場人物が語る話が短編集のような扱いになっていて、いろいろな話が楽しめておトク感がある。
SFなのに、どこかノスタルジックで、全体の雰囲気がとても優しい。中でも「星からきた魔女」はSFであり、ファンタジーであり、日本の歴史も垣間見えて余韻が続く。
本の装丁も可愛いし、クリスマスのプレゼントにもピッタリな一冊
著者プロフィール
村山早紀の作品
