夢幻諸島から (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

  • 早川書房 (2013年8月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (448ページ) / ISBN・EAN: 9784153350113

作品紹介・あらすじ

〈英国SF協会賞/ジョン・W・キャンベル記念賞受賞〉死と狂気に彩られた無数の島々〈夢幻諸島〉には、それぞれに美しくも儚い物語がある……。語り/騙りの達人プリーストが紡ぐ眩惑の連作集

みんなの感想まとめ

幻想的な設定の中で織りなされる物語が魅力の連作短編集で、夢幻諸島という架空の世界を舞台にしたガイドブックの形式を取っています。読者は、島々の独特な逸話やキャラクターたちの関係性を通じて、時に混乱しなが...

感想・レビュー・書評

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  • 架空の星にあるドリーム・アーキペラゴ諸島の観光ガイド、物語で紹介する連作短編集
    実は購入してから3回目の挑戦で、ついに読み終えた。毎度眠くなるのだ

    実に半年程、3回目の挑戦でやっと読み方、付き合い方がわかった
    時間勾配の歪みのため正確な地図が作れない
    この設定部分を勘違いして読んでいた為何が何だかわからず毎度眠くなってしまっていた

    島々の逸話集とてっきり思っていた為、例えば何度も出てくるパントマイマー殺人事件
    別の島の話になってもその事件が語られ始め時間と土地の認識が自分の中で整理することが出来ず理解しようとゆっくり読んでいたらいつの間にか寝ていた
    はっきりとSF設定のある架空のガイド本ではなく幻想ミステリー(?)と思い向き合ったらようやく夢幻諸島という枠組みが腑に落ち、島々で語られるエピソードの断片が結びつきパッチワークのような構造の物語だったのかとわかった

    実際にある島の設定なんじゃと思ってしまうほど設定が細かく、プリーストの想像力、何よりこんな入り組んだ構造を構築出来る頭に眠くなってしまっていた自分が情けない

    心に刺さるか刺さらないかだけですごい本
    プリーストは小説が上手い
    悪い意味で上手過ぎる、とも感じるが

  • めっちゃ回りくどい表現にたまに耐えようのない眠気に襲われた。アーキペラゴの島のガイドブックなんだけど、島が多すぎて別の章で出てきた時、誰だっけ症候群になる。

    物語パートはとても魅力的な話がいくつかあるし、謎めいた詩人バーサーストや、パントマイムのコムス氏の殺人事件、殺人スライムの恐怖なんか結構ドキドキした。
    怪しげな塔の調査もその後どうなったのか知りたい。

  • 夢幻諸島の島々の解説本という体裁。始めのうちは「興味ない場所のガイドブックを読んだってつまんない」と集中するのに苦労したけれど、100ページくらい読んだあたりで夢幻諸島が脳内に突然立体的に現出してたいへん興奮した。こういう面白さは初めてだし上手く説明できない。世の本読みさんにはぜひ読んでもらって「おお!」となってほしいし、SF者のひとにはぜひこの本がどうすごいのか解説してもらいたい。

    時間勾配のため正確な地図が作れない世界という設定なのだけれど、地図以外にも、時系列だったり登場人物の人格だったり作者の後出しだったり、もういろいろ歪んでいる。その歪み、解決編のない多様なエピソードに幻惑された。とても贅沢な一冊だった。

  • 北と南に大きな大陸があり、その中間に広がる無数の島々から成る夢幻諸島。そのガイドブックという形を取った連作短篇集でありながら、長篇としての作品。半分は夢幻諸島に点在する島々の紹介であるが、それがこの作品の下地となって物語を引き立たせる。6~7人くらいの主要な人物が、時折挟まれる中編の物語に登場し、互いにリンクし影響を与え合いこの夢幻諸島に様々な痕跡を残す。超凶悪昆虫スライムとカムストン&カウラー、そして最後のヨーとオイの物語が強く印象に残った。

  • 最初は掴みどころが少なく読み進めるのに苦労。途中から何度か登場する人達の人物像や各々の相関関係が見えてきたり、諸島にまつわる謎や出来事が繋がり始めたりして、驚かされたり更なる謎が浮かんだりして、俄然猛烈に面白くなった。全ての謎が最後に収束するわけではないが、だからこそ読後にフワフワ&クラクラした心地良い余韻が残り、かつ何度も読み返したくなった。

