折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 5036)

著者 :
制作 : ケン リュウ  牧野 千穂  中原 尚哉  大谷 真弓  鳴庭 真人  古沢 嘉通 
  • 早川書房
4.09
  • (27)
  • (30)
  • (16)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 368
レビュー : 41
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784153350366

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • ケン・リュウが選ぶ中国の新進SF作家7人による13短篇。目を剥くような奇想にほど良く感傷をきかせていて、どの物語もとても入りやすい。露骨な格差によって三層に分断され、決まった時間になると畳み込まれ入れ替わる北京の街を描く「折りたたみ北京」(郝景芳ハオ・ジンファン)、秦の時代に企てられた300万の兵士による巨大計算機「円」(劉慈欣リウ・ツーシン)等。この二篇の長編版を読める日が待ち遠しい。『夢幻諸島』シリーズを思わせる「見えない惑星」(ハオ・ジンファン)や、もの悲しい余韻を残す「龍馬夜行」(夏笳シア・ジア)も良かった。

  • 色々身構えて読み始めたけどそんな心配はいらなかった。
    中国とSFの結び付きとは、とか最近SF読んでいなかったな、とかポケットブック版は情報量多そうだな、とかそんな事を色々考えていたけど。

    子供の頃読んだジュブナイルSFを思い出すような、とにかくわくわくして読めた。
    カタログ的にどれか気に入った作品があればという感じでも読もうとしていて、作品の中では「蛍火の墓」が美しく哀しく印象に残ったけど、どの作品も異なった世界観が魅力的で、次に読んだらまた新しい良さが発見できると思う。

  • 現代中国SFアンソロジーという副題にたがわぬ、面白いSFが詰まっていた。ケンリュウの英訳をさらに日本語に訳してあるので、言葉使いは原典からどのくらい違うのかわからないが、発想やストーリーは十分堪能できる。
    劉慈欣(リュウツーシン)の三体はぜひ読んでみたい(オバマも読んでる)

    鼠年/陳楸帆:まだ鼠の毛一本見つけていない
    麗江の魚/陳楸帆:再訪した。今回は病人として
    沙嘴の花/陳楸帆:深圳湾の夏は10か月続く
    百鬼夜行街/夏笳:百鬼夜行街は藍色の帯のように細く長い通りです。
    童童の夏/夏笳:おじいちゃんがうちに引っ越してくるわよ
    龍馬夜行/夏笳:りゅうまは月夜に目覚めた。
    沈黙都市/馬伯庸:時は2046年。中国政府への風刺?
    見えない惑星/郝景芳:魅力的だった惑星の話をきかせて
    折りたたみ北京/郝景芳:ごみ処理施設での勤務が終わったあと老刀は・・・
    コールガール/糖匪:小一のほっそりした裸体だけが、細い朝陽に照らされている。
    蛍火の墓/程婧波:雪止鳥が空にあらわれ、世界の混乱は深まりました。
    円/劉慈欣:秦の首都咸陽紀元前二二七年
    神様の介護係/劉慈欣:神のせいで秋生一家はまたしても大騒ぎだった。

  • 中国SF短編集。

  • ギブスン調、オーウェル調、カルヴィーノ調、クラーク調といった影響元が明らかなものから、中国調としか言いようのない不思議な幻想小説まで。

  •  個別の感想とは別に、全体的な印象としては、親子や血縁に関する情が表面に現れている作品が多かった気がする。
    中国の儒教的な文化が背景にあると言ってしまえばそうかも知れないが、むしろ日本や西洋のSFの側が、その国の現在の平均的な社会の有り様よりも個人主義的姿勢を作品内で強調して描きがちな傾向があるのかもしれないと思った。
    中国の神や民話や歴史のムードはとても好みだし、SF的な換骨奪胎にも向いている気がする。
    深センを舞台にした「沙嘴の花」がとても良かったので、香港や北京や上海などフィクション全般に使われがちな土地以外の現代中国を舞台にした作品も読んでみたくなった。

  • 気に入ったのはタン・フェイ『コール・ガール』、気になったのはリウ・ツーシン。

  • 漢字表記の人名や地名に読み難さを感じたけど、フツーに名品揃いのSFアンソロジーだった。中国でこれらの小説が発表出来ているというので( ゚Д゚)
    で『三体』ってのの邦訳が激しく読みたいんだけど~

  • 【収録作品】
    序文 中国の夢/ケン・リュウ
    鼠年/陳楸帆
    麗江の魚/陳楸帆
    沙嘴の花/陳楸帆
    百鬼夜行街/夏笳
    童童の夏/夏笳
    龍馬夜行/夏笳
    沈黙都市/馬伯庸
    見えない惑星/郝景芳
    折りたたみ北京/郝景芳
    コールガール/糖匪
    蛍火の墓/程婧波
    円/劉慈欣
    神様の介護係/劉慈欣
    エッセイ/劉慈欣、陳楸帆、夏笳

    夏笳の百鬼夜行街が中でもお気に入りなのだが、夏笳の他の作品はどうやって読めるものなのだろう。
    中国SFがもっと流行って作品がたくさん読めるようにならんものだろうか。
    中国SFおもしろいぞ!

  • 読了できず

全41件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

1984年、中国・天津生まれ。2006年に清華大学物理学科を卒業後、同大天体物理センターを経て同大経営学部で経済学の博士号を取得。高校在学中の2002年に30歳以下を対象とした「新概念作文大賽」で一等賞を受賞し頭角を現す。2006年からSF作品の執筆を始める。2007年、「祖母家的夏天(おばあちゃんの家の夏)」が銀河賞の読者ノミネート賞を受賞。社会科学に関心を抱きはじめ、博士課程は清華大学経済管理学院に学び、2013年に国際貿易研究で博士号を取得した。長篇小説『流浪蒼穹(蒼穹の流浪)』(2016年)、短篇集『去遠方(遠くへ行くんだ)』、本書『孤獨深處(孤独の底で)』(2016年)のほか、紀行エッセイ『時光裡的欧洲(時間の中のヨーロッパ)』(2012年)が単行本として刊行されている。
2014年に発表した本書収録作「北京 折りたたみの都市」は中国系アメリカ人作家のケン・リュウによって2015年に英訳され、2016年、ヒューゴー賞(中篇小説部門)を受賞した。

「2019年 『郝景芳短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 5036)のその他の作品

郝景芳の作品

ツイートする