マイ・ゴーストリー・フレンド

  • 早川書房 (2025年2月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784152104052

作品紹介・あらすじ

売れない役者の佐枝子は、ホラー映画脚本家の紹介で、都内の団地で頻発する怪奇現象を調査するドキュメンタリー映像のレポーターを務めるが、老婆が斬首されたと噂の部屋で大蛇の這いずった跡を目撃し……ギリシャ神話の世界が現実を侵食するホラーSF大作!

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

ホラーとギリシャ神話が交錯する独特の世界観が魅力の作品で、売れない役者の佐枝子が怪奇現象が頻発する団地でレポーターとして奮闘する姿が描かれています。物語は、団地内での不気味な出来事や、謎の女性春日ミサ...

感想・レビュー・書評

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  • 売れない役者の佐枝子は、ホラー映画脚本家の紹介で、都内の団地で頻繁する怪奇現象のドキュメンタリー映像のレポーターをすることになる。
    その脚本家と話をしたところまでの記憶はあるが、酒のせいで気づくとすでにその団地の一室で寝ていた佐枝子。
    現地スタッフの大学生の真野といっしょに団地内の怪奇を探るべくインタビューを始めるのだが…。

    団地内で大蛇か這いずったような跡や浴室内の壁にある鱗など、どうやら調べると10年前に老婆が殺されてから呪われているらしい…。

    初日にベランダから双眼鏡でのぞいていたら、逆にこちらを伺っていたファミレスのウェイトレスの春日ミサキが何か知っているよう…。


    怪異というよりもギリシャ神話を模倣したかのような驚愕の扉を開けることになる。
    話が膨らみすぎて消化しきれるか…と思うほどに壮大な世界観の中、冒険…というよりもアクションも多めなのか、何故かゾンビ相手に逃げ惑うような気持ちになっている不思議さ。


    記憶として残らないほうがよいのだなと感じたのは、夢を見終わったあとのような佐枝子の姿である。
    佐枝子の性格も行動も好感がもてて楽しめたが、最後、春日ミサキが何者かは知らないほうがいいのかも。








  • SFというか、ギリシャ神話に絡めたホラーのような気がする。
    都市伝説やオカルト要素が色濃く、アクション要素もあった。
    生命の起源や人間の意識とは何か、といった壮大な問題にも触れていた。
    スケールの大きなテーマを盛りだくさんに詰め込んだ物語の舞台が団地って。ギャップが面白い。

  • ▼ハヤカワの新人デビュー作。基本、ホラーと呼ばれるものは読まないのですが、今回縁ありまして。結論としては、文章が良ければ、面白く読めるんだな、と。

    ▼売れない女優の佐枝子が、怪異現象が起こる団地にレポーターとして棲みつくことから起こるお話なんですが、前半途中から、謎の女・春日ミサキが出てきます。もう忘れつつあるのですが、

    佐枝子=売れないけど売れることを諦められないパッとしない30前後。
    ミサキ=どこか自己完結した凛々しい謎めいた25歳前後。

    くらいな印象なんです。
    そして、徐々に物語は色んな怖い怪異とパラレルで「ミサキがなにものなのか」という話が展開して、同時に「ミサキが怪異と対峙、戦い、佐枝子を鮮やかに救う」というヒーローものとしてわくわくしてきて、やがてやや「あれなんだか、そうなっちゃたぜ」的な感じで、<佐枝子とミサキの女性バディもの>になっていく感じです。

    ▼つまりは、「春日ミサキ」が魅力たっぶりに描かれています。
    ただ、この人は割と超人です。

     常人である「佐枝子」がいないと話は始まった瞬間からなんだか間口の狭いオタクコミックめいた感じになってしまって、地に足がつかない。

     なんだけど、読み進めて行くと佐枝子は、怪異現象、謎、つまりミステリの「壁打ちのための壁」に過ぎなくて、キャラクターに魅力を感じない。

    ▼書き手が「春日ミサキ」に愛情とわくわく感を感じて書いたんだろうな、ということがすごく推察されます。それが成功の原因でもあるし、序盤から終盤まで何かが一貫しない闇鍋感の原因でもあるんだろうな、と。

    ▼ただ、文章がコリコリして、でも読みやすくて、諧謔と知性と自分の世界観がはっきりしているの、内容はともかく(笑)読めてしまいます。それは素敵。

  • 第12回ハヤカワSFコンテストでは2つの作品が大賞となったが、どちらも読み終えて全く納得いかなかった。この2作品はとてもSFとは思えない。辛うじて、設定の奇妙さに重きを置いて読めばSFと言えなくもないが、それでもとても大賞とは思えなかった。選考委員の評価もバラバラで、実際に評価は二分された。特に神林長平の選評は酷かった。自分が推した作品(羊式)の良さを高評価するのではなく、自分が推した作品を読んでそれに感動した自分の感性を他の選考委員に強要するというトンデモ評価をしてくれた。こんな書評はあり得ないだろう。作者に対しても失礼極まりない。即刻、神林は選考委員を辞めるべき。

