魂婚心中

著者 :
  • 早川書房
3.47
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本棚登録 : 801
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152103376

感想・レビュー・書評

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  • 超★5 今年イチ推しのSF&ミステリー作品集、発想力と深堀力と文筆力にシビレまくり! #魂婚心中

    ■きっと読みたくなるレビュー
    超★5 おもろい!
    作品をあつめた短編集の括りだったら、今のところ今年No1です。素晴らしい!

    最初の一行から一気に世界に引き込み、ラスト一行で切れ味鋭く仕留めてくる。SFでありミステリーでありエンタメでもある。これまでにも増して文章が洗練されていて文芸としても高品質。さすが短編の名手ですね、参りました。

    あらすじや設定を言ってしまうこと自体がネタバレ気味になっちゃうので、控え目にしているつもりです。もし気になる人は読了後に読んでくださいまし。

    ●魂婚心中【おすすめ】
    一風変わった婚活アプリを背景にした、なんかずれている人の物語。トンデモな設定に感服、数年したらホントに出てきそうなアプリ。

    個人の社会の隙間の歪みを感じることはよくあって、悩んだり苦しんだりする気持ちは分かるなぁ… 人生経験だとは思うんですよね、年齢を重ねるとバランスがとれてくるというか。人の意見を聞きすぎるのは良くないけど、人の意見をよく聞いて考えると正解率があがってくる。

    ただ解決できれば良いという問題ではなく、社会に馴染まないといけない社会がどうかしてるんすよね。

    ●ゲーマーのGlitch【おすすめ】
    背景となっているネタはRTAですよね。私も動画サイトで見たりしますが、実況のセリフとか、めっちゃリアルな書きっぷり。ゲームの中でもRTAなんて末期的な遊びだし、かなりニッチな世界だと思うのですが、よく小説の舞台に取り入れましたね。まずこの情報収集力と発想力がスゴイわ。

    終盤予想しなかった情報提示からの展開が秀逸、世の中に無駄なものなんてないよねって思わせてくれて大好き。

    ●二十五万分の一【おすすめ】
    ある特殊な世界における女学生の私と先輩の物語、掌編。

    永遠のテーマ「愛と死」について、幻想的かつ哀愁たっぷりに描いています。こんだけ短い掌編なのに、しっかりと心臓を掴んでくる。

    ●閻魔帳SEO 【超おすすめ】
    実はインターネット企業に勤める私、背景になっているSEOがなんたるかはすぐにわかりました。業界や仕組みのことを良く調べてるし、死後の世界と掛け合わせて物語を生み出すなんざ、控え目に言ってクレイジーですよ(誉め言葉)。

    登場人物にクマールって人物がいるんですが、あの言葉のもじりですよね… 一応業界人なんで、この人の叫びややりたかったことがわかるわー。でもね、Xxxxxxには勝てないんです、うん。

    ラストのネタわかる人いるのかなー、私は昭和のゲーマーなのですぐにわかりました。伝説の誤植と言われるアレすね。これがやりたかったから、中盤にあんなエピソードをぶち込んできたのかと思うと、ニヤニヤがとまらないです。良く知ってましたね、先生の(無駄な)知識に感服です。

    ●この世界には間違いが七つある 【超おすすめ】
    惚れた… こんな作品を書いた芦沢先生にベタ惚れです。いつも女性ならではの優しい視点で描くのがお上手な先生ですが、行きついた作品がこれですよ。もう最高。

    物語としては狭い空間の閉ざされた人々の悲劇が描かれる。カテゴリーとしてはスリラーなんでしょうが…もうこれ以上は言えない。

    ●九月某日の誓い【おすすめ】
    家を出ることを許されない少女と、使用人として奉公している女性の物語。

    この作品も先生の強みが爆発した一編ですね。心理描写を場面展開や分かりやすいセリフで伝えるのではなく、わざとらしくなく可憐に表現してる。すげー難しいと思うんだけど。さすプロ。しかも私なんて父親世代だから百合っぽさが美しすぎて尊いんですよ。沁みるー、超沁みるー

    幻想的なお話と思いきや二転三転、しっかりロジック固めてくるし、品質高すぎ問題です。いい作品でした。

    ■最後に
    気づいてみれば、全作品に【おすすめ】マークを付けてしまいました。そのくらいおもろい、控え目に言って必読です。

    豪華作家陣が語る特別解説リーフレットがついてきましたが、いつも本のレビューを書いてる身としては痺れましたね。皆さんさすがの文章芸で、たった500文字程度で作品の筋や魅力をネタバレなしで語りつくしてる。やっぱりプロは違うなー、お手本にさせていただきます。

