ドールの庭 (ハリネズミの本箱)

  • 早川書房 (2005年4月14日発売)
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本 ・本 (280ページ) / ISBN・EAN: 9784152500311

感想・レビュー・書評

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  • 2014年の下書きが出てきたので供養!

    丸山幸子さんの印象的な表紙イラストに魅かれ、思わず手に取った。真っ黒な川を渡る小舟に乗った女の子。城壁で囲まれた都市は灰色で生き物の気配が見えない。  
    門番にコビトノアイと名付けられた女の子は、銀のペンダントを胸に、銀の靴でカツカツと石畳を歩いてゆく。コビトノアイ=ノモノはお姫様で、悪い銀の魔女によって花に変えられた幼友達ノジャナイを救う方法を探している。人気のない灰色の街で、彼女の求めるドールの庭は見つかるのか。    
    読んでいてどうにも腑に落ちなかったのは、銀の魔女シルディスがどうしてノジャナイを花に変えたのか。魔女は言う。お姫様には女王になってもらうのが自分の望みだと。自分が女王になって国を乗っ取ろう、とか言う発想の持ち主ではないようだ。しゃべり方も子供っぽいし、なぜ王様が彼女に魅力を感じたのかわからない。  
    物語はコビトノアイともう一人、吟遊詩人のヤリックの視点からも語られる。コビトノアイが立ち寄った先に彼女を追って現れ、飄々とした態度で彼女の過去を人々に語り聞かせる。最初は銀の魔女の追手かと思いドキドキしたが、純粋にノモノを手助けしたい一心で追いかけているだけだった。コビトノアイをアノコノナと呼んで見守るが、彼女がノジャナイに心を寄せていることを察しているため、一歩退いて決して自分の思いを伝えようとはしない。ノジャナイが元に戻って町の外へ向かってしまったときはマーティン・ピピンみたいな展開になるのかとも思ったが、戦いが終わった後にちゃんとノジャナイが帰ってきてくれてほっとした。ヤリック、報われない…  
    ヤリックもいいキャラクターだけど、私はコビトノアイ=ノモノ=アノコノナがとても好き。7年間も努力して諦めず、辛くても物事をやり遂げようとするところに好感を持った。かなりノジャナイに一途だし、ヤリックには見向きもしていない。そもそも肝心のノジャナイは回想でしか出てこないけど、割と普通の男の子な印象だけど、両想いだったんだろう。身分差とかも考えてたらしいけれどエンディングではうやむやになっていた。しかし、姫が出奔して七年であんなに老けるお父様もなかなかすごいというか、そもそも王妃様の影が薄すぎる!そして今思ったけど、魔女は忘れられて寂しかっただけなのかもしれない…

  • 小学生か中学生の頃に読んだ本。
    話の筋はかわいくないのに、寓話的でなにかかわいらしさを感じる作品だった記憶があります。
    小さな恋がテーマになっている作品だったせいかもしれません。
    いつになっても台詞やラストシーンが心に残る作品なので、自分が親になる日が来たら買ってあげたい本です。

  • オランダはミッフィーちゃんだけじゃない その2。
    児童文学とジャンルわけされているけれど
    だから読む機会にめぐり合えない大人は勿体ないな、と言える1冊。

    導入部分からしてスゴイので。
    よく使われる『映像的』な描写とでもいうんですかね。
    供される話を読まされるのではなく 物語の中に
    1行読んだだけで ジブンも気付けば入り込んでる!
    から 頁を繰り出したらもう夢中。人間がもし花になったなら なんて
    想像もつかないんだけれど ・・・あ、ネタバレですかね。

    貸してくれたMちゃん いつもありがとう♡
    テーマは『愛だよ!!(悶える振り付き)』って聞かされたときは
    やさぐれ大人にゃ不向き 速攻返そうと思ったのは短慮でした。
    あとがきにもあるように
    テーマは友情、愛、孤独、不安、嫉妬、死、戦い
    つまり全世代向け。お薦めです。

  • すべてが灰色に枯れはて、ひっそりとした町、ドール。ここへひとりの女の子がやってきました。魔法で花に変えられた仲よしの男の子を救うため、秘密の庭をさがして旅をしているお姫さまです。謎めいたこの町で、はたして庭は見つかるのでしょうか?そしてお姫さまは男の子を取りもどせるのでしょうか?命の消えた町ドールに希望の花が開くまで。

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