時間移民 劉慈欣短篇集2

  • 早川書房 (2024年12月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (432ページ) / ISBN・EAN: 9784152103871

作品紹介・あらすじ

巨大冷蔵庫で八千万人を未来へ送る計画を描く「時間移民」、『三体』でも活躍した天才理論物理学者、丁儀を襲った衝撃を描く「朝聞道」など全13篇を収録。世界的ベストセラー作家、劉慈欣の卓越した想像力が味わえる『円』に続く日本オリジナル短篇集第二弾!

感想・レビュー・書評

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  • 劉慈欣の短編集。圧倒されっぱなしです。ほんにあんたはすごい。長編書かずにいっぱい短編書いてください。その一つひとつに新しいSFが感じられると思うとたまりません。
    今回もほんとに面白かったのですが、「歓喜の歌」。国連が崩壊しようとしている時に宇宙からの音楽が世界を救います。各国首脳が心揺さぶられる中で日本の首相だけが「人類にとってこの音楽は馬の耳に念仏かもしれませんよ」とひとりズレている。おかしかったですね。日本ってそんな国と思われてるんですね。

  • 少し久しぶりに劉慈欣のSF短編集。長編の「三体」も、短編も複数読んでみたけれど、長短に関係なく読者を圧倒する世界に引き込む。その力量の高さを改めて感じさせてくれた。

    13篇のストーリーはそれぞれに異なる世界を見ることができる。印象に残ったのは表題作の「時間移民」。少し前に読んだ「サピエンス全史」とのつながりで、人間は何を望みたいのかという問いを思い出した。衝撃的だったのは「天使時代」。「夢の海」、「歓喜の歌」の〈大芸術〉シリーズに属する2篇もよかった。

    短編作品を多く送り出している劉慈欣氏の新作長編も気になる。今後の楽しみにしたい。

  • 2024年12月早川書房刊。1985年〜2017年に書かれた、時間移民、思索者、夢の海、歓喜の歌、ミクロの果て、宇宙収縮、朝に道を聞かば、共存できない二つの祝日、全帯域電波妨害、天使時代、運命、鏡、フィールズ・オブ・ゴールド、の13のSF短編集。時間移民が良い。もっと短くても良かったとも思うほどの纏まった世界。宇宙収縮も夢があって良い。

  • 劉慈欣『三体』の原点がここにーー短編集『円』が湛える、SFの根源的な輝き|Real Sound|リアルサウンド ブック(2022.01.02)
    https://realsound.jp/book/2022/01/post-939001.html

    劉慈欣に潜む中国的想像力の始まりを知る:『円 劉慈欣短篇集』池田純一書評 | WIRED.jp(2022.09.10)
    https://wired.jp/article/liu-cixin-the-circle-and-other-stories/

    【第25回】コンシェルジュ河出の世界文学よこんにちは『円 劉慈欣短篇集』劉慈欣/早川書房 | 蔦屋通信 | 梅田 蔦屋書店 | 蔦屋書店を中核とした生活提案型商業施設
    https://store.tsite.jp/umeda/blog/humanities/24737-1248250204.html

    劉慈欣『三体』は歴史を動かす一冊だ! - 新刊めったくたガイド|WEB本の雑誌(本の雑誌 2019年9月号掲載)
    https://www.webdoku.jp/mettakuta/omori_nozomi/20190901092932.html

    【劉 慈欣 × 池澤春菜】「個人」ではなく「ヒト」であるために:異文化SF作家対談_#1 | WIRED.jp(2023.09.21)
    https://wired.jp/article/aiming-for-the-overview-effect-liu-cixin-haruna-ikezawa/

    大ヒット中国SF『三体』を生んだ劉慈欣「私の人生を変えた5冊の本」|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト(2020年8月4日)
    https://www.newsweekjapan.jp/stories/culture/2020/08/sf5.php

    時間移民 劉慈欣短篇集Ⅱ: 書籍- 早川書房オフィシャルサイト|ミステリ・SF・海外文学・ノンフィクションの世界へ
    https://www.hayakawa-online.co.jp/shop/g/g0005210387/

