夜の底を歩く

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  • 早川書房 (2025年1月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (360ページ) / ISBN・EAN: 9784152103918

作品紹介・あらすじ

17歳のキアラは、兄と二人暮らし。父は病死、母は獄中。ラッパーを夢見る兄のため、隣家の孤独な少年のため、彼女は職を探す。ある夜、思わぬことから、売春を始める。愛する者を心の支えとして働くキアラだったが、やがて街を揺るがす騒動に巻き込まれ……

みんなの感想まとめ

過酷な環境に生きる少女たちの成長を描いた物語は、主人公キアラの理不尽な運命に胸が締め付けられるような感情を呼び起こします。彼女は兄と二人三脚で生活を支え合いながら、思わぬ出来事から売春を始めることに。...

感想・レビュー・書評

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  • 17歳女の子キアラの物語… 黒人女性が何故こんな酷い扱いを受けなければならないのか #夜の底を歩く

    ■あらすじ
    17歳の女の子キアラは、定職にもつかない兄と暮らしていた。父は既に病死し、母も刑務所に収監されているため、誰も彼女を守ってくれない。さらに同じ地区に住む9歳の少年トレバーがネグレクトを受けていた。彼女は自身の生活とトレバーを守るために求人を探すも、まだ未成年のために仕事にありつけない。ついに彼女は自身の身体を売り始めるのだが…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    やるせない気持ちで胸がいっぱいになる物語、しかし声をあげるべきだという、強い意思を感じる作品でした。黒人女性が何故こんなにも酷い扱いを受けなければならないのでしょうか…

    本作の主人公キアラは未成年の黒人少女、経済的にも家庭環境にも恵まれていない。さらに近所に住むネグレクトの少年を守るヤングケアラーでもあるのです。

    キアラの住む世界をひたすら読み続けることになるのですが、過酷な状況が良く伝わってきます。周囲の大人は一切頼りになりません、むしろキアラに迷惑をかけてくるとい有様。しかも兄やおじをはじめ、男性どもこそ極悪非道なんです。本来あんたたちがキアラを守ってあげなきゃいけないだっつーの(怒

    行きつく先は、やはり売春になってしまうのですが、さらにもっと考えられない事態に… そして物語の後半になると、いよいよ人間の狂った欲望が赤裸々になってくる。我々が生活する日本社会では考えられないんだけども、アメリカでのデータ(訳者あとがきに記載)を見て驚愕しました。あまりにも酷い現実に腹が立ってしょうがない、あんたらが未成年の少女にやることかと…

    ただ読めば読むほどやりきれないんだけど、キアラがあまりにひた向きで心優しいので、読み進めちゃうんですよね。他の登場人物もダメ人間ばっかりなんだけど、ただ家族を愛する気持ちはまっすぐなんだよなぁ。根はいい人たちばかりなんだけど、なんでなんだ…

    できればキアラに寄り添ってあげたい、手を差し伸べてあげたい、そして幸せな笑顔を見せてほしいと思いました。へこたれずに胸を張って生きてほしい。

    ■ぜっさん推しポイント
    トレバーの母、育児放棄をしているディーの叫びが芯をついててマジきつかった。もちろん彼女は望んでネグレクトをしているわけではないんですよね。

    愛しているし、愛されているのも分かっている。このままだと自分がどうなるか、将来的にどう思われるかも分かっている。でも自分ではどうしようもなく、すでに諦めるしかないんです。

    これこそ「絶望」というやつでして… 若い女性たち、とくに未成年には絶対にこんな気持ちにさせたくないんですよね。いつもこういう本を読むと自分に何ができるだろうと考えされられます。

    • autumn522akiさん
      本作人物表がないので、最低限の人物一覧を書いておきます。
      ご参考までに

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      本作人物表がないので、最低限の人物一覧を書いておきます。
      ご参考までに

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      ■人物表
      キアラ:主人公、17歳の少女
      マーカス:兄

      ディー:同地区に住む女友達、シングルマザー
      トレバー:ディーの息子、9歳の少年
      アレ:女友達、親友
      トニー:男友達
      カミラ:売春婦の知り合い
      ------------------------------------------
      2025/02/12
  • 父は病死、母は刑務所に入って今は更生施設にいることで、17歳のキアラは兄のマーカスと2人で暮らしていたのだが、兄はラッパーを夢みてばかりで働かない。アパートの家賃も滞りがちで、おまけに値上げするという。
    同じアパートに住む9歳のトレバーもネグレクトを受けていて、食べるものもない様子。
    キアラは、職を探すも雇ってくれる店はどこもなく、追い詰められた果てに思わぬことから売春を始め…。

    誰に救いを求めたらいいのかわからずに、ただ生きるためにしたことが大きな事件となる。

    このようなことがある世の中では駄目なはずなのに誰も気づかずにいることが、どうしてもやるせなく思う。


    著者が、ティーンエイジャーの2015年のときにオークランド市警とベイエリアの警察官たちがひとりの若い女性を性的に搾取し、その件を隠蔽しようとしたことを知る。
    この事件は、2016年にオークランド市警による性的虐待事件としてニュースに報じられ、著者は自分が生まれ育った街の話を書きたいという思いと、若い黒人女性が性的被害に遭うというのはどういうことか、掘り下げて書きたいと思ったとあとがきにある。
    16歳で書きはじめて10代のうちに本書を出版したことになるが、同年齢を題材にしているだけに描写に強さを感じた。



  • Nightcrawling, a review of Leila Mottley’s extraordinary debut novel | by Rachel Zorn Kindermann | Medium
    https://medium.com/@rgzkindermann/nightcrawling-a-review-of-leila-mottleys-extraordinary-debut-novel-8cd96d236c1d

    選択肢を奪われた厳しい境遇を生きる女性の物語【EJ Culture文学】 - ENGLISH JOURNAL(2022年11月号)
    https://ej.alc.co.jp/tag/CULTURE/20230216-ej-culture

    Author Leila Mottley on Novel Nightcrawling and Her Youth
    https://www.harpersbazaar.com/culture/art-books-music/a44694399/leila-mottley-icons-interview-2023/

    Leila Mottley
    https://www.leilamottley.com/

    夜の底を歩く レイラ・モトリー(著/文) - 早川書房 | 版元ドットコム
    https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784152103918


  • 主人公キアラの身にふりかかるできごとがあまりに理不尽で、胸が詰まる思いがした。最後には少しでも救いがありますように、と祈るような気持ちで読んだ。
    フィクションだとわかっていたはずなのに、すっかり作者の体験記として読んでいた。すごい才能を持つ人がデビューしたという驚きと興奮。

    ストリップクラブの店内で流れる低音の「激しい音楽」に「ファンク」のルビがあり、目の覚める思いがした。ファンクを知らない人にはわかりやすく、知っている人にはより明確に店内の雰囲気が伝わる。
    ルビひとつで表現を深めることができるのだと、ただただ感嘆!

    早くも6月に新作が刊行されるそうだ。ぜひともまた井上さんの翻訳を熱望します!

  • 先ずは17歳にしてこのような小説を書けることに感服。著者自身も10代のうちに黒人10代のリアルを描きたいという意志のもと書き上げたという。読んで損はない一冊と思う。

  • 汚れたプールが卑劣な環境に生きる少女たちの成長を見つめている物語。

  • ふむ

  • 読んでいたけど、半分手前でリタイア。作者の素晴らしい才能は感じるものの、あまりに重い内容で、読み進めるのが苦痛に。「訳者あとがき」を読んで、作品の背景と作者の思いを知り、自分の器の小ささに恥じ入る。必ずまた手に取る。

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