    • おびのりさん
      こんばんは、秋さん
      私、芦沢さんのトークイベント&サイン会のチケット取れて、この新作その時手に入るので、
      レビュー読まずに、いいね!しちゃい...
      こんばんは、秋さん
      私、芦沢さんのトークイベント&サイン会のチケット取れて、この新作その時手に入るので、
      レビュー読まずに、いいね!しちゃいます。
      でも⭐︎5ですよね
      私は芦沢さんのファンなので、すごく楽しみです
      2024/06/24
    • autumn522akiさん
      おびのりさん、コメントありがとうございます。
      ご本人にお会いできるの羨ましい!いいなぁ~
      ぜひぜひ楽しんできてね!
      おびのりさん、コメントありがとうございます。
      ご本人にお会いできるの羨ましい!いいなぁ~
      ぜひぜひ楽しんできてね!
      2024/06/25
  • 今まで雑誌等に掲載されていて、単行本に収録されていなかった短編6編を 芦沢さんの15冊目としてまとめられたもの

    「九月某日の誓い」で日本推理作家協会の推理小説年鑑に選出され、芦沢さんのSFへの憧れが現実となり、新たな世界観を読ませてくれるSF作品集

    芦沢さんは、小説を書く時ものすごく書き込んでから、削って削って仕上げているとのことで、その仕上がりがシャープなところが、好きなところ
    なのかなって思ってる

    タイトルになった
    「魂婚心中」は、現実にある“死後婚”の風習からの着想らしい 未婚で亡くなった子供のため死後結婚式を挙げるというもの
    アジア圏で“冥婚”と呼ばれている物は、一部地域ではまだ残っていて、若い女性のご遺体が高値が付くとか
    現実がかなりミステリアスな状況なので、ここから推し活の行き着く先として創作仕上げたのはさすがだなと思いました
    「二十五万分の一」
    嘘をついたら消えてしまう、という世界観
    それを調整する役目を負う一族の少女
    彼女らだけがその事実を知っている
    その少女が、それでも嘘をつくことを選んだその理由 これが一番芦沢さんぽかった

    ゲームを全く知らないのでそれ系の話は全く分からず 知っている方には面白いかな

    • おびのりさん
      読みましたよお
      トークイベント+サイン会 で入手しました
      読みましたよお
      トークイベント+サイン会 で入手しました
      2024/07/10
    • 1Q84O1さん
      でたー!
      サイン本ですか(゚∀゚)
      でたー!
      サイン本ですか(゚∀゚)
      2024/07/10
    • yukimisakeさん
      死後婚の派生系のホラー見た事あります!生きたまんま…:( ˙꒳​˙ ):
      死後婚の派生系のホラー見た事あります!生きたまんま…:( ˙꒳​˙ ):
      2024/07/11
  • 芦沢さんの不気味で嫌な気持ちにさせるようなミステリーが好きだったので、著者の最新作である本作も手に取りました。短編集なのですが、どの短編も設定に斬新さがあるミステリーで他の作品にはない魅力があったと思います。

    以下、印象に残った短編のあらすじと感想です
    「魂婚心中」
    死者同士の婚活アプリが流行る世界で、推しのアイドルとの死後婚を行いたいと望むオタク女性の物語。
    この作品が個人的には1番好きでした。特殊な設定の中、芦沢さんらしいオチが見られてゾクッとするとともに、やっぱりこういう予想の斜め上を行く展開は好きだなぁと思いました。

    「九月某日の誓い」
    大正時代、あるお屋敷で使用人をしている女性と、その主人公が仕える娘の物語。主従関係はありながらも、気の置けない仲である2人の周りで、不審な死が立て続けに起こり、主人公がその原因を探るというストーリー。
    本作はオチのインパクトというよりも、ストーリーの展開力がすごい作品だったと思います。本作は短編集の最後の作品になるのですが、これまでと違ってSF要素がなかなか出てこず、少し焦らされる感じはあります。しかし、本作のSF要素がわかってからは話が急加速し、2人の関係性の変化と心理描写に引き込まれました。

  • 芦沢央・最新刊『魂婚心中』(6/19発売)刊行記念イベント開催!|Hayakawa Books & Magazines(β)2024年6月8日
    https://www.hayakawabooks.com/n/n915a7430591f

    インタビュー 作家 芦沢央さん|集英社 WEB文芸 RENZABURO レンザブロー
    https://www.bungei.shueisha.co.jp/contents/interview/027/index.html

    直木賞候補作家インタビュー「怖い、けれど読むのを止められない」――芦沢 央 第164回直木賞候補作『汚れた手をそこで拭かない』 | インタビュー・対談 - 本の話(オール讀物2021年1月号より)
    https://books.bunshun.jp/articles/-/6032

    芦沢央 | ダ・ヴィンチWeb
    https://ddnavi.com/person/1336/

    Q-TA(@qta3) • Instagram写真と動画
    https://www.instagram.com/qta3/?hl=ja

    魂婚心中 | 種類,単行本 | ハヤカワ・オンライン
    https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000015841/