  • <雲>
    いつものように例によって京大を卒業はしたもののなぜか翻訳家という職業を選んでそこでピタリと留まり燻っている虚匠大森望くんの書いた尊大で長い『訳者あとがき』から読む。「…お待たせ致しました。劉慈欣傑作短編集第二段を届ける。」から始まるが,悪いが誰も待ってなどはいないのであった。笑う馬。

    もちろんこの あとがき を真面目に読んでもちっとも面白いものではない。そして大森君の「ですます調」と「である調」がごちゃ混ぜになった語り口はいいかげんに何とかならんのか,と毎回思う。読者に対する姿勢をどっちに決めるのをずっと なんなら京大卒業以後づっと迷って拒んでいるのだろう。いい加減にどっちなのかをハッキリ意識して書くべきではないのか。もう歳を取り過ぎて今更意味などは無いのだろうがw。

    そしてまたもや ”…本書は光吉さくら,ワン・チャイ と共訳の体はとっているが 実質は大森望が全権を握って出版した本だから お前ら(僕ら読者の事ですなw)はそこをしっかり理解してから読めよな” と云う意味にしか解せない偉そうな自己主張文で その『訳者あとがき』を締めくくっている。やれやれ。Good Grief.

    かなりいらだつ訳者あとがきはともかく劉慈欣の作品は存外に面白い。流石SF作品らしく(嗤う馬) 遥か過去の1985年に書いた作も収録されている。そしてそういう昔の作品の方が割と面白い。一番新しい作品でも2018年に書いたモノらしく。そうなって来ると云ってみれば本作は買ったはいいが居間の本棚で眠るだけの「劉慈欣 文學全集」みたいな本なのだろうか。笑う馬。

    中華国人名に今回は全箇所フリガナが振られている件。例えば本書三番目に収録されている作品『夢の海』の主人公の名は「顔冬」である。中華国読みで「イェン・ドン」。大森君は本作で人名の中華国読みがよほど気にいったのか それとも何か全く別の事情があったのか 人名のフリガナを物語の最初から最後までほぼ全箇所に振っている。振る為に顔と冬の間に一文字分の間を開けでまでもだ。うーむ。でも待てよ もしこのフリガナが無かったら僕は何と読んでいただろう。「がんとう」…まあ読めるしあまり違和感も無いなぁ…。

    で,例えば「孫誠:ソン・チェン」。「白冰:パイ・ビン」。苗字と名前の間には必ず「・」を入れる。だが例外も有るのだった。でも僕としてはそれは例外では無くて大森君も校閲者/校正者も単に見落としただけなのだと思っている。その例。「呂文明:リュー・ウェンミン」なのだが,一か所だけこのフリガナが無くしかも「文明」とだけ書いてある(342ページ)。これじゃ「ぶんめい」だ。笑う馬。

    恐らく「呂」が無かったのでフリガナを振り忘れた事を見落としたのだろう。もしそうでない理由が有りそうなら教えて下さい。(ん?もしかしたら この例は 会話文 だからフリガナを振ってないのか。でも 他にも会話文中に出てくる人名はあって,そこにはしつこいくらいにフリガナ振ってあったぞ!

    もう一つ このフリガナについて不思議な法則と云うか大森君のこだわりみたいなモノを僕は発見した様子なので書いて置く。ページは368P。日清戦争に中華国が勝てたかもしれない…という“タラレバ”話が書いてあるのだが,そこに登場する人物「鄧世昌」にふられているのは「とうせいしょう」そうひらがなで振ってあるのだ。この件りにはもう一人いる。「方伯謙」「ほうはくけん」だ。このひらがなとカタカナのフリガナの違いは一体なんなのだろうか?ちなみにこの例も会話文ではあるのだが…。

