- 早川書房 (2024年4月23日発売)
本棚登録 : 147人
感想 : 13件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (216ページ) / ISBN・EAN: 9784152103246
作品紹介・あらすじ
14歳の時、ピアノを嫌っていた美咲が出逢ったのは、老齢の父と住むピアノの先生だった。彼女は、発想記号を理解する時は空き地に捨てられた冷蔵庫を思い浮かべればいいと不思議なことを言う。ピアノを好きになる美咲だが、先生には暗い過去があるようで……
感想・レビュー・書評
-
家がなくなった宅地の真ん中に捨てられた緑色の冷蔵庫が、この小説では大きな焦点だった。主人公の看護師の美咲が、ピアノに固執していた理由、由貴奈先生が抱えていたもの、照明コンサルタントの森本の思い、写真家の中野の過去の恐怖など、登場人物すべての気持ちはとてもよくわかった。でもなぜか少し物足りなさを感じた読後感だった。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
小児科の看護師を勤める美咲。
仕事で出会った照明コンサルタントの仕事に興味をもち、照明コンサルタントが手掛けるギャラリーの準備を見学するためにギャラリーへ。
ギャラリーに展示されている写真は捨てられた冷蔵庫の写真ばかり飾られている不思議な展示だった。
そして、見学当日に運び込まれた等身大の巨大なフォトは、空地にそびえ立つみどり色の冷蔵庫の写真。
その写真を見て驚く美咲。
美咲は何故驚いたのか?
そして冷蔵庫が物語にどんな関係があるのか?
というミステリー作品です?
?なのは、ミステリー?なのかは正直わかりませんという感じがしているので。
短いながらも、文章をじっくり読ませるタイプなのか?一言一句拾いたくなる文章だなと思いました。
粗大ゴミでもなんでもそうなのですが、捨てられている冷蔵庫って見たことがない人っていないと思うのですが、それに意味を見出すことって、そんなにないですよね?
でも、本作品はそのなんでもないはずの冷蔵庫に意味を見出すというある意味不思議な話です。
ただ、不思議な話とはいえ、私自身も本作品を読んでいて私自身のこれまでの出会いや私が私がなぜ今の仕事をやるに至ったのかなど、自分の出会いや人生についていろいろ思い出しました。
そして、思い出して見て、本作品の登場人物達のように、私が生きてきた人生で出会った人やものは偶然に過ぎないはずのに、運命的な出会いとは後から気がついて、それが必然だったんだと思う瞬間があります。
そしてその時にはわからなかったことが、もしかしたらあの時こうだったのかもな?と思う瞬間が。
ただ、捨てられて佇んでいる冷蔵庫。
それに意味を見出すか見出さないかは私だったり、あなたである
ということと同様に
実は出会った人やものに見出す
のも、私やあなた次第。
そういうことなんだろうなと思った作品です。 -
看護士をしている美咲は、職場で知り合った照明事務所で働く森本が手伝う写真展を訪れる。まだ準備段階の写真展は、元銭湯をそのままギャラリーにしたというちょっと変わった会場。森本の友人の写真展なのだが、その被写体は街に捨てられた粗大ゴミなのだ。そして美咲は、その写真の中に忘れられない冷蔵庫を見つける。
中学生の頃、自分にピアノを弾くことの素晴らしさを教えてくれたピアノ教室の先生・由貴奈との忘れられない思い出。美咲は、カメラマンの中野が 冷蔵庫の写真を撮った時のイキサツを教えてもらおうとするのだが…。
なぜ冷蔵庫?粗大ゴミの緑の冷蔵庫?設定が意外すぎるのに、ストーリーは淡々と違和感なく進む。読み終わると、とてもホッとした。
この作家さん、好きかも。 -
ミステリ要素を少々と、人間ドラマを多めに。
あえて物語を短くし、登場人物たちの心境に焦点を当てたのが良かった。大仰でなく、優しく、それでいてどこか突き放したような雰囲気がある。初期の本多孝好に似ている、と言っても過言ではないかもしれない。
そこまで強く刺さる作品ではなかったが、構成や描写に巧みさを感じた。 -
冷蔵庫に孤独なイメージがあるのも、冷蔵庫に入ってみたくなるのも分かるから、どことなく波長の合う小説でした。自分の支えになる趣味、指針になる先生が心の中にいると真っ暗な中でも進んでいける気がするね。
-
途中までミステリだと思い犯人探ししてました。ごめんなさい。
-
なにげない日常にも、ふと目をやるだけでいつもと違った見え方をしたり、言葉にすることで自身の中で噛み砕かれ理解を深めることができる。そんな日々のきらきらを教えてもらった。
-
温かさと切なさ〜
感動しました。
村木美涼の作品
