- 本 ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784153350465
作品紹介・あらすじ
電子ゴミまみれの中国南東部の島、シリコン島。ゴミから資源を探し出す"ゴミ人"の米米の運命は、環境調査のため島に上陸したブランドルと開宗、そして島を仕切る御三家を巻きこんで大きく狂っていく。『三体』劉慈欣激賞、中国SFの超新星が放つデビュー作!
感想・レビュー・書評
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サイバーパンク的な世界観と、中国の伝統的な道教の要素が融合したSFアクション小説。随所に出てくるボディフィルムや義体部品などが世界観を表現するためのみならずにストーリーにも深く関わってきていてよかった。ストーリラインはシリコン島のゴミ人、シリコン島経営層、シリコン島再開発を目論むアメリカ人などそれぞれの視点から進み最終的に一つの終着点へと収束する。ラストも単純な勧善懲悪ではない点も良かった。
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中国のSFがすごい、とよく聞くようになり、読んでみると実際すごい。これまでの海外SFとも国産SFとも違った情緒みたいなのがある。親や土地との繋がりとかそういう。
宗教観や歴史ももちろん絡んでくるんやろうけど、そのあたり疎いのが残念……
体調と余暇の関係で細切れに読んでしまって、いまいち波に乗りきれなかったので、通して再読したい。 -
2020年1月新ハヤカワSFシリーズ刊。中国のハイテクゴミの島で暮す人々のお話。ハイテクゴミの島というアイデアが秀逸。ストーリー後半で、ハイテクゴミによる米米の身体に起った驚異的な変革以降、ジェットコースター的展開で、あっという間に読み終わってしまいました。この世界観が、中国なのかと思うものの、体感は難しかったです。
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よくできてはいるが、アジア人の貧しい女の子がいやおうなく得てしまった異能力で人を国を歴史をすら変えようとする…って筋書きなら『ゲームの王国』のほうが上では…とかなんとか。『ねじまき少女』もあったし(ちょっと違うか)、ちょっと飽きたかもw
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好みは分かれるだろうけれど、個人的には好き。 最初は近未来を舞台にしただけの啓発系のお話かなって思っていたけれど、途中である物が出てきてから空気が変わった。冒頭からずっと「そこにある」として描かれていたサイバーパンクの各要素がぐっと太い線で繋がれてから面白さが加速。終り方も、賛否ありそうだけれど悪くはないと思う。余韻があってこれはこれであり。
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まさに中華サイバーパンク。おもしろかった!
どうでもよさそうな描写が冗長だったり、逆に詳しく知りたいとこが説明不足だったりでよくわからないとこがあるけど、まあ処女長編ということで。 -
著者のアイデアと哲学がてんこ盛りで楽しい
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近未来の中国南東部の島を舞台にリサイクルと搾取とさらに大きなグローバル企業の搾取を背景として、サイバネティクスの行き着く先を描いた作品。ボーイミーツガールやアクションも薄らとある。
中国SFの特徴として社会的な側面が強いというものがある一方、群像劇のように登場人物が描かれていると思う。 -
舞台がスワトウの沖合に浮かぶ電子ゴミが運びこまれる島、文中にメイカーフェアが注記抜きで出てくるSFというだけで満点。
しかも、作者はバイドゥのプロダクトマネージャー。
ゴミの中から見つけたインプラント義体をリサイクルして使うデジタルヒッピーでディストピアな話
翻訳で基板警察が必要なので星を一つ減らした(翻訳そのものはとてもいいです)けど、この作者の他の小説も読んでみたい。
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