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本 ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784152103765
作品紹介・あらすじ
バイク事故で夫を亡くした作家は、20年後、思い出の家を手放す今、再び問いに向き合う。もしも、あのとき別の選択をしていたら事故は避けられたのか? 悲劇の日までの二十数年にわたる結婚生活の「あのとき」の数々を見つめ直す。ゴンクール賞受賞の感動作
感想・レビュー・書評
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無意識と意識の鬩ぎ合いの中で人生を連ね、何かが起こったとき、無意識が途端に意味を持つ何かへと、かわっていることに気付く。
核心への怯えが伝播するように、じっくりと向き合う一冊でした。 -
20年前に最愛の夫クロードをバイク事故で喪ったブリジット。2人で手を入れながら住む予定で購入した家に引っ越す直前の事故だった。事故に至るまでの様々な分岐点を振り返りながら、「もしも」を問い掛ける。
SFやファンタジーならばタイムリープものになるのだろうが、本作では後悔と諦念の繰り返しになる。重い。つらい。だが、人生とはそうしたものだ。“運命”という言葉は使いたくないが、どれか1つでも違っていれば、結果もまた異なったのかもしれない。
訳者あとがきを読んで、本作が著者の実体験に基づいたものだと知って激しい衝撃を受けた。 -
ホンダのバイクには愛着があるから微妙に心がざわつく。悼みを吐露し記憶の糸を手繰り寄せ少しの可能性にかけて悔いる20年の歳月は供養のようだ。巻き込みの死傷者がないのがせめてもの救いで乗る側の人がマシンを尊重しないのも辛い。
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タイトルにひかれて読んだ
パートナーをバイクの事故で亡くした
妻(作家)は引っ越しをひかえていた
夢見た自分達が理想とする居場所に
なるはずだった場所
20年の時を経て夫の死を考える
もしもあの時
いくつもある もしも
人生で悲しい事があると考える
もしも
もしもあの時こう言っていたら
もしもあの時出かけなければ
もしもあの時別れなければ
もしもあの時イエスと言っていたら
などなど
でも 戻ってこない過去という時間 -
著者の自伝的作品と知り、読んでい辛かった。21の「もしも」と二つの「なぜ」からは著者の後悔や怒りが感じられる。色々な場面での何気ない選択や偶然の積み重ねが私たちの「運命」に影響することを考えさせられた作品。日々の一つ一つの選択をいい加減にはできない。
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運命は残語だ。そして突然なんだ。