涙を呑む鳥1 ナガの心臓 下

  • 早川書房 (2024年7月30日発売)
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本 ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784152103529

感想・レビュー・書評

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  • 【きっかけ】
    中学時代の愛読書だった『ドラゴンラージャ』シリーズの作者による名作が待望の日本語訳化。
    買いたかったかけど2400+税は高すぎたので図書館で借りました…

    【あらすじ】
    大陸の南部に棲むナガは、成人を迎えると、都市の中心にある〝心臓塔〟で心臓を摘出する。そうすることでほぼ不死となるのだ。だが、少年リュンはその心臓塔で、滅多にありえないはずのナガの死を目撃する。そして、友人の代わりに故郷を発ち、密林を北上することになる。旅の途中、リュンは人間のケイガン、レコンのティナハン、トッケビのビヒョンの三名からなる〝救出隊〟と出会い、ともに北部へ向かって限界線を越えるのだが……。
    一方ハテングラジュでは、リュンが敬愛する姉サモが、暗殺剣シクトルを手に、リュンを追って北へと向かう……。(カバーのそでより引用)

    【心に残ったところ】
    ◉“「そう。他の人を支配しようって気持ちがいくら強くても、誰もその人を王とは思わなければ、そう言って回ることができない。誰かがいてこそです。彼を王として仰ぎ見る人たちが。…(略)…となると、王っていうのはいったい何なんでしょう。…(略)…」「涙を呑む鳥だ」”

    ◉“「王が、人々の涙をすっかり呑んでしまうから、人々は涙のない非情な者になってしまうんだ。それが、王の害悪だ」”

    【感想】
    神を失った種族とされる斗億神(ドゥオクシニ)の叫び、心臓塔の恐ろしい真実、タイトルにある「涙を呑む鳥」の正体…。
    新たに明らかにされる設定がまた良い…!!!
    イ・ヨンド氏の織りなす世界観にただただ魅了されてばかりだ。

    上巻では語られなかった、人間という種族について、下巻ではユニークまじえて語られていた。
    何だ何だ???「帝王病」って笑
    あちらこちらに自称「なんちゃら王」とそれを持ち上げる預言者なる従者や、その他お付き者という滑稽な集団がぞろぞろ歩いている。

    ケイガンは王を「涙を呑む鳥」と例える。
    こういう哲学的な言い回しが最高にカッコよくて癖になるんだよなあ。

    この「王」と、心臓を摘出するナガと…これからどう交わっていくかは今は全く想像つかない。
    さらなる冒険に胸が高鳴る!!!次巻はいつかなあ。

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