ホライズン・ゲート 事象の狩人

  • 早川書房 (2023年12月20日発売)
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本 ・本 (200ページ) / ISBN・EAN: 9784152102973

作品紹介・あらすじ

超巨大ブラックホール〈ダーク・エイジ〉にあるという、別の宇宙に繋がる〈【門/ゲート】〉。その手がかりを求め、意識から分断された右脳に狩猟の神を宿すヒルギス人の少女シンイーと、前後に分離した脳で時間を見通すパメラ人の少年イオは事象の地平面へ……

感想・レビュー・書評

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  •  第十一回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作である。短い作品だがアイデアがてんこ盛りで、凝った設定となっている。ガール・ミーツ・ボーイがあり、取っつきにくい作品ではない。

     大昔の超文明によって人工的に作られたと思われる超巨大ブラックホールの調査がおこなわれている。特別な装備でブラックホールへと降下する役目の少年イオは、過去・現在・未来を見通す前後に分かれた脳を持つパメラ人である。この特殊な能力と彼の主観が、この作品の重要なポイントだ。

     主人公の少女シンイーは、イオとコンビを組む惑星カントアイネ出身のスゴ腕の狙撃手。彼女の標的は、イオの活動の妨げになるネズミと呼ばれる存在(ブラックホール近傍にあらわれる幽霊みたいなもの)である。ネズミが発生する理由というか謎が最後のほうで重要な意味をもってくるのだ。

     過去のシーンは詩的に表現されているし、ラストはきれいに纏まっている。

  • もう本当に良かった!

    宇宙SF+ガールミーツボーイ。天才的な射手のシンイーと未来が視えるイオが、ブラックホールを調査するために2人で宇宙へ旅立つ。

    地球とはもちろん、シンイーとイオですら、いる場所で時間の流れが違って、そのやるせなさが伝わってつらいながらも、こういうのがSFの面白さの1つ。
    ロマンスとしてもすごく良かった。ラストでのイオの「最初の日に、僕はちゃんと言ったはずだよ?」に胸が熱くなるし、イオが視る世界が本当に気になる。今度は追いこしすぎてしまわなければいい。
    難しいしれないけど続編下さい。

  • 狙撃手という設定から派手なアクションを想像していたが、割と淡々とした話で肩透かしを食った。選評で指摘されたように「過去と現在が不用意に混在する前半の構成が残念」(塩澤快浩)だし、「何のために何をやっているのかが終始わかりづらい」(小川一水)のが難点で、あまり入り込めなかった。

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