    訳者あとがき には本書に収録された全部の短編作品についての概要もいちいち紹介されている。その中に「ショートショート」というジャンルに属すると紹介された作品が幾つかある。元よりショートショートとは日本SFの巨匠 星新一によって生み出されたジャンルと云える。星新一のショートショートは僕ら世代(1950~60年代生まれ)の男子にとっては「読書」への第一歩を踏み出させてくれたなんとも感慨深く貴重な作品ジャンルなのだ。『ボッコちゃん』『N氏の物語』『おーい地球』など星新一の作品は今でも恐らく売れ続けているであろう。

    で,まさにその正統派ショートショート作品と名乗っても良いと思える作品が本書に収録されていた。その作品は『宇宙収縮』。これがとてもとても奇想天外なオチなのだ。で オチに気づけない読者もいるかもしれない と劉慈欣は絶妙な伏線もオチの直近に敷いている。いやはや見事。『宇宙収縮』はまさに星新一のショートショートに匹敵する秀作だと僕は思ったものだ。

    『運命』という題名の作品が収録されている。この作品隠れSFオタクの僕にとっては凄く面白い作品だ。でも僕はこの題名が内容とミスマッチしていると思う。『救世主』の方が絶対に内容とマッチしている。この作品の中華国語の原題は「運命」簡体字だと「命运」。でもしかし中華国語の意味が日本語の漢字と同じとは限らない。例えば中華国語の「汽車」は自動車の事を云う。なので「命运」には「救世主」という意味があるのかもしれない。知らんけど。笑う馬。

    全部で短編作が10個載っているが,各々作品について好き嫌いが僕の場合は比較的荷ハッキリしている。例えば前出の『運命』や『鏡』『夢の海』は好き。でも『天使時代』や『朝に道を聞かば』などはちょっと苦手ぇ― って感じ。星新一の様な考え抜かれて秀逸な作品でない限り一般SFよりもスペースオペラSFの方が僕は好きです。これは絶対に初めて読んだSF作品がエドモンドハミルトン著の『キャプテンフューチャー』シリーズだった事が大きく影響しています。

  • 全編が面白かった。どういうこと。

    広げた風呂敷に並べられた壮大な設定が、決して長くないページ数にきちんと畳まれるのがすごい。技術面にワクワクさせられつつ物語としても面白みがあって、大満足。どの話もまた忘れた頃に読み返したい。

  • 混沌としている現在がSFのような気がする。今の時代にピッタリのSFを書き続ける著者に凄みを覚える。

  • ”三体”で一躍有名となった劉慈欣の最新SF(短編集ですが)。火守(絵本チックな著書)を含めて全書籍制覇済 (^o^)/

    ・思いを馳せるようなストーリだったり、シニカルなストーリーだったりとバラエティに飛んだ短編集です。マクロ方向だけでなくミクロ方向も含めたスケールの大きさと独特なアイデアは、あいかわらず凄いと思います。私的な感想になりますが、東洋的な世界観?とでも言うべきものを感じさせるのが非常にユニークです。言葉で表現し難いですが、マクロ or ミクロ観点のどちらか一本道でストーリーが進むのではなく、観点が相互に依存&入り混じりながらストーリが進む感じ
    ・一番気に入ったのが「思索者」でしょうか。脳の神経細胞間で発火が伝わり合うのが人間の思考だとすると恒星活動によるエネルギー放射が伝わり合うのが宇宙の思考なのではないかというロマンを感じさせるお話です。宇宙というマクロなお話と、登場人物2人の交流という(宇宙から見れば)ミクロなお話が入り混じりながら進む処から、宇宙ならばどんな思索&交流をしているんだろうと思いを馳せました (*'ω'*)

  • 全編面白かった。流石の劉慈欣。
    訳者の大森望もあとがきで言っているが、過去30年余りにわたって書かれた作品のうち邦訳されていなかったものが収録された作品集であるのに、ハズレと感じるものが1つもないのが劉慈欣という作家の凄まじさを感じる。
    特に気に入ったのは『時間移民』、『全帯域電波妨害』『鏡』『フィールズ・オブ・ゴールド』
    2018年の『フィールズ・オブ・ゴールド』以降書き続けているという新作長編が出版され、邦訳される日を心待ちにしつつ、積んじゃってる球状閃電と白亜紀往事を読もうと思う。

