ソラリス 上 (ハヤコミ(ハヤカワ・コミックス))

  • 早川書房 (2025年1月22日発売)
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Amazon.co.jp ・マンガ (176ページ) / ISBN・EAN: 9784152103994

作品紹介・あらすじ

ソラリス――この静謐なる惑星は意思を持った海に表面を覆われていた。心理学者ケルヴィンは、惑星の謎を解明するべく派遣されたのだが……。人間を超える知性とのコンタクトは可能なのか? 連載中から絶賛の声続々! 人気作家が傑作古典を余すことなくコミック化

感想・レビュー・書評

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  • SFマガジンに本作品の第1話(冒頭部分?)が掲載された時に、このコミックスが今後連載されるのかと思ったが、そうはならなかった。少々残念な気持ちのままその時は諦めたが、今回単行本2冊という形態をとって出版された。最初はネットでしか見られないという先入観もあったので、この快挙に(大げさかな)年甲斐もなく興奮してしまった。書店でも結構な冊数が出ていたので、販売元もかなり気合が入っているのではないだろうか。

    ソラリスというと真っ先に思い浮かぶのは映画「惑星ソラリス」。タルコフスキー監督によるこの作品は今までに何回も観てきた。ストーリーが解っていても何回観ても飽きない。未来の交通網「首都高」、驚きのラストシーン、そして妻のハリー(ナタリヤ・ボンダルチュク)に当時かなり憧れていた。そのため、映画とコミックスとをどうしても比較しまいがちになる。まず、ソラリスの表面に時々生成する「形成物」は、いつもSFマガジンの最終ページを飾る酉島伝法の「幻視百景」の不気味なイラストに酷似している。ハリーのキャラクターも映画のナタリヤとはかなりイメージに開きがある。

    ソラリス・ステーション(映画では宇宙ステーション「プロメテウス」)に出現する幻影についてはいろいろな解釈がなされている。ただ、全ての現象を人間が作り出す学問・説で説明することは不可能な様だ。まさに人知を超える生命体である。残念ながらまだこの世界ではシンギュラリティには至っていない。仮に至っていたとしても、そもそも解明できないものなのかもしれない。

    ケルヴィンとハリーとの愛が静かに燃え上がったところで下巻に続く、

  • 「ソラリス」をマンガ化、森泉岳土さんインタビュー 複雑さを複雑なままに|好書好日 2025.03.06
    https://book.asahi.com/article/15651858

    SF小説の金字塔『ソラリス』を完全コミカライズ。漫画家・森泉岳土「原作をちゃんと咀嚼して漫画ができた」。原作翻訳者にもOKをもらったコミカライズのこだわり《インタビュー》 | ダ・ヴィンチWeb 2025/3/20
    https://ddnavi.com/article/1252988/a/

    ソラリス - スタニスワフ・レム(原作) 森泉岳土(漫画) | ハヤコミ
    https://hayacomic.jp/series/a947a3d0ec0a1

    ソラリス: 書籍- 早川書房オフィシャルサイト|ミステリ・SF・海外文学・ノンフィクションの世界へ
    https://www.hayakawa-online.co.jp/shop/g/g0000012000/

    スタニスワフ・レム Stanisław Lem:生涯と作品 | Article | Culture.pl
    https://culture.pl/jp/article/stanislaw-lem-a-portrait-of-the-writer

    ソラリス 上: 書籍- 早川書房オフィシャルサイト|ミステリ・SF・海外文学・ノンフィクションの世界へ
    https://www.hayakawa-online.co.jp/shop/g/g0005210399/

  • 60年以上前の不朽の名作の漫画化
    評価は上下巻込み
    原作は途中で挫折してるので喜んで読んだのだが まあなるほど 程度の感想
    当初は斬新なアイデアも上手く換骨奪胎された作品を何作も読んだ後だとふーん で ってなる
    どうしてもこういう古いものはこうなってしまうよねー
    クリスティのミステリ読んでて あ、それ昔パタリロ!で読んだ、とか(パタリロ!には森羅万象全てのエンタメが詰まってるから)
    それを思い出させてくれたことが収穫

  • 本編を読んでいないのだけど、そういう意味では導入になりそうな気も。
    読みかけの本をあれこれ読みおえたらチャレンジしてみようかなという気にさせられた。

    SFセミナー(2025/5/4)の講演で、森泉さん、ハヤカワの編集の人に「うちのラインナップで何かコミカライズしたい作品はありませんか」と聞かれて「ソラリスやりたいです」と答えたら「ええっ?!」とのけぞられたという話をしてた(笑)。たしかにすごいチャレンジだけど、作画にとりかかるまえに物語全体をまとめて視覚的なメモをつくったときの作業を画像で紹介してくれていて、それを終えた段階で7割ぐらいは描きあがったも同然、というのがまたすごかった。

  • 第120回ビブリオバトルinいこま「視覚で楽しむ本」第2ゲームで紹介された本です。
    チャンプ本。
    2025.4.27

  • よくぞ漫画にしてくださった。
    事細かに描写しない方が良いことってあるんだなあ。
    静かで怖くて大人の雰囲気。

  • 原作とともに読み終わりました。(上下巻の感想として)

    タルコフスキーやソダーバーグの映画とも違う、1番原作通りの内容だと思いました。

    描き込みの少ない画風で、原作にも通じる静かな心理描写がうまく表現出来てると感じました。

    ただ「風の谷のナウシカ」や「AKIRA」世代の自分にとっては、精密で描き込みの多いメビウスの様な画風をやっぱり期待してしまう。

    でも久しぶりに漫画の新刊を買って良かったと思った作品でした。

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著者プロフィール

スタニスワフ・レム
1921 年、旧ポーランド領ルヴフ(現在ウクライナ領リヴィウ)に生まれる。クラクフのヤギェロン大学で医学を学び、在学中から雑誌に詩や小説を発表し始める。地球外生命体とのコンタクトを描いた三大長篇『エデン』『ソラリス』『インヴィンシブル』のほか、『金星応答なし』『泰平ヨンの航星日記』『宇宙創世記ロボットの旅』など、多くのSF 作品を発表し、SF 作家として高い評価を得る。同時に、サイバネティックスをテーマとした『対話』や、人類の科学技術の未来を論じた『技術大全』、自然科学の理論を適用した経験論的文学論『偶然の哲学』といった理論的大著を発表し、70 年代以降は『完全な真空』『虚数』『挑発』といったメタフィクショナルな作品や文学評論のほか、『泰平ヨンの未来学会議』『大失敗』などを発表。小説から離れた最晩年も、独自の視点から科学・文明を分析する批評で健筆をふるい、中欧の小都市からめったに外に出ることなく人類と宇宙の未来を考察し続ける「クラクフの賢人」として知られた。2006 年死去。

「2023年 『火星からの来訪者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

スタニスワフ・レムの作品

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