- Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
- / ISBN・EAN: 9784153350137
作品紹介・あらすじ
〈ヒューゴー賞/ローカス賞受賞〉憧れの連邦の旗艦イントレピッドに配属された少尉ダール。だが、惑星探査中の艦では異常な出来事が多発していた……。〈老人と宇宙〉の著者が贈る宇宙冒険SF
感想・レビュー・書評
-
スタートレックの最初期TVシリーズ「宇宙大作戦」を元ネタにしたトンデモSF。並行宇宙あり、タイムトラベルあり、宇宙生物あり、のまさにTVシリーズの様にバラエティ豊かなSF小説です。2010年に放映されている「イントレピッド号航宙記」のTVドラマが、小説の中における現在2500年の宇宙艦隊旗艦イントレピッド号の現実とシンクロしている!
この超バカバカしい設定が、「宇宙大作戦」のいい加減だったストーリーと相まって現実世界に緊迫感をもたらす。確かに、CM前にその他大勢が一人は死ぬ、洞窟に入ると怪物に襲われる、森に入ると上から怪生物が落ちてくる(大抵顔に張り付く)、主役級は絶対死なない、配電盤を光線銃で撃つと必ず都合よくドアが開く(または閉まる)等、数々のおバカな約束事が思い出されます。(スターウォーズでもドアの配電盤撃ってましたよね)
しかし現実の出来事として捉えると笑い事では済まない訳で、主人公たちは歴史を変えるべく過去に遡りイントレピッド号の脚本家に会って無意味な死を止めさせようとする。
これが物語の主題なんですが、ドタバタ劇のまま終わらず、最後のパートはロバート・F・ヤングの時間ロマンスの様な暖かい話で締めている。ほっこりします。これがいいです。
「宇宙大作戦」ファンなら必ず、ギリギリ「宇宙空母ギャラクティカ」ファンでも楽しめます。"詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「時は25世紀!場所は銀河連邦!若き新任少尉ダールは憧れの宇宙艦隊旗艦イントレピッド号に配属される。宇宙をまたにかけた血沸き肉踊る冒険が始まるのだ!」という出だし(意訳)からは『宇宙大作戦』の露骨で、しかもそんなに出来の良くないパロディとしか思えないのに、中盤からはあれよあれよとスコルジーの術中にハマってしまった。
「物語理論」に行き着くのも凄いが、後半のとある人物を救うための解決方法が本当に素晴らしい。その手があったか!と膝を打つこと請け合い。
そして、本編が終わった後の3つの後日談でさらに彼らのその後が描かれるというのも良い。物語を生きる彼らの人生があたかも自分のことのように迫ってくる。
それと、この本に限ってはぜひ書籍版で読まれることをおすすめする。理由は読めばわかるけど、本編のオチの位置が素晴らしく絶妙なのですね。電書だとこうはいかないな。 -
ファンタジーやSFでたくさんあるネタで話しは進んで行きますが、ちょっと変わった展開を見せます。後半にページを捲って、えっ?となるところがあるのでページ捲りは慎重に。
-
老人と宇宙シリーズの著者が古き良きスペースオペラドラマをおちょくりつつ、ちゃんととしたSF的思索小説に仕立て上げた一作。そして〈彼らはずっと幸せに暮らしました〉。
ミステリとSFの共通点はなにか、つまり、両方とも好きな理由があるとしたら、多分それはスペキュレーション(思索)という部分なんだろうな、と改めて思った作品でした。 -
面白かった!こんな作風も楽しませてくれるスコルジー。イイネ!
-
米国のドラマが結構好きで、Dlifeとか結構観てます。
そんなドラマの中でも傑作のうちの一つ、スタートレックシリーズを題材に、もう一つの世界で繰り広げられる宇宙冒険SFもの。
そうか、そうきたかと思うし、なるほどねと思うエピソードというか考え方というか、うーんなかなかに面白い。
これからのドラマの観かたが変わってしまいそうなこの一冊。
ドラマ好きの方は、読んだら良いのか読まない方が良いのか、意見が分かれるところだと思います。 -
SF。コメディ。メタSF。
どうやら終章が感動的で良いらしいが、自分は本編が好きで、終章が苦手だった。
本編だけでもユーモアのある、冒険SFとして楽しめるはず。 -
面白かった。すごいメタ!ユーモアが好き
-
訳が合わないのか、面白感が伝わってこなかった
-
確か、このSFがすごい!にランクインしてた気がして挑戦。
コアなSF好きはもちろん、SFの楽しみ方があまりわからない!という方にも超おすすめ。
細かい部分がわからなくても、突拍子もない仕掛けに引き込まれてしまって全然気にならないと思います。
でも本当に良いのは終章です!
人生って悪くないなあと思える。
あまり内容についてわからないまま読んで良かったです。