さやかに星はきらめき

  • 早川書房
3.56
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本棚登録 : 702
感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152102850

作品紹介・あらすじ

人類が地球を脱し数百年。月に住む編集者キャサリンは、"人類すべてへの贈り物となる本"を作ることに。最果ての星で"神様"が起こした奇跡を描く「守護天使」、少女が疎開先で異星人と出会う「星から来た魔女」など、宇宙に伝わるクリスマスの民話を集める

感想・レビュー・書評

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  • 月に住むネコビトの編集者のキャサリンは
    『愛に満ちた、人類すべての贈り物になる本』を作ることになります。

    そして宇宙で語り伝えられているクリスマスの物語集を作ります。
    各お話を巡る連作短編集です。

    この物語は作者あとがきによると、
    ずっと以前、ある司書さんと交わした約束ー
    「いつかきっと、図書館が登場するお話を書きます」をついに実現させたお話でもあるそうです。



    小説家を目指す青年涼介がタイムスリップする話。

    ケンタッキーフライドチキンの付喪神とロボットの少年のお話。

    司書の琴子の祖母が魔女と友だちになる話。

    他、とても優しいタッチのSFばかりです。

    「もし宇宙船で星の海を旅していても、本があればひとりじゃない」

    「眠る子どもの枕辺に、そっと贈り物を届けるのは、不思議な存在ではない。その子を愛する誰かです」

    「宇宙には、優しいお伽話が満ちている」

    本を愛する人たちの話が宇宙規模で語られている壮大なファンタジーでした。

  • 猫愛が満載だし、魔法も随所にちりばめられていて、村山さんらしさが溢れるSF小説だった。
    太陽光採光システムから小説のヒントを得られるとは!普段素通りしてしまうようなことからも、物語を生み出す事が出来るなんて、やっぱり感性が違うんだなぁ。
    姿形がなくなっても、魂はどこかで生き続けるのかなと思わせてくれる、温かな物語だった。

  • かっこよくて可愛いSF。個は滅びても、ずっと後の世に伝わっていくこともあると信じることができた。

  • 遠い未来、地球に人が住めなくなってしまってしまい、人々は月や宇宙ステーションに移住する。
    そこは人類だけではなく、ネコビトやイヌビト、トリビトなど、多種多様な人種が暮らしていた。そこで紡がれる、全ての人たちに贈る物語は…
    優しい美しい話だとは思うが、設定が、説明が多いわりに頭に入ってきづらく、また説明が多い分、物語の世界にも、のめり込みづらい。
    雰囲気は伝わるのだが、結局何が言いたかったのかなぁ…という消化不良感が残った。

  • Amazonの紹介より
    人類が地球を脱し数百年。月に住む編集者キャサリンは、"人類すべてへの贈り物となる本"を作ることに。最果ての星で"神様"が起こした奇跡を描く「守護天使」、少女が疎開先で異星人と出会う「星から来た魔女」など、宇宙に伝わるクリスマスの民話を集める。



    優しい温かみのあるSFファンタジーでしたが、物語の主人公達は、なかなかの過酷な運命を辿っていたことにちょっと衝撃でした。クリスマスをテーマにした話を集めるということで、4つの話が盛り込まれています。
    また、現在パートでは、あらゆる「人」が描かれていて、もしかして未来でもそうなるのでは?と勝手に想像しながらも、新しい解釈が面白かったです。

    自分の印象では、クリスマスの話というと、華やかで楽しい話を想像していたのですが、見事に裏切られました。
    たしかに読了後には優しい気持ちになりましたが、途中途中は大恐慌や戦争といった負の要素が満載で、気持ちとして悲しく辛かったです。

    ただ、様々な「奇跡」を垣間見ましたが、色んな「愛」が溢れていました。
    一人だけではなかなか生きていけません。人間に限らず、あらゆる「人」との繋がりのありがたさに感慨深く感じました。

