本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
本 ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784152103178
作品紹介・あらすじ
航空機の座席の後ろのスペースは誰のもの? Kindleで購入した本は本当にあなたのものか? デジタル資産など所有の概念が拡大する今、モノを持つことの本質を問う。法学者コンビが所有を決める根拠を明かし、また所有をめぐる争いから生まれた新たなビジネスを解説。
感想・レビュー・書評
-
喫茶店でよく本を置いて席を取る。
それで席が取れるという共通理解はどこから来ているのか?
普段は意識しないが、我々の生活は所有権に常に影響を受けている。
所有権にまつわる暗黙のルールと、その歴史的変化について紹介・深掘りする本。
テーマは面白いが、半分くらい読んだところで飽きてしまい、飛ばし読みになった。
海外著作あるあるだと思うのだが、「どこそこの何某が…」という具体例がひたすら続く印象。
一つ一つの例は面白いものも多いのだが、そもそも文章が冗長なのと、論理の展開が曖昧で具体例だけが続くので、読んでいて話が積み上がっていく感じがしなかった。
[事例]
リクライニングを倒すには後ろの人の許可がいる?
ホームランボールは最初に掴んだ人のもの?最後に持っていた人のもの?
著作権の保護が活発な創作活動を支えているというが、実質的に著作権がないファッション業界、コメディアン業界、スポーツ(監督業)業界で新たなものが生まれていないか?というとそんなことはない。
→著作権がある意味って?
グリッドロック→著作権が小分けされすぎることにより生じる弊害。
希少資源の所有者は自分たちに都合のいいように所有権のルールをデザインする。そしてそれは「薪の束」から「小枝」を手渡される方向に向かっている。(Kindleなどが好例)
世界の見方としては面白いと思った。
【メタ気づき】
・自分が読んでる時に楽しいと感じない(義務感が出てくる)本から気づきが得られたことはあまり無い詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
250108*読了
本好きな義父の友人が義父に貸した本を、義父から借りて読んだ。
(この貸し借りができるのも紙の本である利点で、まさにこの本でも語られていること)
さまざまな所有について深掘りされ、解説されている本で、この本を読むことで身近な所有に目を向けて、「これもまた所有か」と考えるようになった。
たとえばうちの会社はフリーアドレスなので、デスクが決まっていない。にもかかわらず、自分がいつも座るお気に入りの場所があり、そこに別の人が座っていると不快に感じてしまう。
カフェでの席確保や満員電車での座席争いも所有のひとつ。
お金を払って得たダウンロードコンテンツが突然消されてしまっても、削除の権利は提供していた企業側にあるというのも、普段は気にもとめていないことだけれど言われてみれば怖いし困る。
特に私はスマホの写真をGoogleのクラウドで保存していて、半永久的に大量の写真を保持できていると信じていたわけだけれど、これだってGoogle側が操作一つで削除してしまうことができるわけだ。
とはいえ、何万枚もの写真をプリントして置いておくわけにもいかない。
本書では身近な所有に限らず、財産の相続や環境問題についても取り上げているし、今となっては当たり前のように感じるシェアリングエコノミーについても語られている。
この本には記載がないけれど、今だと権利の所有で言えばNFTも主流になりつつある。
所有についての問題、考え方の変化はこの先も起こり続けるだろう。
今まで持ってこなかった視点を与えてくれた、わたしに所有させてくれたという意味でこの本に感謝している。 -
「所有ということについて大方の人が持っている知識の大半は誤りである」。序章の記載に驚いた。
これは自分が持っている、これは他人のもの。そんな区別は自明に思えるがそうではないと。
所有は社会の規範や価値観によって変化するという。自分が疑問なく思い込んでいるのは、単に今の世の中にドップリ浸っているだけだからかもしれない。
そのため所有するものがデータ化したり、共有が進んだり、著作権やアイデアのような形の無いものであればたちまち揺らいでしまう。
争いが起きないように所有のルールを法令で定めたとすると、しばしば大企業に都合のよいルールになったり、裕福な人に有利なように規定されたりする。それは声を上げる手段がない人、気がつくことすらできない人が犠牲になっていることでもある。
