馴染み知らずの物語 (ハヤカワ新書 003)

  • 早川書房 (2023年6月20日発売)
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本棚登録 : 314
感想 : 28
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  • 本 ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784153400030

作品紹介・あらすじ

ある朝、目が覚めたら自分がベッドになっていた――!? カフカの『変身』やカズオ・イシグロの『わたしを離さないで』など、古今東西の名作のタイトルをヒントに滝沢カレンさんが新しい物語をつむぎます。オリジナルを知っている人も知らない人も楽しめる一冊。

感想・レビュー・書評

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  • また長らく体調を崩して、久しぶりに一冊読み切ることができました。嬉しい。それはさておき。

    滝沢カレンさんが古今東西の名作のタイトルと少しの原作の情報を頼りに紡ぎ上げた物語たち。本書のタイトル通り、まさに馴染み知らずだ。
    独特の言い回しの効いたカレン節は活字でも顕在で、少し読みにくい部分もあったけれど、カレンさんの自由な発想で紡ぎ上げられる物語たちがどこへ向かうのか、ワクワクしながら読み進めることができました。
    カフカの変身を元にしたカレンさんの変身が本書の中で一番好きですね。あとは若きウェルテルの悩みも好みです。
    各話ラストに原作のあらすじが載っていて、未読の作品も気になる仕様。

    以下備忘録がてら目次をば。

    馴染み知らずの(以下略)九月が永遠に続けば
    妻が椎茸だったころ
    変身
    うろんな客
    ザリガニの鳴くところ
    あしながおじさん
    若きウェルテルの悩み
    号泣する準備はできていた
    バナナフィッシュにうってつけの日
    みだれ髪
    蟹工船
    屋根裏の散歩者
    薬指の標本
    わたしを離さないで
    生きてるだけで、愛。

    • コルベットさん
      ゆまちさん、こんばんは。いつもありがとうございます。これはおもしろそう♪カレン節もカレンさんの笑顔も大好きです。
      ゆまちさん、こんばんは。いつもありがとうございます。これはおもしろそう♪カレン節もカレンさんの笑顔も大好きです。
      2023/10/04
    • ゆまちさん
      コルベットさん、こんにちは。
      こちらこそいつもありがとうございます。カレンさんやカレン節が好きならきっと楽しめると思います!ぜひぜひ〜
      コルベットさん、こんにちは。
      こちらこそいつもありがとうございます。カレンさんやカレン節が好きならきっと楽しめると思います!ぜひぜひ〜
      2023/10/05
  • 「ある日目が覚めたら、自分がベッドになっていた」、「眼鏡からコンタクトレンズにかえるタイミングを悩む少年」。
    カフカの『変身』や、ゲーテの『若きウェルテルの悩み』など、お馴染みの名作小説を、滝沢カレンがタイトルと少しのヒントをもとに、「馴染み知らず」に変身させた15話の物語。


    タレント・ファッションモデルとして活躍する滝沢カレンさんが、ウェブサイト「好書好日」に連載していた「滝沢カレンの物語の一歩先へ」に、書下ろしの『ザリガニの鳴くところ』を加えて再構成した短編集です。
    小林多喜二の『蟹工船』、エドワード・ゴーリーの『うろんな客』など、読書好きな方であれば馴染みのある15の物語を、タイトルなどをもとに全く新しいお話へ生まれ変わらせたもの。

    おとぎ話のような雰囲気のものもあれば、ちょっとSF、ホラーめいた話もあったりはしますけど、全体的には自由でカラッと、さっぱりしたお話が多く気分もスッキリします。カレンさんらしい独特な言い回しも独創的。不思議な世界観を一冊で存分に楽しめます。

    個人的に気に入った話をいくつか。
    『妻が椎茸だったころ』喪失からの再生の物語で、個人的には収録作内で一番の癒し物語。『若きウェルテルの悩み』は若者の自意識が書かれていて好きです。私も学生時代同じような事で悩んだことがある。『ザリガニの鳴くところ』これはファンタジーっぽいボーイ・ミーツ・ガール。独特な世界観が大好き。
    実は今あげた3作、どれも着想元の話の方を読んだ事が無いので、出来るだけ早めに読めたらいいな……。

  • 天才か。なんて言い過ぎかもしれないけど、この想像力というか妄想力というかは魅力的すぎる。ChatGPTみたく、人工知能の代わりにカレンさんの脳をモデルにした対話型AIを開発してほしいくらい。または、Alexaの代わりにカレンさんが毎日の生活の音声アシスタントをしてほしいくらい。きっと日常が少し幸せになるような気がする。なんて、そんな妄想までしてしまう。ちゃんと答えを知りたい内容には不向きではあるだろうが。