    • おびのりさん
      おはようございます
      芦沢さんのイベント1箇所申し込みました
      楽しみです
      おはようございます
      芦沢さんのイベント1箇所申し込みました
      楽しみです
      2024/06/18
  • 最近いろいろなメディアで紹介されて高評価を得ている本書、山積みされてはいないもののどの書店でも複数冊は置かれている。芦沢央は初めてお目にかかる作家。もともとはミステリー作家なのだが、伴名練の「なめらか・・」に啓発され書いたのが「九月某日の誓い」。しかしこれがミステリーとして書いたもののSFと誤解された(炭素を操るという表現)のがきっかけでどんどんSFにのめり込んで行ったようだ。その後、SFに本気で挑戦したいと思って書いたのが「ゲーマーのGlitch」とのこと。そして今年になってから、SFマガジン2月号に題名の「魂婚心中」、6月号では「閻魔帳SEO」と立て続けに掲載されている。また、SFマガジン2月号では「ミステリとSFの交差点」という特集が組まれており、「ミステリとSFと、四人の小説家」と題して四人の作家(芦沢央、小川哲、柴田勝家、斜線堂有紀)の対談が実に面白かった。芦沢央の発言はとても初々しくカワイイ語り口なのが目立っていた。ここでもSFラブな気持ちが伝わってきた。SFに目覚めた芦沢央、今後もSF小説をバンバン出して欲しい。

    個別の感想は書かないが、良いと思った作品は「閻魔帳SEO」「この世界には間違い・・・」「九月某日の誓い」。本書では作者による初めてのあとがきがあるので、私の様に初めて接する人にとってはとても有難い解説となっている。そこでは、自分のSF的才能をちょっと低く評価している様だが、決してそんなことは無い。独特の発想があり、この発想こそが現在主流のSFに繋がっている。ミステリーの内容であっても、ちょっとだけSF色を付けるだけで堂々としたSF作品になるので、SFなんてちょろいものですよ。芦沢央がSFに飽きるまで是非ともSF調のミステリーを書き続けて戴きたい。

  • 最近読んだ本の中で1番面白かった。
    独特の世界観。現実のものとして捉えようとすると到底理解できないはずなのに、何故かリアルさを感じる。
    「ゲーマーのglitch」が個人的には1番好きだった。RTAを文章で読む感覚、面白い。テンポもRTA実況ままで読める。
    タイトルにもなっている「魂婚心中」は、とにかくオタクの解像度が高い!w 主人公の気持ち、分かる、分かるよ!と思いながら読んだ。
    「九月某日の誓い」は他の短編と少し毛色が違う感じがしたけど、登場人物の感情が言語化されてこちらに伝わってくる感覚がとても好きで、切ない。続きがあるのだとしたら彼女たちのその後は気になる。

  • 独身のまま死んだ者同士が結婚するためのアプリ、って。死者と生者の結婚の冥婚なら実際にそういう風習もあるけれど、死者同士の死後のためマッチングアプリってすごい発想。でもそこで終わらないのが芦沢央。
    そこに「推し」活をぶつけてくるだから、生々しいったらありゃしない。もしかすると実際にそういうアプリできちゃうんじゃないの、って思ってぞわぞわした果ての、ラスト。うひゃ、ってなっちゃうね、まったく。
    そんな表題作から始まる6つのぞわぞわSF。設定でびっくり、そしてラストでひっくりかえる。
    ゲームを全くやらないので二話目にはついて行けなかったけれど、切なくなったりニヤリとしたり、情動刺激型SF短編集で芦沢央の新しい魅力堪能。

  • SFミステリ短編集。「二十五万分の一」と「この世界には間違いが七つある」は既読だったけれど、結局この2作が面白かった。ゲーマーのお話は凝りすぎていて読みづらかった。

  • 「魂婚心中」
    「ゲーマーのGlitch」
    「二十五万分の一」
    「閻魔帳SEO」
    「この世界には間違いが七つある」
    「九月某日の誓い」
    六話収録の短編集。

    待ち焦がれていた芦沢さんの新刊。
    ただ私が最も苦手なSF作品、不安を感じつつ読み進めた。

    一話から強烈。
    推しと死後結婚出来るマッチングアプリ「KonKon」。
    推し+死後結婚の発想が凄い。
    愛より狂気を感じゾクゾクする。

    二話以降、どんどんこの特殊設定に付いていけなくなり取り残された気分。

    SFが好きな方にはドンピシャかも知れないが、私は『夜の道標』の様な社会派ミステリが好み。

  • 芦沢さんのミステリーが好きで追っかけていたが、これはSF要素が強くて難易度が高い。まず描かれている世界の価値観を理解するのにひと苦労。面白さを感じる前に疲弊してしまった。

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著者プロフィール

1984年東京都生まれ。千葉大学文学部卒業。出版社勤務を経て、2012年『罪の余白』で、第3回「野性時代フロンティア文学賞」を受賞し、デビュー。16年刊行の『許されようとは思いません』が、「吉川英治文学新人賞」候補作に選出。18年『火のないところに煙は』で、「静岡書店大賞」を受賞、第16回「本屋大賞」にノミネートされる。20年刊行の『汚れた手をそこで拭かない』が、第164回「直木賞」、第42回「吉川英治文学新人賞」候補に選出された。その他著書に、『悪いものが、来ませんように』『今だけのあの子』『いつかの人質』『貘の耳たぶ』『僕の神さま』等がある。

芦沢央の作品

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