自明と思えたが少し見方が変った。視野が広がるのはありがいことだ。 -
所有と言う、すごく簡単そうで間違えるわけないと思ってしますが、実例を交えてそんな簡単じゃないことを紹介している。
所有の根拠として持ち出される6つの格言か、紹介されているが、それぞれ実際はそうではないことを紹介している。
1早い者勝ち
2 専有は9分の勝ち
3自分がまいた種は自分で収穫する。
4私の家は私の城
5私の体は私のもの
6家族のものだから、私のもの
気に入った言葉、
企業は所有権を自分たちの都合をよく設計することができる。これは企業が持ち合わせている能力のうち、歌唱評価されているものの、1つ
法律は誰が主張しているのかだけでなく、何に対して視聴しているかも問題にする
どちらか訴えを起こしたのかは常に注目する価値がある。このような基礎を起こす人は大にして社会の基準から逸脱している。人生は短い無駄にしない方が良い。
何に価値を見出すかは人によって様々だ。遅いもの勝ちはお金に報いることが多い。正確に言えば、他人の時間にお金を出す用意がある人に優位になる。
自分のまいた種は自分で収穫すると言う所有権の主張は、知的労働には当てはまらない
司法は、所有権の設計について介入に気乗り薄である -
新しい視点。斬新。
それでいて、日常馴染みのあるテーマ。
これが本になるとは、、、
タイトル Mine! では日本人にはなんのこっちゃか、だ。
読み終えたうえでタイトルを考えれば、、、
わーたーしーのー
かな。
子供がおもちゃの取り合いのときに主張する言葉。
なぜか女の子になっているが、、
そう、この本は、「自分のもの」という概念が危ういことを教えてくれる。
そのルールを決めるのは誰か。
自分たちに都合の良いルールを押し付けられて、損をしている人たちがいないか。
いるのだ。
インディアンの土地に対するアメリカ人。ミッキーマウスについてのディズニー、、、
なぜかアメリカがらみが多い。
そういう人種なのだろう。
ボンズの73号ホームランボールは誰のもの、というのは面白かった。
折角グローブを用意してキャッチしたが、周囲からタックルされ取りこぼし、
裁判に持ち込み破産した気の毒な人、、、
ディズニーランドのファストパス
LCCの座席のリクライニング
地下資源
夫が資格を取るために勉強している間妻が養い、見事夫は成功、報酬を得たが離婚
その時元妻が得るべきものは、、
。。。
いろんなところで「所有権」が生じる。それぞれの裁き、その後の反応が面白い。
私の問題意識と一致したのは地球環境。
アマゾンの密林の恩恵を受けるのはアマゾンに住む人ではない。
地球全体。
利益を得るためアマゾンに住む人が樹を倒し、燃やすのは当然と言えば当然。
ここに新しい仕組みを設けなければ、地球温暖化はますます進む。
日本の酷暑の原因の一つは中国の発展ではないかと私は思っている。
中国大陸がどんどん都市化されればお隣の日本は影響を受けざるを得ない。
黄砂やPM2.5もそうだろうが。
日本より広い概念の所有権だが、すんなり頭に入った。
序章 誰が・何を・なぜ
第1章 遅い者勝ち
第2章 占有は一分の勝ち
第3章 他人の蒔いた種を収穫する
第4章 私の家は私の城…ではない
第5章 私の身体は私のもの…ではない
第6章 家族のものだから私のもの…ではない
第7章 所有権と世界の未来 -
様々な所有権に関する実例と問題点を知る事ができた。
アメリカの事が大半なので、日本にはそのままは当てはまらない部分もあるが、共通する部分も多い。
腎臓や、卵子の売買については、全体から見て最適なあり方は何か、工夫の余地があると感じる。特に、腎臓を一つ失っている身としては、何かあったら入手出来る可能性が開かれている方がありがたい。
シェアリングについては、確かにマイナス面もあるが、限りある資源の有効な活用は重要だと思う。 -
普段はあまり考えることのない「所有」について、土地、飛行機のリクラインニングシート、ディズニーランド、Kindleまで、あらゆる事例から「所有するとはどういうことなのか」「直感的な所有の考えは正しいのか」等を解説する本。面白い。
法律に関する話が大半であるにも関わらず、挙げられる事例が身近なおかげか全く退屈しない。本書でも挙げられている通り、専門知識がなくとも経済学を楽しめた『ヤバい経済学』に近い面白さ。
「企業が所有のルールを曖昧にする理由」あたりは特に興味深かった。 -
所有、占有について、歴史や法律、家族、人種差別、企業、特許など様々視点から論じた一冊。
不合理との戦いの歴史の様なエピソードは、今も昔も変わらない。