    例えば今度読む時は、繰り返し登場する人物がどの島の話の時に登場するのか対応表を作り、各人物毎に登場箇所だけを一気読みしてみると、最初読んだ時とは違ったその人物に関する何かが見えて面白いかもと妄想している。
    または、不明な個所も多いけど、島ごとの気候や位置、産業、脱走兵や難民の扱い、通貨等を一覧表にまとめて、「何か発見できるかなあ」とニヤニヤしながら眺めたり、それをもとに地図をでっち上げる遊びなんかも出来そう。
    まあ、表を作ったからといって謎が消えることは無いけど、自分なりに整理したくなる魅力がこの小説にはある。色んな読み方楽しみ方が出来る小説だと思う。

    後、繰り返し登場する人物はみんな相当クセがある。その中でもトンネル堀りアーティストのヨーや画家のバーサーストは、人騒がせな芸術家だけどどこか憎めない魅力があり、名前が出てくる度に「今度は何をやらかしたのだろう」とニヤニヤしながら先を読んだ。

    夢幻諸島物の『The Adjacent』も是非是非翻訳して欲しい!

  •  プリーストの作品は訳者に恵まれ、多いとはいえないものの定期的に邦訳が出て、しかも傑作ばかりとあって、今回もいやが上にも期待が高まる刊行であったがその期待は全く裏切られず、それどころか予想を上回る超弩級の逸品であった。
     時空が歪み正確な地図の作成出来ない世界。南北の大陸に挟まれたミッドウェー海に浮かぶ<夢幻諸島>。不思議な島々の風土、文化、産業、人々などなどが様々な形式でガイドされる連作長篇。
     序盤は各島のガイドブック形式で始まり全篇を通じ基本的なフォーマットは変わらないものの、すぐにおぞましいハディマ・スライムのエピソード(本書に収められていないこのシリーズの関連短篇『限りなき夏』収録の「火葬」にも出てくる)、殺人事件の裁判記録(これが全体の伏線となる)と次第に話は佳境に入り、多彩な登場人物が巧みに結びついて、幻想的でエキゾチックそして不気味な<夢幻諸島>の観光に誘ってくれる。
     序文に<トークイルズ><トーキーズ><トークインズ>とほとんど名前の違わないが別な群島に関する記述がある。別であるようだが、言語表記による揺らぎもありうる、とはぐらかされる上に書き手は行ったことが無いという。さらに本文では<トークインズ>の<デリル>という島、<トーキンズ>の同名の島についてのこれまた紛らわしいガイドが出てくる。何せ時空が歪んで正確な地図が書けないのだから。それにしても何と魅力的な設定だろう。<夢幻諸島>には名前の無い島が無数にあって、それぞれに伝承やエピソードがあるに違いない。それこそ<無限>の世界が広がっているのだ。
     これまでプリーストは語りの巧みさによりぶれた写真のように実像と虚像のずれにより幻惑する長篇で我々を魅了してきたが、今回はモザイク状にエピソードをちりばめる形式で美しい幻影の世界を作り上げた。プリーストの技巧の幅は怖ろしいほどだ。
     個人的にはニューウェーヴSFでよくみられた断章形式をその影響下にあるプリーストがものの見事に流麗な語り口に深化させたことに驚かされた。さすがである。

  • SF?ファンタジー?連作短編集。
    これは何だ?自分には理解不能。評価はなしで。
    夢幻諸島の各島々のガイドブック形式で書かれていることが特徴的。
    個人的な意見では、この形式は非常に読みにくい。
    時折ストーリー形式の章があり、そこはなかなか面白い。
    最序盤の"アナダック 静謐の地"での昆虫騒ぎが一番面白かった。
    全体的には全然わからなかったが、幻想的で興味深い世界観を描いているのは確か。