    選考委員の東浩紀は、今回対立した神林に耐えかねて選考委員を辞退する意向を示している。その東が、今回の最終候補作は過去12回の中で最も粒が揃っていたと評していた。これは、みんな小粒で揃っていたという邪推を誘うような言い回しだ。ならば、大賞2作品の他に選ばれた優秀賞受賞作品「マイ・ゴーストリー・・・」を読んでみれば、粒の大きさが判別できるだろうという思いに至った。大賞だけでなく優秀賞までも書籍化すると判断した早川書房の英断に感謝したい。さあ、粒の大きさを判断しよう。

    本作品も大賞2作品と同じで、最初の部分はSF口調ではない、ホラーでSFではなかった。どんどん読み進めて行ってもSFではなくホラー度がどんどん高まっていくのだが、知らず知らずのうちに作品にのめり込んでいった。面白い、確かに面白い小説、この作者は文章力が極めて高い。更に言えば、大賞2作品とは明らかに実力に雲泥の差があった。半分くらい読んで、この作品の方が大賞だろうと確実に認識した。自分にギリシャ神話の知識があったから澱みなく読み進めたのかもしれないが、ホラーとギリシャ神話との間にこんなにも親和性(神話性)があるとは予想していなかった。これはきちんと下調べを行っている証拠だ。そして最後の第三部でようやくSF小説らしくなってきた、好感触。そのSFの性質についてはかなり強引なロジックではあったが、所詮SFはフィクションであるからして、その点は割引いて評価しても良かろう。稚拙なSFと評する人もいるかもしれないが、著名なSF作家と比べてもあまり大差ないレベルと思う。山田正紀の「神狩り」のレベルには遥かに及ばないが、同ジャンルのホラーで言えば宮澤伊織の「裏世界」レベルの領域には十分達していると思う。

    東の情報だと、6人の作者のうちカリベ氏のみがアマチュア作家とのこと。これには驚いた。とてもアマチュアとは思えない作品のスタイルを紡ぎ出してくれる。繰り返しになるが文章力は確実にあるし、文章の構成も秀逸、事前調査もきちんとしている。唯一の懸念点は、この作品を作り上げるのにどれだけの期間を使ったかということ。私としては寡作家であっては困る。一旦SF作家でデビューしたらどんどん作品を書き続けて欲しい。早川書房も担当をしっかり付けて出版を促進して欲しい。SFと言ってもジャンルは広いので、先ずは御自分の好きなSFの分野を中心に進めて多くのファンを獲得することも重要。

    ということで、早川書房はカリベユウキをしっかり捕まえておくべき。うかうかしていたら、東京創元社だけではなく、大手出版社からも狙われる可能性もある。ホラー小説だけだと読者の裾野が広がらない。文章力があるので最近流行しているSF作家の脱SF、ひいては芥川賞も夢ではないかもよ。調査能力もあるので「同志・・・」の様なベストセラー作家に化けるかもしれない。夢が果てしなく広がる要素を沢山お持ちだが、重要なのは第二作目をどうするか、全てはこれにかかっている。さあ、カリベユウキはどこへ行くのか。楽しみです。

    P.S.
    本作品は途轍もなく大粒でした。それを見抜けないSFコンテストの選考委員は新人を発掘する能力・資格なし。第13回は選考委員を総入替だな。

  • ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作
    面白い設定だと思うが、
    自分には詰め込み過ぎの内容でした。

  • 人がたびたび消える団地に潜入し
    いったい何が起きているのか
    売れない女優が現場リポートする
    序盤の禍々しい雰囲気がよかった。
    鱗にびっしりと覆われた浴室とか
    ぬめる粘液まみれの部屋とか
    総毛立つほど気色悪かった。
    でも、まさかその怪異が小泉八雲や
    ギリシャ神話とつながっていたなんて。
    怪異に意味や因果をもたせたことで
    あまりにも壮大になりすぎ
    最後までついていくのに疲れてしまった…

  • 3.3くらい。

    ツイッターで面白いと聞いてたけど、そこまで刺さらなかった。

    団地ホラーは最初だけで、ギリシャ神話の見立てだとわかると、なあんだの気持ち。

    最後はアクション映画っぽくなって、インディージョーンズだった。

    ギリシャ神話と団地ホラーの融合具合は面白かったけど、やっぱ理系で処理されちゃったのがな。ワクチンとか、プログラムとか。
    真空状態にサーバーがあるというのは面白かった。シン・エヴァで言ってた生命の書ってこれのこと?ってやっと理解出来た。

