- 早川書房 (2025年5月22日発売)
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感想 : 58件
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Amazon.co.jp ・本 (160ページ) / ISBN・EAN: 9784152104281
作品紹介・あらすじ
銀河系内の数万の言語が同時翻訳されている時代。辺境の惑星の、翻訳機では解読できない本を販売する書店にやってきた女性の、意外な目的とは……(表題作)。長篇『派遣者たち』の原型となった「沼地の少年」を含むレトロテイストなショートストーリー14篇!
みんなの感想まとめ
近未来の社会を舞台にしたこの短編集は、デジタル化と地球外との交流が進む中で、アナログな感覚への欲求を繊細に描いています。若手韓国作家による軽やかな筆致が特徴で、全体で150頁ほどと読みやすく、SF初心...
感想・レビュー・書評
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タイトルに惹かれて。著者初読み。若い人らしい軽やかで優しい雰囲気のSF掌編小説集。サラッと読めた。カシワイさんの装画素敵。『サボテンを抱く』『惑星語書店』『とらえられない風景』『シモンをあとにしながら』『外から来た居住者たち』が好き。
詳細をみるコメント2件をすべて表示-
アールグレイさん惑星語?ってどんな言語かしら?惑星語?ってどんな言語かしら?2026/01/18 -
111108さん読んだり喋ったりできる人がほんの一握りしかいない、遠い星の言葉みたいですよ(^ ^)読んだり喋ったりできる人がほんの一握りしかいない、遠い星の言葉みたいですよ(^ ^)2026/01/19
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安定のキム・チョヨプ節が短編より簡潔な掌編で楽しめる。全体でも150頁ほどで2時間くらいで読み切ってしまった。若干物足りないというか、もう少し読みたい感もあるけど、終盤の何作かは世界線として繋がっていて、続きものとしても楽しめる。
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韓国の若手作家によるSF短編集。
『惑星語書店』というタイトルと、表紙のイラストに惹かれて手に取った。
物語はデジタル化や地球外惑星との交流が進んだ近未来の社会が舞台となっているが、その中から抑えきれないアナログな部分、感覚的な部分への欲求が丁寧に、繊細に描かれていて、とても好ましく感じた。
150頁ほどの短編集ということもあり、SF初心者でも読みやすいと思う。
好きだったのは、最初の短編『サボテンを抱く』。
接触すると痛みを生じるという「接触症候群」に罹患した建築家と、彼女の世話のために派遣されたロボット。愛する者に触れられない哀しみと、失った心の痛み。完全に非接触で生活できるよう設計された家の中で育てられているサボテンが、制御できない感情の揺らぎを象徴しているようで、とても強く印象に残った。
本書には、地球外生物が侵入してきた地球を描いた小説も多い。ただ、侵食され破壊されていく地球の危機的状況を描くのではなく、異物がいつのまにか共存していく、という世界観なのが面白い。
進化した未来は、バラ色でもディストピアでもなく、変化を生じながらも良い塩梅のところで落ち着いていくのではないか。AIが席巻し、世界中で紛争が絶えない現代、1993年生まれの若い著者がこのような小説を書いたことに、地球の未来はそれほど暗くないのではないか、と少し希望が見える気がした。 -
SFは少し苦手なジャンルだけど、キム・チョヨプさんの世界観、やっぱり好きだな。『派遣者たち』も早く読みたい!「メロン売りとバイオリン弾き」「惑星語書店」「切ないラブソングはそれぐらいに」が特に好きかな。*痛みを与えないことが愛なのか、はたまた痛みに耐えることが愛なのか(サボテンを抱くより)
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大好きなキム・チョヨプさんの短編集。
今作は14作収録されており、『サボテンを抱く』『惑星語書店』『シモンをあとにしながら』『外から来た居住者たち』が特にチョヨプさんらしさを感じる作品でした。
『派遣者たち』の原型となった短編も収録されているため、『派遣者たち』が好きな私にとってはたまらなかった。
カシワイさんの装画も、チョヨプさんの世界観にピッタリです。 -
『外から来た居住者たち』が
キムチョヨプらしい叙情のある
SFだったな
長編もよんでみたい -
とても新鮮な読後感だった。ここには、まだ知らなかった価値観と日常が描かれている。
全部で十四の短編が収録されているが、それらは大きく二つのカテゴリに分けられていた。
『互いに触れないよう気を付けながら』と銘打ったものが八つ。『ほかの生き方もあることを』と冠されたものが六つである。
最初のカテゴリにはさまざまな存在同士のコミュニケーションが描かれていた。人とロボットの時もあるし、隣の次元の人間同士の場合もある。
表題の「惑星語書店」はすべての言語が翻訳できるモジュールが当たり前に使われている宇宙の話。そこでは人々は別の星の言葉を何の苦労もなく読めるし、話せるし、理解できる。ただ一軒、翻訳モジュールに対応していない書店があって、そこは観光客に「読めないことで感じる異国情緒」を提供していることで成り立っていた。宇宙のあちこちから、それを感じるために観光客がたくさん来る。