    この短編集は好きか嫌いかではっきり分かれるように思うが、個人的にはかなり好きだな。アレンジスキルが抜群で原曲並みかそれ以上に仕上げたリミックス・アルバムみたい。これも言い過ぎか?ちょっとウルっとくる話もあれば、SFやホラーっぽい話もある。ドキッとするほど人の心理を言い得ていることもあれば、全く意味が分からないこともある。文章になっているから独特で衝撃的な言葉選びは控えめかもしれないが、それでも随所に驚異的な日本語を堪能できる(褒めてます)。それでいて物語の内容にはどれもとても引き込まれる。面白すぎる。

    各話ちょっとずつでも内容を紹介したい気もするが、まっさらな状態で読めたほうが楽しめると思うので遠慮しておこう。

    個人的には、『ザリガニの鳴くところ』には参りました。こんなことは思いつかない。『妻が椎茸だったころ』や『変身』にはちょっとホッコリさせられたし、『みだれ髪』に仰天したし、『薬指の標本』や『わたしを離さないで』にゾクッとした。連載を追いかけながら、また一冊の本になることを願って待とう。

  • 新書創刊の舞台裏:滝沢カレンさんの言葉のセンスが光る『馴染み知らずの物語』担当編集者が語る|Hayakawa Books & Magazines(β)
    https://www.hayakawabooks.com/n/ne82df12317e0

    滝沢カレン/KAREN TAKIZAWA(@takizawakarenofficial) • Instagram写真と動画
    https://www.instagram.com/takizawakarenofficial/?hl=ja

    馴染み知らずの物語 | 種類,単行本 | ハヤカワ・オンライン
    https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000015485/

  • 滝沢カレンが、古今東西の様々な作品のタイトルをヒントに新たな物語を創作。何て大胆な試み、それがハヤカワ新書の創刊ラインナップに!?結構な冒険と思ったけど、本書の元となったサイト「好書好日」の連載をちょっと読んでみたら、なかなかよかったので購入。
    「変身」「あしながおじさん」「蟹工船」等、タイトルは勿論あらすじも知られてるであろう古典から、江國香織「号泣する準備はできていた」中島京子「妻が椎茸だったころ」等、現代の人気作家のものまで…どう料理するかと毎度ドキドキ。これが、なかなか絶妙な塩梅でのアレンジで、起承転結もきれい。ストーリーをよく知っている作品でも不思議と違和感なく、これはこれで…といった形でしっかり楽しめるのだ。カレンならではの独特の言葉遣いも、そんな表現をするのかとある意味新鮮。まぁ、文法的にうーんといったところもあるので、続けて読むと疲れるけど、そこを差し引いてもオリジナリティあるユニークな短編集だ。シュールだけど心暖まる、でも時々はゾワッとする、カレンワールド。そんな不思議な世界観を見事に表現した、岡田千晶さんの扉絵も一見の価値あり。

  • 滝沢カレンさんの、独特な世界観をまさかテレビ番組以外でも感じ取ることができるとは思ってもいなかった。「はじめに」の時点で大笑いしてしまった(私のツボが浅いだけ?)。物語のラスト1文がオチになったり、その1つの文章でどんでんがえしされたりと、たった数ページのお話が集まった短編集だというのに、読み応えがかなりあった。カレンさんのようなワードセンスと想像力が、いまとなっては私の羨望の的になっている気がする。

  • 妻が椎茸だったころで号泣し、薬指の標本でゾッとしたり、でも所々シリアスな場面でもカレン節が出ちゃってて入り込みすぎずにさくさく楽しめた!
    1番カレン節かまされて爆笑したのはザリガニの鳴くところ。登場人物の名前からずるすぎる。笑
    ハチャメチャだけどストーリー展開うますぎてめちゃくちゃ面白かったです。

  • オリジナル作品があって、それを滝沢カレンさんがリメイクしたもの。
    その独特な世界観、視点でもって楽しめる作品なのだと思います。

    個人的にハマらなかっただけです。

  • 頭の中身をもっと自由にすれば、人は皆幸せになれる

    そんな読後感です。
    ストーリーの構成に関しては、やはりプロの作家ではないので、稚拙に感じられる部分があります。
    でも、プロの作家にはないセンスが彼女の文章には感じられる。
    それは、小説家を目指す人たちがおそらく皆持っている「認められたい」という貪欲さがないから。
    だから表現も自由だし、発想も自由。
    ただただ文章が好き、書くのが好き。
    そんな滝沢さんの気持ちがビンビン伝わってきます。
    有名人だから本が出せるんだよ、と言われればそこまでですが。

    ただ、とにかく認められようとがむしゃらに頑張っても突破口は見つからない。
    一度好き勝手にやってみるとなんかうまくいきそうだよね、なんて思える一冊でした。

  • 2023.12.26
    名作の題名から想像を膨らませて紡がれた新たな物語集、らしい。破茶滅茶キャラ(でも賢そう)な印象のモデルさん、どんかものを書くのかな。

    言葉遣いや言い回しの正しさなんて関係ない!
    私の感性のまま、私の言葉で書くのよ!
    って感じで、え?って思うところがアッチにも、コッチにも…なんだけど、臨場感とでも言うのか、より感情が伝わるような気がするから不思議だ。

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