  • SF×ホラー×アクションとジャンルごった煮で楽しめた。
    ギリシャ神話の物語への関係のさせ方は「なるほど」となったしゲームさんぽで藤村シシン先生回をループしてるので個々の話に親近感が湧いて良かった。
    ただオチの付け方はもう一声というのが正直なところ。
    上記のどのジャンルと認識して読むかで面白さの度合いが変わりそう。

  • 東京の団地に突如として現れた数々の怪異。その怪異をレポートするために派遣されたのが、うだつの上がらない女優志望の主人公だ。調査を進めていくと怪異はギリシャ神話をなぞっていることが分かってくる…
    悪魔祓いにノートパソコンを使用したり、幽霊に向けて銃を撃ったり、いままでにないアイデアが面白い。
    団地に怪異とギリシャ神話というミックスが斬新であった。

  •  第十二回ハヤカワSFコンテストの優秀賞を受賞した団地ホラー小説。
     奇怪な現象が起きているという噂の新宿区の団地で、売れない女優がドキュメンタリーのレポーターをすることになる。団地内に住み込むうちに、大蛇の通ったような跡や、壁から生えているウロコなどの怪異に遭遇するが、やがて一部の住人たちが何者かに憑依されていることに気付き、訳のわからないものに襲われそうになる。
     後半になるにしたがって怪異現象とギリシャ神話との答え合わせのような物語になるのだが、これがまったく関心が持続しなかった。団地のホラーとギリシャ神話、真空(向こう側)の世界、クラウド化された意識といった組み合わせは突飛だったが、意味のない断片同士を無理やりつなぎ合わせていく作業は作者のひとりよがりでしかなく、読者にとって退屈そのものだった。
     まったくの新人のデビュー作のため多少甘めに見たとしても、好みではなかった。

  • なかなか人を選びそうな本。
    まだるっこしくて焦れたけど
    頑張って読んだ。
    最後がちょっと切ない。
    主人公の時々でる男っぽい言葉に違和感。

  • 『このホラーがすごい!2025年版』より。

    ギリシャ神話をモチーフにした物語で、ホラーというよりファンタジーに近い気がする。
    SFコンテスト受賞作ということなのでただのSFか。

    ギリシャ神話に詳しくないため理解しきれず、読むのに時間がかかった。

    ラストのアクション満載な展開をゲームみたいだと思ってしまうのは現代っ子故か。

    エピローグの電車で見かけた彼女はミサキだったらハッピーエンドだけど、別人説に一票。

    佐枝子の元カレの結城といきなり付き合い出す唐突感。
    メインでないとはいえ惹かれた理由を知りたかった。

  • 第12回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作
    前半は、怪奇現象が頻発する団地に主人公「町田佐枝子」が突撃する「ホラー」
    後半は、突然「ギリシア神話」が絡んできて・・・というお話
    SFというか伝奇ものですな。
    登場人物造詣がちょっと淡泊かな・・・ 佐枝子とミサキのバディは良かった。
    第12回ハヤカワSFコンテストの最終候補中では唯一「まったくの新人」らしいので今後の活躍に期待ですね

  • 何より面白かった!これに尽きます。最初は不気味なホラーで始まり、これがどうミステリーやSFに展開していくのか??という感じでした。怖いのだけど次を読み進めてしまうドキドキとワクワクがあります。そこから後半畳み掛けるような疾走感も読む手が止まらなかった。
    ギリシャ神話、そして生命のあり方など壮大な話につながる展開は、果たしてその描写がどこまでリアルかは判断しかねるものの知的好奇心もくすぐるエンタメ。怖い描写はなかなかに想像力をかき立て頭に鮮明に浮かぶのでホラー苦手な人には結構怖いかも。とにかく非日常に入り込んでで「おもしろい!」と感じれる1冊でした。

  • おもしろかった。ホラーとユーモアのバランスが貴志祐介っぽいなと感じた。

  • SFというよりホラー。
    とある団地で起きた怪異に、売れない女優が巻き込まれていく。

    二人の女性のコンビ、って表現が出てきて興を削がれた。
    アラン・スミシーって偽名なのかと思ったらそうじゃないみたいなのも意味がわからなかった。

  • オカルト満載、トレジャーハンターや怪しい秘密組織、騙されて潜入する売れない女優の主人公が後先考えずに突き進む。ギリシャ悲劇を背景に神話の悲劇が形を変えて現在に現れる辺り、こじつけ部分もあるような気がするも、とても面白かった。

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