    小説内では、地球が住めなくなり、月に移住します。そして人間だけでなく、犬や猫といった擬人化?といったあらゆる人類の描写があります。

    未来はどうなっていくのか?戦争のない未来・「みんな」が共存できる未来を望みたいです。そして、話を受け継ぐことで、感動や教訓など、より良い未来を築いてほしいと切に願いたいです。

  • 362ページ
    1700円
    9月20日〜9月26日

    地球のはるか未来の話として描かれていたが、いつかこんな未来が本当に来るかもしれないと思った。話の中の本が、実際読んているこの本なのかと思うと感慨深かった。いろんな設定や説明が多すぎて、読むのが疲れてしまった。クリスマスの話はおもしろかった。

  • 地球から月へ移住した者達がクリスマス民話を集め綴る物語。切なくも優しい物語に心を振るわされ、この本を私も誰かにプレゼントしたい、と思いながら読んでいた、途中までは。
    突然、この本は私へのプレゼントではないか、と震えた。何って、長年風早の街に住みたい、村山先生の世界に入りたいと想い焦がれてた私が、この世界に居てる……!私の名前が綴られてるのを見てこの本が更に大切な本になった。サイン会に行って先生にお礼が言いたいくらい嬉しくて、思いがけないプレゼントを貰った。この感動をお裾分けしたいからブックサンタしよ。
    にしても、出てくる人達みーーーーっんな大好き!読んでてホッとして心洗われる。魔法使いかと思われるお婆ちゃんが特に大好きすぎて。もう優しすぎて泣く好き。
    作中で告げられる「いないと言い切るのは寂しい」っていうのすごく分かる。魔法、優しいお化け、付喪神、そして月で宇宙で生きる者達、いたら良いのにな、と願う気持ちを肯定されたようで嬉しかった。

  • 守護天使 ☆守護天使/虹色の翼 ☆魔法の船/
    White Christmas ☆White Christmas/
    星から来た魔女 ☆ある魔女の物語/
    さやかに星はきらめき ☆幽霊船/あとがき

    ずーっと先の時間にある世界。月に暮らすものたちのところにも 本 があって、編集者もいる。その世界と物語に惹かれて読む本は心を優しくしてくれる

  • SFっぽいファンタジー
    地球が滅びた何年もあと、人と共に月に暮らすネコビトやイヌビト、トリビトたちが、長く読みつがれるクリスマスにちなんだ物語の本を編集していく。
    いいお話だったけれど、いまいち物語の世界に入り込めなかったのが残念。

  • なんと暖かくて優しい物語だろう。

    こちらの作者さんの本は別でも読んだことがあるのだけど、前読んだ本(数年前でタイトル失念)も優しくて素敵なお話だった。

    今回は遠い未来の世界に住む人(人間だけではなくネコビト、イヌビトなど)のお話。主人公であるネコビトのキャサリンは編集者として働いている。仕事でクリスマスの素敵なお話をまとめた本を作ることになり、いろいろな話を集めていく。様々なお話があるけど、どれもクリスマスにぴったりでなんだか心が温かくなる。

    個人的には、地球に残されたロボットと付喪神のお話が好きかな。

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著者プロフィール

1963年長崎県生まれ。『ちいさいえりちゃん』で毎日童話新人賞最優秀賞、第4回椋鳩十児童文学賞を受賞。著書に『シェーラ姫の冒険』(童心社)、『コンビニたそがれ堂』『百貨の魔法』(以上、ポプラ社)、『アカネヒメ物語』『花咲家の人々』『竜宮ホテル』(以上、徳間書店)、『桜風堂ものがたり』『星をつなぐ手』『かなりや荘浪漫』(以上、PHP研究所)、げみ氏との共著に『春の旅人』『トロイメライ』(以上、立東舎)、エッセイ『心にいつも猫をかかえて』(エクスナレッジ)などがある。

「2022年 『魔女たちは眠りを守る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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