隣接界 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

制作 : 引地 渉  古沢 嘉通  幹 遙子 
  • 早川書房
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本棚登録 : 85
レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (590ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784153350359

感想・レビュー・書評

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  • 出だしは妻をテロによって亡くした男の話。舞台は近未来のイギリスのようで、異常気象の影響が世界中に出ていて、厳戒体制が敷かれているようだ。だが第二部では第二次大戦時に軍に徴集される手品師が出てきて、その後は飛行機整備士の話。名前の似た人物が出てきたり、どこか似たようなエピソードが語られたり、とにかく読み手を不安定にさせるのはいつもの作者らしい。その中でも出だしの妻を亡くした男タラントのさ迷う世界がとても恐ろしい。周りで起きていることが意味不明だし、彼の深い喪失感のせいか周囲の人間ときちんとコミットできず常に孤絶感が漂う。大切な誰かを失うこと、失っても永遠に求め続ける痛みが全編を貫いているように思えた。

  • SF的な事象で人が消えるところから始まる。本作品は8部構成になっており、それぞれ関連してはいるが異なる舞台で物語が展開される。“関連している”ところが肝要で、本書のタイトルのように“隣接”している。第二部以降しばらくは、「これってSFなのかなあ」と訝しいが、後半から隣接度が高くなると、どんどん面白くなる。平行世界なのかタイムスリップなのか、謎は謎であるが、ジグソーパズルのピースが上手くはまらない感じが読んでいて楽しい。何度か読み直すと、新しい発見がありそうな作品だ。

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