荒潮 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

  • 早川書房
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本棚登録 : 165
レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784153350465

作品紹介・あらすじ

電子ゴミまみれの中国南東部の島、シリコン島。ゴミから資源を探し出す"ゴミ人"の米米の運命は、環境調査のため島に上陸したブランドルと開宗、そして島を仕切る御三家を巻きこんで大きく狂っていく。『三体』劉慈欣激賞、中国SFの超新星が放つデビュー作!

感想・レビュー・書評

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  • 中国のSFがすごい、とよく聞くようになり、読んでみると実際すごい。これまでの海外SFとも国産SFとも違った情緒みたいなのがある。親や土地との繋がりとかそういう。
    宗教観や歴史ももちろん絡んでくるんやろうけど、そのあたり疎いのが残念……
    体調と余暇の関係で細切れに読んでしまって、いまいち波に乗りきれなかったので、通して再読したい。

  • 2020年1月新ハヤカワSFシリーズ刊。中国のハイテクゴミの島で暮す人々のお話。ハイテクゴミの島というアイデアが秀逸。ストーリー後半で、ハイテクゴミによる米米の身体に起った驚異的な変革以降、ジェットコースター的展開で、あっという間に読み終わってしまいました。この世界観が、中国なのかと思うものの、体感は難しかったです。

  • サイバーパンク的な世界観と、中国の伝統的な道教の要素が融合したSFアクション小説。随所に出てくるボディフィルムや義体部品などが世界観を表現するためのみならずにストーリーにも深く関わってきていてよかった。ストーリラインはシリコン島のゴミ人、シリコン島経営層、シリコン島再開発を目論むアメリカ人などそれぞれの視点から進み最終的に一つの終着点へと収束する。ラストも単純な勧善懲悪ではない点も良かった。

  •  超絶エンタテインメント作品でした。物語の要素となっている題材はてんこ盛りに盛ってあって、どこに軸足を置いても読みやすいように感じました。悪臭と湿っぽさの印象が強い陰鬱な感じの風景と、それと対比するかのような爽快感とがあって、気持ちよく読みました。

     とにかく隅から隅まで読みやすい。舞台のベースになっているのは現在の社会をある程度引き写したもので、また、描かれている中国の背景が、高度成長期の日本を彷彿とさせる部分も少なくなく、設定舞台が驚くほど容易に脳内で展開できる。近未来風景や技術もわかりやすい表現で描かれていてとっつきやすい。登場人物たちのこだわりや迷いも比較的わかりやすく、物語世界に没入していきやすい。米米と開宗の関係のあり方やその変化とか、ある意味王道なのだろうけど、やっぱり楽しい。

     米米が途中で大変革を起こすのだけど(びっくりしたよ!)、それにつられるように、周囲の登場人物たちも変化していって、前半と後半ではかなり印象が異なる。自分は比較的、開宗がわかりやすいキャラだなと思いながら読み進めていたんだけど、終章辺りになると、そうか、そうなるんか、という印象でした。

     最後のほうの大嵐のような展開からの終章での幕引きが、あまりにすっきりしすぎているようにも思えてしまうのだけど、その辺は好みの問題なのかなとも思う。しかし、米米、方々からいろいろと個人的な思惑に使われすぎていて、その結末についてはちょっといろいろ思ってしまった……

     最後に訳者あとがきとして、原作の中文と英訳版と邦訳版との訳語等の関係についてまとめてあって、本当に大変な作業だったのだなぁと、頭が下がりました。本書は英訳版からの邦訳だったけど、この先は中文からの直接の翻訳が増えたりするのかな。訳者の方がたの事情もあるだろうし、一概には言えないのだろうけど。訳者の方がたのご尽力のおかげで、こうして非日本語圏の面白い作品に触れることができて、ありがたいことだなぁと思います。

  • 好みは分かれるだろうけれど、個人的には好き。 最初は近未来を舞台にしただけの啓発系のお話かなって思っていたけれど、途中である物が出てきてから空気が変わった。冒頭からずっと「そこにある」として描かれていたサイバーパンクの各要素がぐっと太い線で繋がれてから面白さが加速。終り方も、賛否ありそうだけれど悪くはないと思う。余韻があってこれはこれであり。

  • まさに中華サイバーパンク。おもしろかった!
    どうでもよさそうな描写が冗長だったり、逆に詳しく知りたいとこが説明不足だったりでよくわからないとこがあるけど、まあ処女長編ということで。

  • 著者のアイデアと哲学がてんこ盛りで楽しい

  • 近未来の中国南東部の島を舞台にリサイクルと搾取とさらに大きなグローバル企業の搾取を背景として、サイバネティクスの行き着く先を描いた作品。ボーイミーツガールやアクションも薄らとある。
    中国SFの特徴として社会的な側面が強いというものがある一方、群像劇のように登場人物が描かれていると思う。

  • 舞台がスワトウの沖合に浮かぶ電子ゴミが運びこまれる島、文中にメイカーフェアが注記抜きで出てくるSFというだけで満点。
    しかも、作者はバイドゥのプロダクトマネージャー。
    ゴミの中から見つけたインプラント義体をリサイクルして使うデジタルヒッピーでディストピアな話
    翻訳で基板警察が必要なので星を一つ減らした(翻訳そのものはとてもいいです)けど、この作者の他の小説も読んでみたい。

  • 近未来の中国を舞台に、電子ゴミのリサイクル事業でもうける支配階層と、劣悪な環境なリサイクル現場で働く労働者の対立?がテーマになったようなSF。
    だと思うんだけど、主人公の少女が何かの力を得てしまったような感じだけど、その辺りがいまひとつよく分からなかった。
    サイバーパンク的な世界観で、アクション要素が強い。
    SF的な世界設定としてはあまり面白みのある部分がなかった気がする。

    前評判で期待して読み始めたが、あまり入り込めないまま終わってしまった。
    新型コロナウィルス感染拡大の影響で、フィクションにのめり込みにくい心理状態も影響しているのかもしれない。

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