  • Netflixドラマにもなった「三体」の劉慈欣先生の短篇集。
    「時間移民」「思索者」「夢の海」「歓喜の歌」「ミクロの果て」「宇宙収縮」「朝に道を聞かば」「共存できない二つの祝日」「全帯域電波妨害」「天使時代」「運命」「鏡」「フィールズ・オブ・ゴールド」の13作品を収録。

    SF×哲学の「時間移民」「共存できない二つの祝日」「朝に道を聞かば」
    SF×戦争の「全帯域電波妨害」「天使時代」
    SF×科学の「宇宙収縮」「思索者」「ミクロの果て」
    三体を感じる「夢の海」「歓喜の歌」
    ・・・などなどSFといってもいろんなタイプの作品があり、1つ1つの作品で違った世界観に一気に引き込んでくれるものばかりで、どの作品もSFの醍醐味でもある未知の世界との接触のようなワクワク感があり本当に楽しめました。短篇集1の【円】を読めていなかったので読みます。

    個人的には「共存できない二つの祝日」「思索者」「宇宙収縮」「フィールズ・オブ・ゴールド」あたりが好きでした。

    本当におすすめです。

  • やっぱり劉慈欣の短編は面白い!と思わせてくれました。新作長編待ってます…!
    個人的に、話の通じない異星人が地球にやってきて、全く悪気なくあたりをめちゃくちゃにして帰っていったけど、人間はこれからもなんとかやっていきます…みたいな話が好きだった。あとはロマンティックな話が多いのもいい。SFとロマンスって合うんだなあ。

  • SF大作『三体』シリーズを書いた劉慈欣さんによる短編集です。壮大でありながらロマンチックな「思索者」が特に印象に残りました。「フィールズ・オブ・ゴールド」も良かった。星を眺めて想いに耽りたくなる作品です

  • 系・院推薦図書 3系(情報・知能工学系)
    【配架場所】 図・3F開架 
    【請求記号】 923||RY
    【OPACへのリンク】
    https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/volume/474199

  • 科学の力は想像力をここまで広げるか、それとも作者の類稀なる想像力が科学をここまで魅力的にするのか、
    いずれにせよ劉慈欣の作品は単なるsf作品の枠を超えてエンタメ作品としての最前線を突き進んでいることは確かだ。

  • 2025.8 読むのに時間がかかったけれど、さすが劉慈欣。科学者の性(さが)の話が秀逸でした。

  • よい

  • 教養と科学的思考と想像力で、人はここまで考え、創ることが出来るのか。
    彼とその作品群は、現代文明の到達点のうちの一つだと思う。

  • 三体の断片のような作品がちらほら
    この作者には何度も登場するモチーフがある

    戦車への無謀な突撃
    宇宙を飛来する完璧な二次元形状
    戦争の過酷さに簡単に適応する優秀な男女
    知性のある爬虫類

    いずれも何度でも楽しめるスルメのようなモチーフ

  • どれもあまりピンと来なかった。

  • 短編でこのような突拍子もない小説を理解できるだけの頭の柔軟性が私にはない。
    多くの方は時間とお金の無駄になるかもしれない。。。
    楽しいと思える方は、相当頭がキレるか、見栄っ張りな方か、、、

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著者プロフィール

1963年、山西省陽泉生まれ。発電所でエンジニアとして働くかたわら、SF短篇を執筆。2008年に刊行された『三体』で人気に火が付き、“三体”三部作(『三体』『黒暗森林』『死神永生』)は中国で2100万部以上を売り上げた。2014年にはケン・リュウ訳の英訳版が刊行され、2015年、アジア人作家として初めてSF最大の賞であるヒューゴー賞を受賞。2019年には日本語訳版が刊行され、11万部を超える大ヒット。

「2023年 『神様の介護係』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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