後半のカテゴリはそれぞれ別の主人公の話だが、同じ世界線のものが多い。遠い未来、地球外植物による侵略(「大侵攻」と呼ばれる)が進行しつつある世界の話だ。その過酷な環境で自分たちが生きる道を模索する姿が描かれる。少しぞっとするが、不思議に静かな空気に包まれた話が多かった。彼らにとっては、これも日常だからだろう。
一番好きな話は「サボテンを抱く」という接触症候群の女性の話だが、人々の未来に対する願いがその姿を決定づける疑似人格の話「願いコレクター」も捨てがたい。
ほとんどの物語で当たり前のように女性が主人公だった。星新一や藤子不二雄のSFマンガで当然のように男性が主人公のものばかり読んできた身にすると、窮屈な服を脱ぎ捨てたような気分。こんな本がもっと読めますように。 -
現代版おしゃれな星新一feat.ほっこりって感じ
特に沼地の少年がグッときた -
「サボテンを抱く」と、表題作「惑星語書店」がとてもよかった。
特にサボテンを抱くは最初に収録されているお話なのもあって一気に心を掴まれてしまった。
SFなのでそれぞれに世界観設定のようなものがちゃんとあるわけなのですが、説明的な文章が全然ないのにしっかりその世界に入っていけて、本当にすごい。頭の中がサボテンやらキノコやら謎の菌糸生物やら宇宙の黄色い絶景やらでいっぱいです。
どうしてこんなに景色が浮かぶんだろう。掌編だけあって色んな世界を見れるので、惑星間旅行から帰ってきましたみたいな顔で本を閉じました。
ひとつひとつのお話は短いのに、ひとつ終わるごとに色んな景色を頭の中で想像してなかなか先に進めなくて、それがとても楽しかった。
表紙カバーを外すとこれまたオシャレなのですが、そのイラストも読み終わった後に見ると発見があってとても面白いです。
「派遣者たち」をまだ読んでいないのですが、これはもしかして繋がってるのかな?という物語もあり、楽しみが増えました。 -
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一作数ページ~数十ページのSF短編集。
違うもの同士が出会い、ひととき過ごして、また違う道を歩いていくというような、大きな事件はおきないけれど、胸がじんわりするような話が多い。とても好きな感じ。
自分とは違う相手に触れて、相手のことが理解できるようなできないような、それはそれでいい。
出会って別れて、それは心に刻まれて。この不寛容な時代に染みる。
世の中には私の知らない素敵な作家さんがたくさんいるんだなあ。他の本も読みたい。 -
私たちが分かり合えないのは心だけじゃない。
身体感覚だったり知覚刺激の反応の違いによる孤独や断絶も、ずっと存在し続けている。
キムチョヨプさんは、SFとして少し形を変えた世界を扱うことで、普段見過ごしてしまっているような今この世界の歪さ、不条理、残酷さを明らかにして
さらに共生のための補助線をそっと引いてくれる。
本当に驚異的な作家さんだと思う。
短編ならではのシュールなお話もあって面白かった。
「派遣者たち」を読むのも楽しみ。 -
キム・チョヨプ氏のごく短いショートショートサイズの小説を集めた、掌編と呼ぶのがぴったりの作品集
相変わらず表紙絵がいい
独立した掌編が集まった『互いに触れないよう気を付けながら』と、緩やかに登場人物や世界のありようが繋がっている『ほかの生き方もあることを』のふたつのパートに分かれているけど、これまで読めたキム・チョヨプ氏の他作品に比べて、こころに突き刺さる痛みの成分が控えめというか、良い意味で刺さり過ぎない読書ができた
収録作の中でも惹かれたのは、皮膚が過敏になりすぎる難病に侵された人の『サボテンを抱く』と、その惑星に住む人はみな仮面を付けている、その理由を細やかに紐解く『シモンをあとにしながら』
言語SFっぽさもある『惑星語書店』は長編のプロローグみたいな内容だったので、もっと掘り下げて読んでみたい -
読みたい読みたいと思っていたキム・チョヨプさんを初めて読んだ
面白い!好き!!
地球外生命体として植物に侵食されつつある地球が主な舞台
共生か侵略か寄生か、そもそも地球の人類がそれを選べるような状況なのかも分からない
絶滅って劇的じゃ無くてこんなふうに緩慢にすすんでいくものなのかもとゾワゾワしながらも、ちょっと違うように思える隣人を受け止めたり理解してみようと思う視線の暖かさが絶妙
表題作の惑星語書店も、設定はSFなのに出てくる人達の気持ちは私たちと同じでノスタルジーに悶えた
『サボテンを抱く』には泣かされて、最初からこんな完成度でこの後どうなっちゃうのと思ったけど、総じて大満足読書でした -
短編集だけど、大きく二つに設定が別れている。特に後半の短編は連作。
印象に残っているのはタイトルの「惑星語書店」。
リアルタイムで会話も翻訳される世界で、翻訳できず、絶滅しかかっている言語で書かれた本が置いてある書店を舞台にした話。
折しもツイッターで自動翻訳を実装し、海外のツイートがTLに流れてきたときだったからものすごくリアルに感じられた。
この表題作だけでもツイッターしている方はいま!読んでほしい。 -
SF掌編集。
最初の「サボテンを抱く」で心を鷲掴みにされた…!ここではないどこかの世界の話でありながら、この世界で生きるために大切な優しさを教えてくれる、不思議な物語ばかりだった。
予備知識なしでふと手にとった本が自分好みだったとき、なんだか運命を感じる。 -
“ネタ帳”感覚のSFショートショート
未来のほんの一コマの風景を、登場人物たちの会話で柔らかく包んだ、甘くて苦いチョコ詰め合わせ
この作家独特な面白さで、スッと物語に入っていける。
頭の中ではどれをとっても長編へ飛躍できる、が、一瞬で刺激の来る超短編だから、これもいい。
この本が好きな人におすすめの本
著者プロフィール
キム・チョヨプの作品
