マリアを運べ

  • 早川書房 (2024年12月4日発売)
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本 ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784152103826

作品紹介・あらすじ

17歳の運び屋の風子に、ある荷物を運んでほしいという依頼が持ち込まれた。一度走った道をすべて記憶している風子は、持ち前の運転技術を活かして長野県の諏訪を目指す。ヤクザや新興宗教、某国のスパイまでもが荷物を狙うなか、彼女は依頼を完遂できるのか

感想・レビュー・書評

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  • 疾走感あふれるクライムサスペンス!運び屋が届けるのは怪しげな医薬品?どんな秘密が… #マリアを運べ

    ■あらすじ
    17歳の運び屋の風子が仕事の依頼を受ける、大学から盗み出された薬とデータを時間内に運ばなければならない。目的地に向かう道中、様々な組織から妨害工作を受ける。果たして無事に届けることはできるのか、そもそも運んでいる薬とは何なのか?

    ■きっと読みたくなるレビュー
    疾走感が素晴らしい! エンタメ要素が詰まったサスペンスミステリーです。プロット、ストーリー、人物の背景描写、感情やセリフなどなど、すべてがクールでスピーディ。次々とシーンが展開する様はまるで映画を観ているかのよう。

    未成年の女性が怪しいブツを運ぶ犯罪小説ではあるんですが、むしろホントの悪党は背後にでてくる大人たち。ネタワレしちゃうので詳しく書けませんが、いわゆる闇があるとされる組織が次々と登場してきます。小娘ひとりにどんだけマジなんだって感じなんですが、このドス黒い質量が魅力ですね。

    本作の登場人物はみんなカッコイイんですよ~、いつか見たスパイ映画にいたようなキャラばかり。イチ推しは殺し屋の仁ですね、背負ってきたもの抱えながら未来を見つめる視線に切なくなるよ。風子もしかりですが、若者を利用するような社会である限り、日本は救われないよなぁ…

    そして本作メインの謎、あやしげな薬について。作られた背景、研究者の想いが切々と語られる。あまりにスケールが大きな話で何が正解なのか分からなくなるんです。しかし様々なやり取りや選択があった中、志麻が最後にたどり着いた行動に胸が苦しくなりますね…

    世の中、色んな価値観があって良いと言われていますが、実際は目に見えない圧力で自分らしく生きるのが難しい。本作に出てくるキャラクターのように、何処までも突っ走る力強さが輝いて見えました。新人先生の躍動感にあふれる作品です、次回の作品にも期待しております。

    ■ぜっさん推しポイント
    本書で描かれるのは、自分以外誰も信じられなくなった奴らばかりなんです。絶望の中、たった自分一人の力で生きてる彼らの姿が、あまりに可哀想で読んでて辛くなる。そんな彼らの最後の選択は、未来にどんな希望を見出せるのでしょうか。

  • 17歳、無免許の運び屋・風子が受けた仕事は、研究員・志麻百合子が持ち出した医薬品と研究データを運ぶこと。
    目的地の長野県諏訪まで時間通りに運べるか…。

    普通にはいかない…
    道中さまざまな事が起こりスムーズには辿り着けない…。
    それは志麻が持ち出したものの正体が、かなり異質で特別で世界を根底から覆しかねないものだからだ。

    途中で待ち受ける不明の集団をかわして、顔見知りの殺し屋・人に護衛を依頼するが、そのあとも命の危険が迫るほどの妨害を受ける。

    次から次へと妨害に遭いながら命の危険を顧みずひたすら走り続ける風子にあまりビビることなく乗っている志麻。彼女がしてきたことを思えばなるほどと納得できる。




  • 運び屋が無免許の17歳少女という設定に必然とリアリティはあるのかな?話に入れるかな?と少々不安に思いながら読み始めたが、その不安は最初だけであとはスピードに乗せられ、一気に読んだ。
    ただ、風子の生い立ちやバイオ技術の倫理や宗教や…そういった盛り込まれている1つずつが、薄い感じは否めず、スピードで強引に駆け抜けるタイプの小説、と思った。風子のキャラがもっと濃ければ、シリーズ物も可能な気もする。

  • 次から次に事件が起こり 一気よみしてしまうぐらい面白かった!

  • 17歳、無免許の運び屋・風子のもとに持ち込まれた新たな依頼は、東亜理科大医生物学研究所の研究員・志麻百合子が持ち出した開発中の医薬品と研究データを運ぶことだった。一度走った道を映像として覚えられる風子は、スバルのフォレスターに志麻を同乗させて長野県の諏訪を目指すが、道中で正体不明の一団の襲撃を受ける。卓越した運転技術で危地を脱した風子は、顔見知りの殺し屋・仁に護衛を依頼する。それぞれに暗い過去を抱えた三人の思いが交差するなか、志麻の口から語られた医薬品の正体は、この世界を根底から覆しかねないものだった……。ヤクザや某国のスパイなど様々な妨害工作をかわし、風子たちは諏訪湖にたどり着けるのか。そして、志麻に隠された本当の目的とは。第14回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作。

    設定は悪くないが、意外と薄口。細部をもっと書き込んだら、最高の冒険小説になりそうな予感がする。次回作に期待したい。

  • ギャビン・ライアルの『深夜プラス1』を意識した「運び屋」小説……という評判を聞いて読んでみた。

    粗削りだし、冒険小説屈指の名作である『深夜プラス1』には及ばないものの、十分に面白かった。

    私は、『深夜プラス1』というより『ザ・ファブル』を思い出した。ヒロインの17歳(無免許!)の天才運び屋は『ファブル』のヨウコを彷彿とさせるし。
    つまり、冒険小説というよりは劇画的、アクション映画的なのである。

    マンガ化か映画化したら面白いと思う。盛り沢山のエンタメだ。

    「ストーリーの基本設定に無理がある」という感想も目にしたが、そうでもないような……。
    「運び屋」映画の『トランスポーター』なんか、もっと無理がある設定だし。
    「縛られた美女を運ぶ」という仕事を、マフィアが何のために依頼したのかが謎なのだ。

  • 2024年。第14回大賞受賞。デビュー作。
    17歳の少女が運び屋。依頼された荷物&依頼人を指定時間までに諏訪まで運べ。
    ヤクザ、諜報機関、宗教団体といろいろとジャマが入る。刺されたり、打たれたり、殴られたり、痛そう。
    という感じで、疾走して到着する。
    短い言葉の会話はいいね。「空の上か?」「下」みたいな。

  • 第14回アガサクリスティ大賞受賞作。17歳の無免許運び屋.風子。受けた依頼はバイオ技術のデータとサンプルを盗んだ研究員。何なく目的地へ着くかと思われたが、謎の集団に襲われた。知り合いの殺し屋と落ち合い共に向かった。果たして届けることができるのか。  
     スピードある文体。風子の運転する車に乗っている気持ちになれる。目的地に辿り着けるのか、研究員の志麻の本当の狙い、新興宗教やヤクザなんでもありの作品。

  • 17歳の運び屋

    ある日科学者からある医薬品と自分自身を運び諏訪まで連れて行って欲しいと依頼を受ける

    依頼を受け待ち構えていたヤクザ 警察 対外国

    持ち出された医薬品は根本からの生殖を変えてしまうかもしれないものだった

    様々な困難を乗り越えなんとか指定の時間に間に合わせた運び屋

    やれることをやる 

  • 第14回アガサクリスティ賞大賞受賞作なので、手に取りました。
    無免許で運び屋の17歳の少女が主人公。
    序盤からカーチェイスが始まるなど、ラストまでハラハラしながら次々と起こる展開に一気に読んでしまいました。

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