  • すっかり作者が作り出した世界に引き込まれてしまった。地図が作れない島々には、それぞれ個性がありまるで島自体が生きているかのよう。ホラーじみた話も切ない恋の話もどこか曖昧ではっきりしないことが多く、夢の話のように終わってしまう。そこがいい。「双生児」を読んだ時はピンとこなかったが、これは面白い。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「どこか曖昧ではっきりしない」
      プリーストって、いつも煙に巻く感じですよね、、、
      「どこか曖昧ではっきりしない」
      プリーストって、いつも煙に巻く感じですよね、、、
      2014/04/17
  • 夢幻諸島-ドリーム・アーキペラゴ-何とまあ魅惑的な名前であることよ。その名の通り夢まぼろしのような島々をめぐるお話。

    ガイドブックの形を借りて語られる章と、物語風の章とが混在して、独特の雰囲気をかもし出している。複数の人物が何度も登場するけれど、まとまったお話に行き着くわけではない。その意味で、翻訳の古沢さんが言うように、これは長編ではないだろう。でも、一つ一つの章はかなり断片的なので、連作短篇とも言いにくい。まったくユニークだ。

    プリーストといえば、「語り」すなわち「騙り」。最初に読んだときより二度目三度目の方が格段に面白い。どこから読んでもいいつくりなので、気が向いたら適当にパラパラ読み返す楽しみがある。初読では、インパクトのあるスライム発見譚がお気に入り。

  • 超短編連作集

     想像の諸島を舞台に紡がれるさまざまな物語。最初とても退屈であるが、殺人昆虫物語から少しばかりペースアップする。しかし、それでもそれぞれの短編は玉石混交。分厚い新書という形態もあって、なかなか進まない。

     確かにストレンジ・ワールドなんだが、下手に諸島ガイドブック形式をとるからか、無駄にややこしい気がする。再読を期して、今回は中座することとした。最初の数話で終わったから。

    作品は以下の通り

    風の島
    静謐の地
    ジェイム・オーブラック
    雨の影
    沈黙の雨
    鋭い岩
    大きな家・澄んだ深海
    暗い家・彼女の家・夕暮れの風
    すべて無料
    台無しになった砂
    吊された首
    歓迎せよ
    芳しい春
    凍える風・大提督劇場
    手に入れた平和
    曖昧な痛み
    二頭の馬
    忘れじの愛
    完成途中・開始途中
    伝言の運び手・足の速い放浪者・無人機
    行方の定まらぬ水
    赤いジャングル・愛の戸口・大きな島・骨の庭
    遅い潮
    険しい山腹
    たどった道
    たどられた道
    唱えよ・歌え
    臭跡・痕跡
    静かな波音を立てる海
    死せる塔・ガラス
    高い・兄弟
    口笛を鳴らすもの
    古い廃墟・かきまぜ棒・谺のする洞窟
    大聖堂
    ダークグリーン・サー・ディスカント

  • 「毎日新聞」2013年10月27日付朝刊で、
    若島正先生が紹介しています。
    「解けない謎に満ちた夢の中の島をめぐる物語」
    (2013年10月28日)

  • 最初はちょっと取っつきにくい。
    でも多分、噛めば噛むほど味が出る、スルメのような小説。
    もう一回読むか。

  • 夢幻諸島の島々をめぐるガイドブックという体裁をとった連作短篇集。時に結びつき時に矛盾するエピソード、双生児やガラスといったモチーフ、信頼できない語り手に翻弄されるうちに浮かび上がる歪な騙し絵に幻惑される。いやー、面白かった !!

  • 毎回ラストにその島?の通貨が出てくるの…
    なんか…そういうの、好きだ……

  • 2019/12/21購入

  • SF

  • 不思議な世界観のなか、してやられちゃってるな、俺。感が満載で楽しめました。

  • 夢幻諸島”ドリーム・アーキペラゴ”のガイドブック。
    旅が好きだから楽しかった。自分が移住するならどの島に行くだろう?なんて考えたりしながら。
    もちろんガイドブックの体をとりながら、横軸のしかけもある。
    もっと登場人物を多くして、さらに複雑だったらよかった。

  • 定期購読

  • こういう語り手や視点を変えながら、紡がれていく大風呂敷な物語って好きなんだよな~。判ら~んって思いつつも次の章を読んで、あれと同じ出来事か、あの時の人だってピースがハマる時の楽しさっ(ΦωΦ)フフフ…
    ガルシア=マルケスの何かが思い浮かんだ。何だったかな?
    (-ω-;)ウーン?

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