月の光 現代中国SFアンソロジー (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

制作 : ケン リュウ 
  • 早川書房
3.97
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本棚登録 : 231
レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784153350472

作品紹介・あらすじ

『三体』著者、劉慈欣による表題作ほか、現代の北京でSNS産業のエリートのひとりとして生きる主人公の狂乱を描いた、『荒潮』著者の陳楸帆による「開光」など、14作家16篇を収録。最先端の現代中国SFを収録した、ケン・リュウ編によるアンソロジー第2弾

感想・レビュー・書評

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  • 2019年2月米国で出版されたBroken Stars : Contemporary Chinese Science Fiction in Translationの日本語訳。2020年3月新ハヤカワSFシリーズ刊。14作家16篇+エッセイ3篇のアンソロジー。「月の光」、「鏡」は秀逸。「金色昔日」って当局に捕まるんじゃないかと思える内容ですが、SFなので政府に眼をつけられず、許されているんでしょうか。不思議。
    「おやすみなさい,メランコリー」夏笳(シアジア)、「晋陽の雪」張冉(ジャン・ラン)、「壊れた星」糖匪(タンフェイ)、「潜水艇」韓松(ハン・ソン)、「サリンジャーと朝鮮人」韓松(ハン・ソン)、「さかさまの空」/程婧波(チョン・ジンボー)、「金色昔日」宝樹(バオシュー)、「正月列車」郝景芳(ハオ・ジンファン)、「ほら吹きロボット」飛氘(フェイダオ)、「月の光」劉慈欣(リウ・ツーシン)、「宇宙の果てのレストラン――臘八粥」吴霜(アンナ・ウー)、「始皇帝の休日」馬伯庸(マー・ボーヨン)、「鏡」顧適(グー・シー)、「ブレインボックス」王侃瑜(レジーナ・カンユー・ワン)、「開光」陳楸帆(チェン・チウファン)、「未来病史」陳楸帆(チェン・チウファン)、中国SFとファンダムへのささやかな手引き/王侃瑜(レジーナ・カンユー・ワン)、中国研究者にとっての新大陸:中国SF研究/宋明煒(ソン・ミンウェイ)、サイエンス・フィクション:もう恥じることはない/飛氘(フェイダオ)

  • 文庫化待ち (追いつかないよ)

    月の光 現代中国SFアンソロジー | 種類,単行本 | ハヤカワ・オンライン
    https://www.hayakawa-online.co.jp/shop/shopdetail.html?brandcode=000000014478&search=%B7%EE%A4%CE%B8%F7&sort=

  • 全部の短編が面白くてビックリしてしまった。特にすきだったものが選べないくらいだが選ぶとしたら、『金色昔日』と『未来病史』。前者は解説やエッセイを読むと中国的だな(中国のエンターテインメント文学のジャンル分けや流行りを考えて)と納得できる作りで、お話自体にも感動した。後者はディストピアな感じでエグり方が鋭くてすごかった。

  • 劉慈欣の傑作『三体』によって日本でも一躍注目を集めている中国SF。この計り知れない世界について、自らもSF作家として活躍し、さらに翻訳家として英語圏への紹介を行っているケン・リュウが編纂したアンソロジー。

    これ1冊を読めば中国SFが全てわかる・・・とまでは言い切れないかもしれないが、どの作品も高い魅力に溢れているものばかり。アンソロジーという性質を踏まえて、巻末には数編の中国SFの歴史や作家紹介などが綴られた論考も収められているのが嬉しい。

    数ある作品の中で最も面白かったのは宝樹の「金色昔日」。2008年、北京オリンピックが生まれついて初めての記憶となる4歳の少年を主人公として彼の成長が綴られていく。読み始めた当初は、2008年を出発点として、物語は近未来に進展するのだろうと思っていた。しかし、北京オリンピックに続いて描かれるのは、SARSの流行、アメリカのイラク及びアフガニスタン侵攻であり、”何かがおかしい”という疑念が頭に浮かぶ。そして、鄧小平が登場する段になり、ようやく気付く。”この作品は実際の歴史を過去にさかのぼっている”ということに。

    過去にさかのぼっているというのは正しくない。時代は確かに2008年から前に進んでいるが、そこでは歴史が逆転しているのである。文化大革命、国共内戦~日本との戦争と物語が続いていくことで、時間の流れと歴史の進歩とは決してリンクしないことがあるという当たり前だが気付きにくい事実を、否応にでも痛感させられる。アイディア自体はシンプルでも、それが作品として結実することで、我々の世界認識を変え得るという芸術の威力に満ち溢れている。

  • おもしろかったー。
    「金色昔日」「ほら吹きロボット」「月の光」「開光」「未来病史」あたりがよかった。
    しかし劉慈欣の解説のとこに三体のネタバレが書いてあってビックリした。勘弁してくれよ。

  • 現代中国SFアンソロジー『月の光』読了。
    ケン・リュウ編の同趣旨のアンソロ第2弾。
    中国現代史を逆行しながら男女の悲恋を描く宝樹「金色昔日」のような重厚なものから、始皇帝が諸氏百家から各ジャンルのゲームをプレゼンされる馬伯庸「始皇帝の休日」のようなパロディ満載のものまで粒ぞろい。

  • 面白かった…!
    第一弾より作家数が増えて、ほとんど一人一作なので更に幅が広く感じられた(そうすることで、前作ほど個人の幅を示せなかったというケン・リュウのもどかしさも理解できるのだけど)。
    「始皇帝の休日」(馬伯庸著)に爆笑。
    「銀河ヒッチハイクガイド」の二次創作が掲載されていたり、作者の中に「三体」の二次創作で世に出たという方がいたり、二次創作文化も盛んなんだなぁ!
    歴史の流れが逆転する中編「金色昔日」(宝樹著)と、短編「ブレインボックス」(王侃瑜著)が特に印象が強い。
    読み終えても、ずっと頭に残る二作だった。

  • 中国SFといっても、いろんなジャンルがあるんだなぁ。それぞれのジャンルからケン・リュウが選んだアンソロジー。中国ならではと感じたのはタイムスリップものと、歴史改変風味のものかな。一番のお気に入りはバカSF「始皇帝の休日」。エッセイは共産党支配の中、SFがどう扱われてきたのかうかがい知れて興味深かった。

  • アンソロジー第2弾。
    1冊目も非常に面白く読んだが、本書も『ハズレ』がないアンソロジーだった。次はこの中から誰が邦訳されるのか楽しみ。

  • SFマガジン12月号掲載の宝樹「我らの科幻世界」に感動したので、こちらも読んでみる。
    目当ての「金色昔日」を読んでいて、自分の中国現代史の無知ぶりに気付き、慌てて調べてから読書を再開した。
    子供時代は遠い昔のようだし、その頃おこった大事件も、化石みたいに歴史として既に固定されているような気になる。だけど本当は、事実の重みは時の流れに左右されるものではないのかも、と考えさせられる。
    「さかさまの空」「壊れた星」も好き。

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著者プロフィール

劉慈欣(発音:リウ ツーシン りゅう じきん)
1968年生まれの中国作家。発電所で働くかたわら、趣味でSF短篇を書き始め、1999年、中国のSF雑誌『科幻世界』でデビュー。銀河賞を連続して受賞し、『三体』が2008年に単行本として刊行後に大ブレイク。またたくまに現代中国を代表する作家のひとりとなる。2015年、ケン・リュウ訳『三体』(第一部)によって、翻訳書として初のヒューゴー賞を受賞。『三体』は中国で社会現象となった。2019年7月4日、『三体』邦訳が刊行され大きな話題となり、幾度もの重版を決めている。

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