本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
本 ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784153350229
作品紹介・あらすじ
量子怪盗ジャン・ル・フランブールと戦闘美少女ミエリは、人類発祥の地たる地球に向かう。そのころ地球では有力者の娘タワッドゥドのもとに奇妙な命令が舞い込んでいた……。『量子怪盗』続篇
感想・レビュー・書評
-
コンピュータ用語はファンタジーな言葉に置き換わってるので、考えながら読むとなかなか進みません。魔法の世界だと思って素直に読んだ方がよかったかも。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
フィンランドの作家ハンヌ・ライアニエミ、2012年発表の小説。遠未来SF「怪盗フランブール」三部作の第二巻。フィンランドの作家のSFは初めて読みましたが、遠未来ということで何でもありの壮大な世界、とても面白いです。
図書館にこの三部作の第一巻「量子怪盗」が置いてないため、第二巻から読むことになり、そのためもあってか最初のうちはこの作品の世界の少々難解なSF的成り立ちに多少難儀しました。しかし用語に馴れてしまえば、中身はまあわりと普通の冒険活劇、楽しめます(わりと普通、とはいっても相当凝った作品であることは確かですが)。
この作品の世界では人類は太陽系全域に広がっているようで、その中で「精神共同体」が内太陽系を、「族」が外太陽系を支配し、対立しています。「精神共同体」はロシアのフョードロフ主義を基にする組織で、ネット上にアップロードして不死の存在となった魂の集合体?(第二巻には説明がほとんどなくて私はまだあまり良く理解出来ていないのですが)。7人の開祖がいて内部対立もある模様。
この世界で地球はわずかに都市が一つあるだけですっかり荒廃しているのですが、「精神共同体」の支配は受けつつも完全に屈服しているわけではありません。
大略以上のような世界で、本作品では「怪盗フランブール」とオールトの少女戦士ミエリ、知性を持った宇宙船ペルホネンの三人?組が開祖の一人、女神ペレグリーニから強要されたミッションをこなすため地球へ向かいます。
一方、すっかりアラビアンナイトのような世界になっている地球では、最後の都市「シッル」(軌道から落下したスペースコロニーの成れの果て)で評議員の一人が殺されるという事件が起こっており、何らかの陰謀が進行している模様。
主に執政官の娘タワッドゥドの視点で描かれる地球上の物語とフランブールの物語が交互に語られ、やがて一つになるわけですが・・・。
アラビアンナイト風の物語が物語を呼ぶ入れ子細工のようなストーリー、結局最後はどうなったの?と思ってしまうのですが、面白いです。
ハンヌ・ライアニエミの作品





